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2025/03/17 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(3/16~22)トランプ政権の鉄鋼・アルミ関税発動(カナダとの対立)、ロシア・ウクライナの停戦交渉


先週の米国のマーケットは激動でしたね。ある程度予想はしていたものの、私もあらためて投資戦略を見直す良い機会になりました。今週はオンラインサロンの懇親会があるので、そのあたりについてもあれこれお話したいと思います。Saltさんの「経済ZAP!!」も引き続き、大いに参考にさせていただきます。

さて今週もトランプ政権です。ついに発動された鉄鋼・アルミ関税について、特にカナダとの関係に焦点を当てて分析します。また、ロシアとウクライナの停戦交渉についても、米国との協議を踏まえ、最新の展望をお伝えします。

【目次】

1.先週の動き
(1)トランプ政権の鉄鋼・アルミ関税発動(カナダとの対立)
(2)米国とロシア・ウクライナの停戦交渉
2.今週の動き
3.近況報告
4.あとがき

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先週の動き
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3/9(日)
・トランプ大統領がウクライナへの情報共有の停止をほぼ解除したと発言
・カナダの自由党党首選挙(カーニー元イングランド銀行総裁が選出)

3/10(月)
・ルビオ国務長官とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(ジェッダ)
・ルビオ国務長官がUSAIDの事業の83%を打ち切ったと表明
・カナダのオンタリオ州のフォード州首相が米国に供給する電力料金の25%上乗せを発表
・中国が米国の大豆、トウモロコシ等に10~15%の追加関税を賦課
・中国の第14期人民政治協商会議(政協)第3回会議の閉幕(北京)
・北朝鮮が黄海道周辺から黄海に向けて弾道ミサイルを発射
・シリア暫定政府がクルド人勢力主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)の暫定政府への参加を発表

3/11(火)
・トランプ大統領がカナダから輸入する鉄鋼・アルミ製品への追加関税を25%から50%に引き上げると表明(その後、オンタリオ州が米国に供給する電力料金への上乗せの一時停止を発表すると、引き上げの中止を示唆)
・トランプ大統領がマイケル・デソンブレ元駐タイ大使を東アジア・太平洋担当国務次官補に指名
・米・ウクライナ高官協議(米国のルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官ウクライナのイェルマーク大統領府長官、シビハ外相、ウメロフ国防相が出席、米国が提示した停戦案をウクライナが受け入れたと発表)(ジェッダ)
・米教育省が職員の約半数の削減計画を発表
・米下院が9月末までのつなぎ予算案を可決
・中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の閉幕(北京)
・デンマーク自治領グリーンランドの議会選挙(デンマーク重視派の野党・民主党が第1党)

3/12(水)
・米国が鉄鋼・アルミ製品に25%の追加関税を賦課(EUとカナダが報復間関税を発表)
・米・アイルランド首脳会談(ワシントンDC)
・米財務省が供与していたロシアの金融機関とのエネルギー取引を認めるライセンスが失効
・米環境保護局(EPA)が自動車の排出ガス規制の撤廃を発表
・G7外相会合(シャルルボワ、~14日)
・ロシアのプーチン大統領がクルスク州を訪問

3/13(木)
・トランプ大統領がEUのワインやシャンパンに200%の関税を課すと発言
・米財務省がイランのパクネジャド石油相とイラン産石油を輸送する「影の船団」への制裁を発表
・ロシアのプーチン大統領が米国の停戦案に対する評価を表明
・ロシアがウクライナからクルスク州スジャを奪還したと発表
・ロシアのプーチン大統領とウィトコフ中東担当特使が会談(モスクワ)
・北朝鮮の貨物船が2月下旬に黄海上で中国船と衝突して沈没したとの報道
・シリアで暫定憲法が成立
・日米外相会談(シャルルボワ)
・日・マーシャル諸島首脳会談(東京)

3/14(金)
・米軍がイラク軍と共同で「イスラム国」のアブ・ハディジャ幹部ら2人を殺害したと発表
・ロシアのプーチン大統領がクルスク州のウクライナ兵に投降を呼びかけ
・中国・ロシア・イランの核問題に関する次官級会合(北京)
・カナダで自由党のカーニー党首が首相に就任

3/15(土)
・米国で9月末までのつなぎ予算が成立

●トランプ政権の鉄鋼・アルミ関税発動(カナダとの対立)

トランプ政権は通商拡大法232条に基づき、鉄鋼およびアルミ製品に対し、全貿易相手国を対象に25%の追加関税を適用しました。

以下の記事で述べたとおり、この追加関税は、第1次トランプ政権下の18年に導入されましたが、その後、日本や欧州、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、韓国、ウクライナは適用除外とされていました。しかし、今回これらの国々に対する免除措置が廃止され、さらにアルミ製品については、従来の関税率10%が25%に引き上げられることになります。

「トランプの関税攻勢(鉄鋼・アルミ、自動車、相互関税)」(2/17)

ただ、カナダをめぐっては直前にドタバタがありました。オンタリオ州フォード州首相が、米国向けの電力料金を25%上乗せすると突然発表。これを受け、トランプはカナダに対して50%の関税を課すと表明しました。しかし、その後フォードが上乗せ措置の一時停止を発表し、トランプも関税引き上げを撤回しました。

また、カナダでは自由党の党首に、マーク・カーニー元カナダ中央銀行・イングランド銀行総裁が選出されました。カーニーはトルドーに代わり首相に就任しています。カナダでは10月までに選挙が実施される予定ですが、以下の記事で述べたとおり、早期に行われる可能性が非常に高いです。

「カナダのトルドー首相の辞任」(1/13)
 
トランプの関税政策の今後の展望については、前回の記事(以下のリンク参照)で解説しましたが、今回は最新の動向を踏まえ、特にカナダの政治状況に焦点を当てながら、あらためて解説します(※メルマガで解説)。

「トランプの貿易戦争の幕開け」(3/10)

●米国とロシア・ウクライナの停戦交渉

サウジのジェッダで、米国とウクライナの政府高官による協議が行われました。米国からはルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官が、ウクライナからはイェルマーク大統領府長官、シビハ外相、ウメロフ国防相が参加しました。

米国は30日間の停戦案を提示し、ウクライナはこれを受け入れました。また、米国は一時停止していたウクライナへの軍事支援と情報共有を直ちに再開すると発表しました。

これに対し、プーチン大統領は、停戦のアイデア自体は支持すると表明しましたが、いくつかの問題を解決する必要があるとして、条件を付ける意向を示しました。また、米国のウィトコフ中東特使がロシアを訪問し、プーチンと会談しました。

ここまでの展開は、おおむね前回の記事(以下のリンク参照)で述べた予想どおりでした。今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。

「トランプとロシア・ウクライナの停戦交渉」(3/10)

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今週の動き
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※メルマガで解説。

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近況報告
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最近の仕事やプライベートについて、徒然なるままに書きます。

※メルマガをご覧下さい。

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あとがき
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アマコスト元駐日米大使死去 「ミスター外圧」、87歳(3月13日付時事)

アマコスト大使の訃報。私にとっては、スタンフォード大学に留学していた際、大変お世話になった方であり、恩師の一人ともいえる存在でした・・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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