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2022/01/24 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(1/23~29)バイデン政権1年、ウクライナ情勢、日米首脳会談、イタリア大統領選出


東京での1日の新型コロナウイルスの感染者数が1万人を超え、過去最多を更新。私の周りでも、感染の例を聞くことが多くなりました。

一方、米国や英国、東南アジアの一部などでは、早くもピークアウトの兆しが見えてきたとも。米国や英国、インドなどでは、ワクチン接種の効果もあり、重症化が抑えられているので、病床の逼迫もデルタ株のときよりは抑えられているとのこと。予断は許しませんが、今のところ、オミクロン株の影響は(中国を除けば)限定的になるだろうという、昨年末の見立てに沿った展開のようです。

そうした中で、尾身会長が記者団に対して、「人流抑制より人数制限」「ステイホームは必要ない」と発言。ついに日本もここまで言うようになったのかと思いましたが、政府方針では、依然として外出や飲食業の自粛を求めており、何やらどっちつかずな印象に。例によって自粛を求めていた小池都知事は「国と尾身氏で整合性を取ってほしい」と苦言を呈しました。

政府としては、感染対策の強化は多くの人からの支持を見込めるので、公式に緩和するとは言いにくいという判断があるのでしょうが、ここはもうはっきりと舵を切って欲しいものと思います。これは、今なお続いている外国人の入国制限についても言えます。場所ではなく国籍を基準とするのは、当初から違和感がありましたが、短期間の緊急措置ならともかく、2か月以上も続けるのはいかがなものでしょうか。ここはトップの決断にかかっているところですから、岸田首相のリーダーシップを期待したいものです。

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先週の動き
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1/17(月)
・マーチン・ルーサー・キング記念日
・日米韓高官電話協議
・ミリー統合参謀本部議長が新型コロナウイルスに感染したと米軍が発表
・世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会合「ダボス・アジェンダ」(習近平国家主席が講演)(~21日)
・中国の21年10~12月期の実質GDP成長率の発表(前年同期比+4%)
・ドイツのベーアボック外相がウクライナを訪問(ゼレンスキー大統領と会談)
・ベラルーシのルカシェンコ大統領が2月にロシアと合同軍事演習を行うと発表
・UAEのアブダビ国営石油(ADNOC)の燃料貯蔵施設の近くで爆発(サウジ主導の連合軍はイエメンのフーシ派による攻撃と主張し、同派が主要な拠点を置くサヌアを空爆)

1/18(火)
・米連邦議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会がジュリアーニ元NY市長ら4人を召喚
・独ロ外相会談(モスクワ)
・ドイツのショルツ首相とNATOのストルテンベルク事務総長が会談(ベルリン)
・欧州議会がマルタ出身のロベルタ・メツォラ議員を新議長に選出
・カザフスタンのナザルバエフ前大統領がビデオメッセージで政界からの引退を発表

1/19(水)
・バイデン大統領の就任1年の記者会見
・バイデン政権が新型コロナウイルスの検査キット5億個の国民への配布を開始、高機能マスク「N95」4億枚の無料配布を発表
・ブリンケン国務長官がウクライナを訪問(ゼレンスキー大統領と会談)
・米連邦最高裁が国立公文書館に保管された米連邦議事堂襲撃事件に関するトランプ前政権の記録を下院特別委員会に提出することを認める判断
・NY州のジェームズ司法長官がトランプ・オーガニゼーションの不正に関する新証拠が見つかったとしてトランプ前大統領らに宣誓供述を命じるよう裁判所に要求
・米上院がフィリバスターの規則変更案を否決
・北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会政治局会議(平壌)
・ロシア・イラン首脳会談(モスクワ)
・英国が新型コロナウイルス対策の緩和を発表

1/20(木)
・バイデン政権発足1年
・バイデン大統領がロシアの侵攻には厳しい協調的な経済対応をとると発言
・米財務省がウクライナの不安定化を狙うロシアの活動を支援したとしてウクライナの元政府関係者ら4人に制裁を科したと発表
・米独、米仏、米英外相会談(ベルリン)
・米FRBが中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する初の報告書を公表
・米上院の司法委員会が「米国イノベーション・選択オンライン法案」を可決
・米連邦議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会がイバンカ・トランプ元大統領補佐官に証言を要請
・中国人民銀行が1年物の最優遇貸出金利(LPR)を引き下げ(3.8→3.7%)
・日仏外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(オンライン)

