2020/08/24 00:00 | 今週の動き | コメント(2)
今週の動き(8/23~29) 米民主党大会、バノン起訴、ベラルーシ反体制運動
猛暑が続きますね。欧州の友人からは、もうだいぶ涼しくなってきたとの連絡があったのですが、日本はまだまだこれからですね。
なんだか夏の期間が長くなっている(春と秋が短くなっている?)ような気もします。日本も亜熱帯のような気候になってきているのでしょうか。私は夏が好きなので良いのですが、気候変動が関係しているのであれば、喜んでばかりもいられませんね・・。
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先週の動き
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8/16(日)
・ペローシ下院議長がUSPSの改革を止める法案を審議するため、休会中の下院を再開し、8月22日にも採決する方針を表明
・中国が東シナ海で設定した休漁期間の終了
・タイで大規模な反政府集会
・ベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領が電話会談(プーチン大統領は軍事支援を約束)
・ドミニカ共和国のアビナデル新大統領の就任式
8/17(月)
・トランプ大統領がミネソタ州とウィスコンシン州で選挙演説(民主党大会を批判)
・米司法省が中国に機密情報を漏洩した容疑で元CIA職員アレクサンダー・マーを逮捕したと発表
・米商務省がファーウェイに対する事実上の禁輸措置の強化(規制対象の拡大、輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」に関連会社38社の追加)を発表
・米民主党全国大会(ウィスコンシン州ミルウォーキー(ただし大半はオンライン開催)、~20日)
・ベラルーシのルカシェンコ大統領が憲法改正の国民投票を行うべきと表明(新憲法の制定後に再選挙を行う可能性に言及)
8/18(火)
・トランプ大統領がTikTokの米国事業の売却先候補について「オラクルも良い会社だ」と発言
・米韓合同軍事演習(8月16日開始予定だったが参加者にコロナ感染があり2日間延期)(~28日)
・USPSのディジョイ総裁がUSPSの改革を延期し、投票用紙の配達が遅滞なく行われることを確実にするとの声明を発表
・レバノンのラフィク・ハリーリ元首相暗殺事件について国際法廷「レバノン特別法廷」がヒズボラのメンバーに有罪判決
・マリの軍の一部がケイタ大統領とシセ首相を拘束、ケイタ大統領が辞任を発表
8/19(水)
・トランプ大統領がイランに対する安保理制裁を復活させる手続きを始めると表明
・トランプ大統領がUAEへのF35戦闘機の売却を検討していると発言
・ポンペオ国務長官が香港との犯罪人引渡条約の停止を発表
・米下院民主党がUSPSへの250億ドルの支援と郵便投票の当日処理を義務付ける法案を公表
・タイの警察当局が反政府集会のリーダー格であるアノン弁護士を逮捕
・サウジのファイサル外相がイスラエルとUAEの国交正常化の合意についてアラブ和平案の立場を維持すると表明
・ベラルーシの反体制派が政権移行を進める調整評議会の初会合を開催
・EU緊急首脳会議(ベラルーシへの制裁を決定)(オンライン会議)
・EUと英国がFTAを含む将来関係に関する交渉を再開(ブリュッセル、~21日)
8/20(木)
・トランプ大統領がペンシルバニア州で選挙演説
・米・イラク首脳会談(ワシントンDC)
・ポンペオ国務長官がイランに対する安保理制裁を復活させる手続きの開始を安保理に通知したと発表
・NY州南部地区の連邦検察がスティーブ・バノン元大統領首席戦略官・上級顧問を募金詐欺の容疑で起訴(トランプ大統領は「まったく知らない」「悲しい」とコメント)
・米民主党全国大会最終日(バイデン前副大統領が大統領候補の指名受諾演説)(デラウェア)
・中国商務省が米中両国は閣僚級通商協議を近日中に開くことで合意したと発表
・北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総会が8月19日に開かれ、21年1月の党大会開催を決めたと国営朝鮮中央通信が報道
・ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイが意識不明の重体で病院に搬送(毒を飲まされた疑い)
8/21(金)
・米上院国土安全保障・政府活動委員会の公聴会でディジョイUSPS総裁が郵便投票を安全かつ時間どおりに実現すると発言
・中国の楊潔チ共産党政治局委員が訪韓(~22日)
8/22(土)
