2019/01/29 05:00 | 米国 | コメント(4)
政府閉鎖の一時解除
■ トランプ氏、連邦政府の一時再開を受け入れ 2月15日まで(1月26日付BBC)
1月25日に2月15日までの歳出を可能にする「つなぎ予算」が成立。トランプ大統領がこだわった国境の「壁」建設費は盛り込まれませんでした。これにより、昨年12月22日から始まり、35日間続いた政府閉鎖が解除されました。
先週の記事で、トランプが譲歩の姿勢を示したことにより、状況は一気に進展する可能性があると指摘していましたが、それにしても急転直下の展開でした。つなぎ予算の合意が成立する前日には上院が政府閉鎖の解除に向けた法案2件(共和党案と民主党案)を否決したばかりだったからです。
・「政府閉鎖の長期化(米国の予算制度)」(1/22)
政府閉鎖の解除をめぐるトランプ・共和党と民主党の対立は、本日(1月29日)に予定されていた一般教書演説の実施にも影響しました。ペローシ下院議長は政府閉鎖が続く限り下院本会議場の使用を許可しないと表明。トランプはいったんは「代わりの場所」を探すと述べたものの、すぐに撤回して延期を決定しました。
政府閉鎖が始まってからトランプの支持率が低下していることは、これまで指摘したとおりですが、先週発表された直近の世論調査も軒並み低下傾向を示しています。AP通信によれば34%、CBSによれば36%、支持率が高めに出るのでトランプもお気に入りのラスムッセンも44%に停滞。就任以来最低の水準に近い状態です。
こうした状況の中でようやく成立したつなぎ予算ですが、トランプは「壁」へのこだわりを捨ててはおらず、予算の期限が切れる2月15日に問題が再燃する、との見方が出ています。また、国家非常事態宣言に及ぶ可能性も示唆しています。本日は、今回の政府閉鎖の解除をめぐるポイントと今後の展望を解説します。
※ここから先はメルマガで解説します(アウトラインは以下のとおりです)。
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政府閉鎖の一時解除
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●トランプの完敗
●ペローシ下院議長の手腕
●共和党の亀裂
●再度の政府閉鎖と国家非常事態宣言の可能性
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あとがき
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■ マレーシア国王ムハンマド5世、任期途中で退位 史上初(1月7日付BBC)
■ マレーシア、第16代国王を選出 15代の退位受け(1月25日付CNN)
あまり知られていないと思いますが、マレーシアには国王(アゴン)がいます。政治的実権はなく、イスラム教国の象徴としての役割を担っています。
アゴンは、州の首長である9人のスルタンの中から互選で選出され、5年の任期を輪番で務めます。王政といってもかなりシステマチックで、世界的に見てもユニークです。
その王室らしからぬ事務的な仕事感もあって、ほとんど注目されない存在ですが、今回、史上初めて国王(ムハンマド5世(49))が任期途中に退位したということで、めずらしく大きなニュースになりました。前掲記事にも書いてありますが、「ミス・モスクワ」にもなったロシア人モデル(25)と昨年11月に結婚したことが退位の原因と言われています。
この女性はイスラム教に改宗したそうですが、マレーシアのイスラム教はマレー主義とも一体となっており、おそらく国王がロシア人と結婚することは国民感情的に受け入れ難いと思われたのでしょう。
国王は結婚したことを公表せず、今でも公式には認定されていないとのことで、こうした振る舞いを含めて批判を浴びたことが今回の退位につながったとみられています。国王は、王位よりも愛を選んだということですね(笑)。
マレーシアの王族(スルタン)は、責任がない割に相当の特権が認められているためか、こういう自由奔放なタイプが多く、かつてジョホール州のスルタンのご乱行が問題になったことがあります。
このジョホール州のスルタンはとんでもない人物で、殺人や暴行で訴追されたこともあります。その当時は王族に免責特権が認められていたので処罰を逃れましたが、さすがにこうなってはマズイだろうということで、かねてより王族の権限縮小を狙っていたマハティール首相(当時)が、93年に憲法改正を断行し、免責特権を廃止しました。
今回退位した国王は地元のクランタン州に戻るそうです。おそらく晴れて奥さんをお披露目して余生を送るのでしょう。こんな有様で王族の権威が保たれるのか不思議ですが、王族の人格よりもアゴンとスルタンという「形」が重要ということでしょうか。まあお幸せに・・ですね。
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4 comments on “政府閉鎖の一時解除”
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ダイナミックな世界情勢を追いかけるのも面白いですが、「共和党・民主党の両案が否決に終わった」ことの意味を分析するような、一見地味な作業を積み上げていくことも、興味深いですね。
むしろ、そちらの方が大事なのでしょうが、なかなかできません…
しかし、DACAが期待薄となると、来月はどんなバトルを繰り広げるのか…
どうでもいい話ですが、ペローシはあと2か月くらいで79歳・・・。本当の美魔女ですね・・(笑)
週の真ん中水曜日号
今回も納得できるような内容でした
ありがとうございます
ベネゼェラについて
ムニューシンがコメントをするのは
やはり債務問題の絡みでしょうか?
