2022/03/25 07:15 | ロシア | コメント(1)
ロシアのウクライナ侵攻:国際政治の理論からの考察
本日はロシアのウクライナ侵攻について、読者の方からの質問にお答えします。
>ロシアだけが悪く言われるが、たしかに侵攻に正当性はないとしても、その原因をつくったのはウクライナではないか?
>ロシアも悪いが、ウクライナも悪かったのではないか。喧嘩両成敗では?
>米国に責任があるのではないか?
>このような議論を見かけますが、どのように考えたら良いのでしょうか?
ロシアとウクライナのどちらが「悪い」かというとき、ここには2つの視点があると思います。国際社会のルールに沿っているのかというフェアネス(公平)の視点と、侵攻の原因は何だったのかという客観的な事実分析の視点です。
前者については、まず議論の余地はありません。侵攻自体に正当化の余地はなく、また侵攻前においても、クリミア併合をはじめ、ロシアはウクライナの主権を侵害する行為を行ってきました。これに対し、ウクライナあるいは米欧がロシアの主権を侵害する行為に及んだことはありません(少なくとも明確にはなっていません)。
したがって、ルール違反をしたのはどちらか、アンフェアなのはどちらかという、規範や道義の話であれば、ロシアに非があるのは明らかです。この点は世間でもほとんど論争になっていないと思うので、とりあえずスキップします(もしこの点に疑問があるという場合には、別途説明します)。
一方、後者については、たしかに議論の余地があります。ロシアの侵攻は、内在的な論理によって一方的に決定されたとは限らず、ウクライナや米欧の行動といった外的要因に影響を受けて決定された可能性もあるからです。
このような価値中立的な分析の話であれば、その判断は様々であり、専門家の間ですら意見が分かれます。そこで本日は、この点について私なりの考察をお伝えします。
極めて複雑なテーマであり、また「正解」といえる結論はありません。このため、短い文章で説明するには限界がありますが、一つ重要な手がかりになるのは、国際政治の理論という思考の枠組みです。これが理解できると、問題の所在やポイントがつかみやすくなります。
そこで、まずこの国際政治の理論の概要を説明します。この話になじみがない方、あるいは興味はあるが詳しいところまでは知らないという方にとっては、入門としても役に立つかと思います。
※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。
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ロシアのウクライナ侵攻:国際政治の理論からの考察
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●リアリズム
●リベラリズム
●構成主義
●利害関係と情報の信頼性
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あとがき
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■ 米副大統領の安全保障担当補佐官が辞任へ、後任は副補佐官(3月22日付ロイター)
カマラ・ハリス副大統領のスタッフが辞任。昨年12月にも首席報道官が辞任していました。大統領選のときも選対が崩壊していましたが、どうもゴタゴタがつきまとう人ですね・・。
月曜に行ったスピーチでは、30秒間に4回も「時間の経過の重要性」と述べたことが話題になりました。
「ここで私たちはみんな時間の経過の意義について話していました。いいですか?時間の経過の意義です。そう考えると、時間の経過には大きな意味があるのです。」
一体どうしたのでしょうかね・・何か、小泉進次郎前環境大臣を彷彿させるような言葉遣いでした。
そういえば1月にも、「私たちが今までやってきたことをやるときが来た。そのときは毎日だ。毎日、これ(感染)を遅らせるために利用できるものやツールがあることに同意するときが来たのだ。」という不思議な話し方をしていました。
ハリスには、バイデン政権が発足してからまったくと言って良いほどにポジティブなニュースがありません。このままだと、本当にコメディドラマの『Veep』の主人公そのままになってしまうのではと心配になります(以下の記事参照)。
・「ドラマ『Veep』(米国の副大統領)」(17/3/10)
しかしドラマの『Veep』では主人公は大統領になってしまうのですよね。そこまでドラマの筋をなぞるのであれば結果オーライですが、さてどうなるでしょう。
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