1/21(金)
・日米首脳会談(オンライン)
・米ロ外相会談(ジュネーブ)
・インテルがオハイオ州に先端半導体の200億ドル規模の新工場を建設すると発表
・韓国の朴智元国家情報院長が国会の情報委員会で米国は北朝鮮に新型コロナウイルスのワクチンを提供する意向があると伝えていたと発言
・英豪外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(シドニー)

1/22(土)
・英政府がロシアでウクライナに親ロシア指導者(ムラエフ元議員)を就任させようとの動きがあると発表

●バイデン政権発足1年

バイデン政権が発足1年を迎え、バイデン大統領が記者会見を行いました。冒頭の発言は1時間あまり、そのあとの質疑応答を入れると2時間近くに及びました。バイデンがこのような公式な記者会見を行うのは、昨年3月の初めての記者会見以来(以下の記事参照)、10か月ぶりのことです。

「バイデンの初の記者会見」(21/3/29)
 
バイデンは、コロナ対策や雇用の回復、米国救済法やインフラ投資雇用法の成立など1年間の成果を強調しました。記者からは、ビルド・バック・ベター(BBB)法案と投票権法案の停滞、ウクライナ情勢について厳しい質問が寄せられました。今回の記者会見のポイントを解説します(※メルマガで解説)。

●ウクライナ情勢をめぐる米ロの協議

ウクライナ情勢の緊迫はさらに高まっています。ロシアは国境地帯に10万人以上を終結していますが、東部のみならず、南部(黒海、クリミア)と北部(ベラルーシ)にも部隊を展開。東はドンバスのみならずハリコフ、南はオデッサ、北は首都キエフに侵攻することをうかがわせる動きです(こちらのCSISのレポートの地図参照)。

また、米英はウクライナへの追加的軍事支援を行い、バルト三国も米国製の兵器を提供すると発表しました。ロシアは当然ながら反発するでしょう。

米国はブリンケン国務長官がウクライナ、ベルリン、ジュネーブを訪問し、ゼレンスキー大統領、独仏英の外相、ロシアのラブロフ外相に立て続けに会談。また、前項の「バイデン政権発足1年」で述べたとおり、バイデン大統領はロシアの侵攻に対し、欧州と連携して大規模な経済的措置をとるだろうと警告しました。

さらにドイツも、ベーアボック外相がウクライナとロシアを訪問。メルケル政権のときには見られなかった厳しい姿勢を見せ、ロシアを強く牽制しました。ショルツ首相も、ロシアはウクライナに侵攻すれば高い代償を払うことになるとして、ノルド・ストリーム2の停止もあり得ることを示唆。一方、バルト三国によるドイツ製武器のウクライナへの供与をブロックしたと報じられています。

こうした最新の動きを踏まえ、ウクライナ情勢の見通しをあらためて解説します(※メルマガで解説)。

●日米首脳会談

岸田政権が発足してから初となる公式の日米首脳会談がオンラインで開催されました。ポイントを述べます(※メルマガで解説)。 

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今週の動き
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(※イタリア大統領の選出など、メルマガで解説。)

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あとがき
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【水島新司さん死去】王会長、カズら各界から追悼コメント/まとめ(1月18日付日刊スポーツ)

水島新司氏については、本メルマガの「あとがき」でも何度か取り上げてきました。その数々の名作はもちろん、ご本人も大変強烈なキャラで、たまにプロ野球中継にコメンテーターとして出てくると、実際のプロ野球とドカベンのキャラクターを普通に一緒の次元で語ったりして、そういうぶっ飛んだところも含めて、私は大好きでした。

最初のヒット作はどれなのだろうと思ったら、1970年に連載を開始した『男どアホウ甲子園』。もちろん私は読んでいますが、半世紀も前の作品だったのかとあらためて驚きました。ちなみに『あぶさん』の連載開始は1973年なんですね。どちらも、私が生まれる前ですが。

しかし作品数が多い上、どれも大作なので、買って読もうにも、置き場所に苦労したものでした。今は電子書籍で読めるので、『ドカベン』や『大甲子園』なども気兼ねなく大人買いできますね。ご冥福をお祈りしつつ、一気読みしようかと思います。

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