このへんは全部、IMFがやっているのでしょうか
米中がベネゼェラに相乗りするのは
やはり債務問題に絡むのかな
とは思います。
中国はベネゼェラに天文学的な金額を
あくまでもベネゼェラにとって
貸し込んでいると思いますが
アメリカは債務問題と覇権、原油が
絡んでいるのかな
と思ったりもしています。
イギリスという国は
調べれば調べるほど
奥が深い国ですね
コモンウェルズに関して
いま、調べていますが
知らなかったことが
盛りだくさんで
やはり
イギリスが握っているような気もします
今後の世界は・・・・
想像がひどすぎと
言われそうですが(笑)
わが国にとってアメリカ外交は最優先ですが、中東も同じくらい重要でしょう。
戦後のインフレをみると、それは交易条件の変化がもとで、その結果の日銀の政策によるのではないかと素人は思う。
したがってインフレは日銀の政策は従関数で,主関数とはおもわれない。今、中東が緊張しているように思うが、これが拡大すれば即座にインフレになるでしょう。
多くの国民は政府をなぜかしら信頼して生活しているが、韓国国民は違うでしょう。
確かに文大統領は無能というより選択肢がない国だから、ある面仕方がない。
では我が国はというと似たようなものでしょう。
多くの国民はなぜかしら政府を信用しているがその内容を見ると、政府そのものではなく、ちょとわけのわからないにものを信用している。しかし奇妙に、信用していない、年金問題を見ればわかるが、それなら不信をもとに生活を組むかといえば違う、
わが国の韓国外交を見ると実質何も考えていなかったことが如実にわかる。
どの様な判決がでるかは我々でも予測できたから、外務省はもっとできたはずでしょう。うがった見方をすれば外務省は韓国の回し者がいるということでしょう。
わが国が韓国に制裁をというが冷静に考えると、できることは少ない、マスコミ、教育界司法界が朝鮮に支配されているとしか思えないからです。
やくざ組織も在日がのしていると公安尾菅沼氏が述べている。
この外務省の状態を見れば、また対ロシア外交を見れば普通の人なら外務省を信頼することはない。
満州の悲劇が日常的に起きているということで、あの時はシナ大陸にいる日本人だけだった(?)が今は国内にいる普通の日本人にも起きている。拉致事件はその証拠でしょう。
韓国があれだけ無法にふるまうことは彼らが我が国国内に機能するフロントを作っていると確信しているのではと思う。
大体レーダー照射事件において北の船は何をしていたか?これが全く報道されない。推測だが覚せい剤の密輸ではないか?
またアメリカは極東をどのようにするつもりか?この外交政策をしにきりで我が国は知ることで、韓国外交はやはりアメリカ外交の一つの系に過ぎないと思う。
素人ながらいろいろ調べると、我が国には能力がないのではと思うことがよくあり、ちょっとした恐怖心を覚える。
ムニューシンは経済制裁を担当しているので、その関係で出番があると思います。
債務は、米国よりも中国・ロシアの方が深刻なようですが(長期投資が多い)、政権交代した方がかえって良いのかもしれません。
原油は重要ですね。ベネズエラは状況の変化が激しいので、来週にも取り上げます。