・米下院がUSPSに250億ドルの拠出を行う法案を可決
・TikTokが米国の事業の売却を命じる大統領令は違法として提訴するとの声明を発表
●米民主党大会
民主党全国大会が4日間にわたり開催されました。開催地はウィスコンシン州ミルウォーキーとされていますが、実質的には、ほぼオンラインでの「バーチャル党大会」でした。
4日間の主要なスピーカーと行事は以下のとおりでした。
・初日
エイミー・クロブシャー、キャサリン・コルテス・マスト、アンドリュー・クオモ、グレッチェン・ウィットマー、ジェームズ・クライバーン、グウェン・ムーア、ダグ・ジョーンズ、バーニー・サンダース、ジョン・ケーシック(共和党)、ミシェル・オバマ
・2日目
ステーシー・エイブラムス、チャック・シューマー、ジョン・ケリー、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、リサ・ブラント・ロチェスター、ビル・クリントン、ジミー・カーター、クリス・クーンズ、コリン・パウエル(共和党)、ジル・バイデン
※バイデンを大統領候補に指名(バイデンは受諾、決定)。
・3日目
エリザベス・ウォーレン、ナンシー・ペローシ、ヒラリー・クリントン、トニー・エヴァーズ、ミシェル・ルーハン・グリシャム、ガブリエル・ギフォーズ、カマラ・ハリス、バラク・オバマ
※ケリー・ワシントン(女優)が司会。ビリー・アイリッシュがパフォーマンス。
※民主党の政策綱領(プラットホーム)が採択。
※ハリスを副大統領候補に指名(ハリスは受諾、決定)。
・最終日
ギャビン・ニューサム、コーリー・ブッカー、ピート・ブティジェッジ、ケイシャ・ランス・ボトムズ、タミー・ボールドウィン、タミー・ダックワース、クリス・クーンズ、アンドリュー・ヤン、マイケル・ブルームバーグ、デブ・ハーランド、ジョー・バイデン
※ジュリア・ルイス=ドレイファス(女優)が司会。チックスがパフォーマンス。サラ・クーパー(コメディアン)もスピーチ。
バーチャルでは盛り上がらないだろう・・と言われていましたが、終わってみると、なかなか面白い大会だったと思います。私からのコメントは明日述べます。
なお、トランプ大統領は、民主党大会のタイミングに合わせ、ミネソタ、ウィスコンシン、ペンシルバニアという党大会開催地とその周辺の重要地域に飛び、選挙演説を行いました。もちろん民主党とバイデンを痛烈に批判しています。ミネソタとウィスコンシンは1日で回りました。相変わらずすごいバイタリティ(執念?)ですね。
ペンシルバニアでは、バイデンの出生地であるスクラントンの郊外で演説し、「バイデンはペンシルバニアとスクラトンを見捨てた」と発言しました。引っ越しただけでそういう言い方をするのはどうかと思いますが・・(苦笑)。
そのトランプは、今週、共和党大会に臨み、ホワイトハウスから大統領候補の指名受諾演説を行う予定です。「民主党大会など問題ではない」とばかりに思う存分に派手な演出を行うでしょう。楽しみですね。
●スティーブ・バノンの起訴
トランプ陣営の選対幹部、トランプ政権で17年8月まで首席戦略官・大統領上級顧問を務めたスティーブ・バノンが逮捕・起訴されました。起訴状によれば、バノンは「我々は壁を建設する」と題したクラウド・ファンディングを行い、2500万ドルを集めたが、そのうち100万ドル以上を個人的使途に使ったとして、詐欺罪の容疑に問われています。
バノンは、中国人の富豪・郭文貴のヨット上で、NY州南部地区の連邦検察の捜査官、沿岸警備隊、USPSの捜査官によって逮捕されたとのこと。保釈金500万ドルを払って釈放され、「政治的謀略」と述べて無罪を主張しています。
トランプ大統領は記者会見で、非常に残念、しばらくバノンとは関わっていなかった、バノンのプロジェクトについてはまったく知らないとコメントしました。本件についてコメントします(※メルマガに限定)。
●ベラルーシでの反体制運動
ベラルーシでのルカシェンコ政権に対する抗議デモ・集会が続いています。抗議デモは20万人の規模に達し(ミンスクの人口は200万人)、本来は親体制派であるはずの国営企業や治安部隊からもデモを支持する人々が現れました。ルカシェンコが工場を訪問すると、労働者から公然とブーイングを浴びせられる場面すら見られました。
ルカシェンコはロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、プーチンは支援を約束(「外的圧力」があったことも考慮と説明)。必要であれば集団的安全保障の枠組みの中で対応すると述べました。
さらに、ルカシェンコは、選挙で選ばれた自分を排除することはできないとして、まず憲法改正の国民投票を行うべきと主張。新憲法の制定後に再選挙を行う可能性に言及しました。
