2015/06/05 00:00 | ロシア | コメント(2)
サアカシュヴィリのウクライナ・オデッサ州知事就任
■ Saakashvili Ukraine’s new governor in Odessa splits opinion(6月2日付BBC記事)
ジョージア(グルジア)の元大統領ミハイル・サアカシュヴィリをウクライナのポロシェンコ大統領がオデッサ州知事に任命したとのこと。これは面白いニュースですね。
サアカシュヴィリは、2003年に「バラ革命」によってシェワルナゼ政権を倒し、ジョージア大統領に就任した人物です。なお、シェワルナゼはソ連のゴルバチョフ政権で外相を務め、ソ連崩壊後、国民の強い支持を受けて第2代大統領に就任した大物ですが、政権末期には汚職や改革の遅れにより国民の支持を失っていました。
サアカシュヴィリは、非常に個性的な人物であり、親米、親EU・NATO、そして強烈な反ロシアの立場で知られます。特にプーチンとの関係は極めて悪かったと言われます。そんな人物をオデッサ州知事に就けて、ウクライナもいったい何を考えているのかと思いますが、もともとサアカシュヴィリはユーシェンコ政権のときからウクライナとは近い関係にありました。
また、現政権の保険大臣もジョージア人ですから(就任時にウクライナ市民権を与えられた)、それほど唐突な話ではありません。おそらく、サアカシュヴィリの欧米とのコネクション、改革の実行力に期待しているのでしょう。
しかし、オデッサには親ロシア派も多く、小規模な武力衝突が発生しているようなところですから(まあそれだからこそ彼の手腕を期待したのかもしれませんが)、上記のサアカシュヴィリの反ロシアという立場を考えれば、ロシアに対しては相当に挑発的な決定といえます。
ロシアのオデッサに対する介入を指摘する向きもありますが、オデッサを分離させたところでロシアにメリットはないので、それはないでしょう。ただ、オデッサ近辺の情勢が不穏になる可能性は十分にあります。
ウクライナは、ポロシェンコ大統領とヤツェニュク首相の不和が取り沙汰されたり、対外債務の返済を拒否したり(事実上のデフォルト)、不安材料がたくさんあります。これからまた一波乱が起こるかもしれません。
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2 comments on “サアカシュヴィリのウクライナ・オデッサ州知事就任”
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鬼手・・奇手・・
プーチン大帝・・益々怒らす・・
そんな処に・・関白殿・・命賭ける・・怖い者知らず・・・(笑
現ウクライナ政権の閣僚の中にもCIA直系のような人物がいますし、サアカシュビリ、アフガンのカルザイ大統領もそうですよね。露骨ですねー。ウクライナと白ロシアは母なるロシアなのだからそりゃーロシアは激しく抵抗するでしょう。報復でNATO加盟のバルト3国に侵攻の可能性もでてきますね。対照的に中国には甘いです。究極的にロシアのEU加入の可能性を米国がどう計算しているのかが難問です。