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2021/06/28 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(6/27~7/3)米インフラ法案、ウイグル制裁、米台関係、中国共産党100周年


もう7月になりますね。梅雨なのに雨が降らない・・と思っていたら、天気予報によれば今週は雨が続く模様。しかしその後はもう梅雨明けでしょうか。

オリンピックも1か月を切りました。今年は、7月22日が海の日オリンピック開会式の23日がスポーツの日で、4連休なんですね。みんなでワクチンをフル接種して夏とオリンピックを楽しみたいものです。まあ、どちらにしても、私はオリンピックの観戦券がないので、テレビで応援ですが・・(苦笑)。

それにしてもワクチン接種の加速には目覚ましいものがあります。当初目標だった1日100万回はすでに超え、150万回にも達する可能性があるとのこと。このままのペースが続けば接種回数は7月23日の時点で7000万、9月になれば1億に達するようです。ここまでくれば今の米国とほぼ同じ状況です。あと一息でしょうか。

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先週の動き
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6/20(日)
・イラン核合意の当事国会合(ウィーン)
・フランス統一地方選の第1回投票(共和党1位、国民連合(RN)2位、共和国前進(REM)5位)
・アルメニア議会選挙(与党「市民契約党」が勝利)
・ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官がロシアを訪問(~24日)

6/21(月)
・米・EU・英・カナダがベラルーシに対する共同制裁の発動を発表
・バイデン大統領がパウエルFRB議長、イエレン財務長官、ゲンスラーSEC委員長ら金融規制当局トップと会談
・米商務省がトランプ前政権で作成されたTikTokとウィーチャットとの取引禁止リストの取消しを発表
・日米韓実務者協議(ソウル)
・EU外相理事会(ルクセンブルク)
・エチオピア総選挙

6/22(火)
・ブリンケン国務長官がドイツ、フランス、イタリア、バチカンを訪問(~29日)
・米司法省がイラン関連の36のウェブサイトへのアクセスを制裁違反を理由に遮断したと発表
・リケッティ大統領顧問らホワイトハウスのインフラ法案担当チームが超党派の上院議員団と会談
・米上院が選挙改革法案の審議を進めるための手続き上の採決(60票の賛成を得られず審議は阻止)
・NY市長選挙の民主党予備選(エリック・アダムス・ブルックリン区長が首位)
・北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長がサリバン大統領補佐官の非核化交渉の再開に期待感を示した発言を「誤った期待だ」とする談話を公表
・ロシアで独ソ戦犠牲者の追悼式典(モスクワ)
・スペイン政府が17年のカタルーニャ自治州の独立を問う住民投票を主導し、19年に反乱罪等の有罪判決を受け服役中のジュンケラス元州副首相を含む独立派の元州閣僚ら9人について恩赦を決定

6/23(水)
・香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)が6月24日から発行停止を決定
・北朝鮮の李善権外相が米国とのいかなる接触も考えていないと表明
・イランのカラジにある原子力関連施設が無人機に攻撃されたが治安部隊が被害を阻止したとイラン国営メディアが報道
・ロシア国防省が黒海のクリミア半島沖の領海に進入した英国の駆逐艦を退去させるため軍用機による爆弾投下や巡視船による警告射撃を実施したと発表

6/24(木)
・バイデン大統領が超党派の上院議員10人と会談(1兆ドル規模のインフラ投資計画で合意したと発表)
・バイデン大統領が香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の発行停止について中国を非難する声明を発表
・米商務省が新疆ウイグル自治区での人権侵害への関与を理由に太陽電池のシリコン部材メーカー「合盛硅業(ホシャイン・シリコン・インダストリー)」「新疆生産建設兵団(XPCC)」含む中国の5社・団体を輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に追加
・米税関・国境取締局(CBP)が「合盛硅業(ホシャイン・シリコン・インダストリー)」の製品の輸入禁止を命令
・米下院の司法委員会が巨大IT企業への規制を強化する6本の反トラスト法改正案を可決
・ペローシ下院議長が連邦議会議事堂襲撃事件の調査委員会を下院に設置すると発表
・NY州控訴裁判所が20年大統領選における誤情報の発信等を理由にジュリアーニ元NY市長の弁護士免許を停止
・イランのIAEAの暫定的な核査察の受け入れの期限
・EU首脳会議(ブリュッセル、~25日)
・タイのバンコクで反体制デモ
・フィリピンのアキノ前大統領が死去

