2020/06/16 05:00 | 米国 | コメント(2)
米国の警察改革
■ 米アトランタで警官に撃たれ死亡した黒人男性、背中に2発(6月15日付BBC)
ジョージ・フロイド氏の殺害事件を発端とする人種差別への抗議デモが続いています。そのポイントと今後の展望については、前回の記事で述べたとおりです。
・「全米各地での抗議デモと暴動」(6/9)
上記記事で述べたとおり、政治的に大きなイシューになっているのは、警察改革です。すでに指摘したとおり、トランプ政権、共和党、民主党、それぞれがどのような対応を見せるかが注目されています。
先週、民主党指導部は、警察改革法案を発表しました。警察官が容疑者を拘束する際に首を絞める行為の禁止、警察官の小型カメラ着用の義務化、警察の違法行為のデータベース化、警察官の起訴・損害賠償請求の要件の緩和などが含まれています。
共和党指導部は、マコーネル上院内総務がティム・スコット上院議員が警察改革案を主導すると述べました。スコットは共和党唯一のアフリカ系上院議員です。今週にも法案が示される見通しです。
トランプ大統領も、警察改革への意欲を表明しています。インタビューでは、警察官の首絞め行為は理解できるが大半のケースでは禁止することが望ましいと発言。しかし、改革案の詳細は語らず、99.9%の警察官は素晴らしいと称賛し、警察組織の解体や予算削減は行わないと強調しています。
一方、事件が起きたミネアポリスやLA、NYなどでは、すでに警察改革の取り組みが始まっています。NY州では、先週、警察改革法が成立しました。警察官が容疑者を拘束する際に首を絞める行為の禁止、警察官の過去の処分記録の公開、警察官が容疑者を死亡させた場合に独立検察官が捜査を行うことなどが含まれています。
そして、6月14日、アトランタでウェンディーズの外に車を停めて眠っていたアフリカ系男性が警察官に射殺される事件が発生しました。アトランタの警察署長は辞任。ケイシャ・ランス・ボトムズ市長は、警察官の発砲について「正当化できる殺傷力のある武器の行使とは思わない」と発言。射殺した警察官は免職処分とされました。
これらの動きのポイントと今後の展望について解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。
***********
米国の警察改革
***********
●警察改革の展望
●警察改革の背景
●警察改革の評価
***********
あとがき
***********
■ キアヌ・リーブス、「マトリックス4」に復帰の理由は(6月10日付CNN)
『マトリックス4』が制作されるのですね。キアヌ・リーヴスやキャリーアン・モスも出演、21年5月公開予定とのこと。『マトリックス』は大好きな作品で、第1作から第3作まですべて映画館で見ました。楽しみですね。
なお、『マトリックス』といえば、先月、イーロン・マスクが「レッド・ピルを飲め」とツイートし、それにイヴァンカ・トランプが「飲んだ!」とツイートで反応したところ、なんと監督のリリー・ウォシャウスキーが「お前ら両方ともクソ」とツイートするという劇的なやりとりがありました。これについてコメントします(※メルマガに限定)。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
2 comments on “米国の警察改革”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
>この点について、日本のネット上では、「犯罪者を取り締まるのは当たり前」「前科者で偽札を使おうとしていた(これはあくまでも容疑)のだからフロイド氏に非があった」、ウェンディーズの事件でも「テーザー銃を奪ったのが悪い」という書き込みを見かけます。しかし、同じことが日本で起こったとき、こういう反応が出てくるとは到底思えません。
メルマガに上記の記述がありましたが、日本での意見の表明は表と裏があり、この区別と原理は分らない。
新聞やテレビに出る意見は普通の人は突き詰めて考えていないから、そのまま受け取るように見えますが、いざお金を払う段になると。まったく、異なる意見が出てきます。
反応は表には出てこないが、内心は全く別でしょう。これが日本です。
日本の世論調査は、当てにならないと思う。明快に自己の意見を述べる習慣というか、それを支える思想がないからです。
今回の10万円寄付に関する意見を見るとそのように思う。
多くは何ら経済回復に役立たないが銭をもらえばいいに過ぎない。
良くも悪くも目立つ大統領。何を言ってもやっても注目を集めることは確かですが、それゆえにかなり私たちが目にしているニュースは「目をひく」ものに偏っているような気がしています。
そういった意味で本質的なことや、歴史的な経緯、そもそもの米国人の心情的な部分まで、丁寧に網羅されているのは非常に勉強になります。
「警察改革の評価」で触れられていたように、断片的な内容を日本からTV越しに見ているだけでは正しくイメージすることも難しいのでしょうね。本質をきちんととらえる努力は続けたいなと改めて思っています。