一方、チハノフスカヤはリトアニアから夫のチハノフスキーのYouTubeサイトに次々と新動画を掲載。「国家の指導者になる用意がある」と述べ、また国際監視団の下で再選挙を行うべきと主張して、EUの緊急首脳会議の直前にEUに協力を呼びかけました。EUはベラルーシへの制裁を決定しましたが、再選挙についてはコメントを避けました。
また、ベラルーシ国内の反体制派が政権移行を進める調整評議会の初会合を開催。再選挙の実施を主張し、やはりEUに対して事態解決への協力を呼びかけました。
ベラルーシの今後については以下の記事で述べたとおりであり、今のところ、その見立てに沿った動きが見えています。最新の動きを踏まえてコメントします(※メルマガに限定)。
・「ベラルーシ大統領選挙」(8/17)
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今週の動き
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8/24(月)
・米共和党全国大会(ノースカロライナ州シャーロット、~27日)
・日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄の通告期限(通告がなければ自動更新)
8/27(木)
・米共和党全国大会最終日(トランプ大統領の大統領候補の指名受諾演説)(ホワイトハウス)
・ジャクソンホール会議(オンライン会議、~28日)
8/29(土)
・韓国の与党「共に民主党」代表選
●米共和党大会
今週は共和党大会です。こちらも4日間、開催地はノースカロライナ州シャーロットですが、民主党同様、ほぼオンライン形式で行われます。トランプ大統領は指名受諾演説をホワイトハウスで行う予定です。
トランプの要望で一度開催地をフロリダ州ジャクソンビルに変更し、またそれを撤回したり、大規模な動員イベントからバーチャル大会に変えたり、指名受諾演説の場所も決定まで時間がかかるなど、色々ドタバタがあったためか、民主党大会ほどに詳細が明らかになっていないようです(報道によれば、トランプ・ファミリーが勢ぞろいし、ゲスト・スピーカーには6月にセントルイスでBLMデモに対し銃を向けた夫妻(その後、銃器の違法使用の容疑で起訴)も登場するようです)。
いずれにしても、民主党がオールスターでアピールしたのと異なり、こちらはあらゆる意味で「トランプの大会」になるのでしょう。それはそれで面白くなりそうですね。
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あとがき
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■ 崎陽軒、台湾に海外1号店 出店は「全てが挑戦」 横浜の食文化届ける(8月7日付中央通訊社・フォーカス台湾)
崎陽軒の「シウマイ」弁当はぐっちーさんの好物でしたね。過去にはこのような記事も書かれていました。
台湾はコロナを早期に終息させ、20年の実質GDP成長率も+1.56%とプラス成長維持の見通しです。コロナ以前から進められてきた話でしょうが、先見の明があったといえそうですね。
崎陽軒といえば「冷めてもおいしい」常温販売ですが、台湾では冷めた弁当を好まない食習慣に合わせ、温かい状態で提供するとのことです。インドには今月初めにココイチが進出しましたが、日本の食文化が受け入れられることには、個人的には、ビジネスの成功に尽きない喜びを感じます。
台湾の人にも、暖かいものと常温のもの、両方楽しんで欲しいものですね。ぐっちーさんも、そうおっしゃる気がします。
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2 comments on “今週の動き(8/23~29) 米民主党大会、バノン起訴、ベラルーシ反体制運動”
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5年ほど前に台湾のローカル線に乗っていたときに、現地の方がコンビニで買った(相対的に)冷たいおにぎりを食べていて驚きました。
ロシアとベラルーシ、ロシアとウクライナ、この関係の違いは大きいのですね。だからこそ、プーチンはベラルーシ情勢に慎重に対応せざるを得ないのでしょうか。危うい状況のご解説、大変興味深く拝読しました。
ペラペラしゃべらないプーチンですが(側近談、というのは良くありますが(笑))、こうした冷静な分析はとても有益な情報です。
また、民主党大会の連日のハイライトはTwitterで毎日楽しく拝見しておりました。ありがとうございます。