6/25(金)
・米・アフガン首脳会談(ワシントンDC)
・ハリス副大統領がテキサス州エルパソのメキシコとの国境を視察
・米司法省が3月に制定されたジョージア州法が黒人らの投票権を侵害しているとして同州の連邦地裁に提訴
・米国家情報長官室が未確認飛行物体(UFO)に関する報告書を公表
・ジョージ・フロイド氏の暴行死事件で第2級殺人罪等で有罪となったデレク・ショービンに禁錮22年6月の量刑の言い渡し
・香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が李家超・保安局長を政務官、トウ炳強・警務処長を保安局長に起用する人事を発表
・IAEAのグロッシ事務局長がイランのIAEAの暫定的な核査察の受け入れの再延長について返答がないと表明

●米国のインフラ法案(超党派の合意)

バイデン大統領が超党派の上院議員10人と会談し、1.2兆ドル規模のインフラ投資計画で合意したと発表しました。10人の議員は、共和党はロブ・ポートマン、ビル・キャシディ、スーザン・コリンズ、リサ・マコウスキ、ミット・ロムニー、民主党はキルステン・シネマ、ジョー・マンチン、ジーン・シャヒーン、ジョン・テスター、マーク・ワーナーです。

バイデン政権は2.3兆ドルの「米国雇用計画」と1.8兆ドルの「米国家族計画」を発表しましたが、バイデンの説明によれば、今回の合意は米国雇用計画を代替するものです。規模は米国雇用計画の約半分、内容は交通、電力、通信といった共和党も整備が必要と主張していた物的インフラに限定され(バイデンによれば米国雇用計画の「3分の2」に該当)、社会保障や医療支援は含まれず、財源について増税案は取り上げられていません。

バイデンは、10人の上院議員とプレスの前に現れ、「どちらも望んだすべてを得られなかったが、それが妥協というものだ。これはコンセンサスを反映したものであり、民主主義の核心はコンセンサスにある。今こそ真の超党派の努力が必要だ」と述べました。大統領と共和党・民主党の議員が並んで合意をアピールする光景は、今の米国では新鮮に映ります。

では、インフラ法案は超党派で実現するのか。日本のメディアやネットでは、「合意の成立はグッドニュース」「超党派の合意は米国の再生の一歩」と評価する声が多いようですが、本当にそうなのか。今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●米国のウイグル制裁

米商務省が新疆ウイグル自治区での人権侵害への関与を理由に太陽電池のシリコン部材メーカー「合盛硅業(ホシャイン・シリコン・インダストリー)」「新疆生産建設兵団(XPCC)」含む中国の5社・団体を輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に追加しました。

また、米税関・国境取締局(CBP)は、ホシャインの製品の輸入禁止に相当する命令(違反商品保留命令(WRO))を出しました。今回の措置のポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●米台関係の強化

バイデン政権の台湾との協力強化の動きが目立っています。6月19日には250万回分のモデルナ製の新型コロナワクチンが台湾に提供され、G7サミットの首脳コミュニケには、日米・日韓首脳共同声明と同様、「台湾海峡の平和と安定」が定められました(このようなドミノ的な展開は以下の記事で指摘していました)。

「米韓首脳会談」(5/24)
 
今月初めには、ブリンケン国務長官とタイUSTR代表がトランプ政権時代に中断していた貿易・投資枠組み協定(TIFA)に基づく協議を再開することを示唆しています。中国はこうした動きに反発しています。現時点でのポイントを述べます(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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6/27(日)
・米・イスラエル外相会談(ローマ)
・フランス統一地方選の決選投票

6/28(月)
・イスラエルのリブリン大統領が訪米(バイデン大統領と会談)
・G20外相会合(イタリア・マテラ、~29日)
・中ロ首脳会談(オンライン)

6/29(火)
・イスラエルのラピド外相がUAEを訪問(~30日)

6/30(水)
・トランプ前大統領とテキサス州のアボット知事がメキシコとの国境を視察
・ロシアのプーチン大統領と国民とのテレビ対話

7/1(木)
・中国共産党創立100周年記念式典
・香港返還24周年
・OPEC総会
・OPECプラス閣僚会議

7/2(金)
・太平洋・島サミット(オンライン)

(※中国共産党100周年など、メルマガに限定)

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あとがき
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中国で急成長する「レッドツーリズム」、その背景とは(6月12日付CNN)

「戦狼外交」に代表される中国の押し付けがましいプロパガンダは、国外では不愉快なものとして受け止められたり、冷ややかに見られていますが、国内では、驚くほど若い世代の愛国心をかきたてています。レッド・ツーリズムの人気も、そうした若い世代のナショナリズムを反映したものなのでしょう(※ここから先はメルマガに限定します)。

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