2018/04/04 05:00 | ロシア | コメント(4)
プーチンの時代(2):新たなる「冷戦」の激化
■ ロシア、米外交官60人を国外追放 英暗殺未遂巡る措置に報復(3月29付ロイター)
■ トランプ米大統領、プーチン氏をホワイトハウスに招待=ロ大統領補佐官(4月2日付ロイター)
「プーチンの時代(1):ロシア大統領選挙」の続きです。
前回は、プーチンの強さと国際社会におけるロシアの存在感について説明しました。
今回は、プーチンの外交戦略とその手腕、そして欧米との関係について解説します。その中で、英国におけるロシア人亡命者の不審死事件についても考察します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
***********
プーチンの時代(2):新たなる「冷戦」の激化
***********
●国家への依存
●西側への対抗
●亡命ロシア人の暗殺疑惑
●プーチン外交
●ポスト・プーチンの時代
***********
あとがき
***********
オリバー・ストーン監督映画について。私が最も好きな作品は『プラトーン』。86年のアカデミー作品賞受賞作です。
この作品は、直後にベトナム戦争ブームを起こし、また兵士がキリストのような格好で天を仰ぐ鮮烈なポスター広告の印象もあって、反戦映画のようなイメージを与えているようです。しかし、実際のところ、内容はまったく異なります。
オリバー・ストーンは自らがベトナム戦争に参加した体験に基づきこの映画を製作しました。その体験とは、地獄の苦しみと、地獄の中でこそ戦士が輝き、人間性を発揮するのを見たことでした。
この作品には、エリアス(ウィレム・デフォー)とバーンズ(トム・べレンジャー)という強烈な印象を残す二人の兵士が登場します。正義感と個人技が卓越する野生の戦士エリアスと冷酷で組織力に優れる現代の戦士バーンズ。いずれも主人公の新兵(チャーリー・シーン、モデルはストーン自身)にとっては仰ぎ見るような存在です。
エリアスとバーンズは、バーンズがソンミ村でベトナム農民を虐殺したことをめぐり激しく対立します。二人は運命に翻弄され、エリアスはあの有名なキリストのような格好で死を迎えます。そして、最後に主人公がとった行動は・・。
ここで描かれているのは、反戦でも風刺でもありません。もっと本能的で、ある意味で素朴な、戦争と戦士の業と美しさ、それに対する畏怖と愛情です。町山智浩『ブレードランナーの世紀』によれば、ストーンにとって、エリアスとバーンズは相争うギリシャ神話の英雄(アキレウスとヘクトール)のごとき存在だったといいます。
ストーンは、こうした善悪を超越した人間の業と美しさを追い求めているのでしょう。そういう視点から『オリバー・ストーン オン プーチン』を見ると趣深いものがあります。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
4 comments on “プーチンの時代(2):新たなる「冷戦」の激化”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
何とも・・
判りにくい人物・・
エリーチェンに紹介され・・
初登場した時・・
???が10は並んだ・・
今となっては・・プーチンを見抜いたエリーチェンは凄いとなる・・
その国とその人物と・・我が国はまだ平和条約を結んでいない・・
そして・・結べそうにない・・・
関白殿は半狂乱だろう・・・
( ^ω^)・・・(笑
辿ってきた道(歴史)が違うので、国民性や価値感が違うのは当然なのですが、改めて違いを知ると面白いですね。
ロシアゲートのストーリーがロシア人に与える与える影響や、西側との対立構造、ロシアやプーチンの考える「東南アジアの重要性」・・、どれも納得でしたし、視点を理解すると、また違った見方ができるものですね。
それに、さらに面白かったのが、ちょうど、ロシア・トルコ・イランの3者会談が開催されていたので、「プーチン外交」の記事がよりリアルに読めました。
対中国的にロシアと組みたいのはトランプと同じ。グローバリストがそれを邪魔して、ロシアを敵視し、中国を優先する。エリツィンは西欧にロシアを売ったが、プーチンが取り戻したからだ。そしてプーチンと組もうとするトランプと関白殿を執拗にたたく。
日本にとってはロシアは火事場泥棒でもある。今関白殿は泥棒に追い銭してまでやろうとしているが、もう国民も反対しないし4島一括返還にもこだわらなくなった。えらい変化だ。それだけ中国が脅威になったということか。ロシアに譲歩せざるを得ないが、G7でロシア制裁させられるから関白殿は苦しい。確かに危険な交渉だから、ロシアと上手くいかなくて良かったという後世の評価もあり得る。
結局平和条約など結べそうにない。国連と日本国憲法で国家の権能を制限されているので、平和条約にあまり意味がないともいえる。健全な国家でも条約は破るためにある。ロシアは前科者だ。意味を持つのはやはり日米安保での集団的自衛権のみか。これも当てにはならないものだが、蜘蛛の糸かもしれない。笑
ギリシャの叙事詩のような、世界の本質が現れ、味わえるのでしょう。キリストのような格好で死をむかえるというのも示唆的だ。まるで西洋史の始まりのごとき。題名のプラトーン、もどう考えればいいのか。笑