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2018/03/29 05:00  | ロシア |  コメント(3)

プーチンの時代(1):ロシア大統領選挙


ロシア大統領選、プーチン氏が圧勝 得票率76%、通算4期目へ(3月19日付AFP)

ロシア大統領選でプーチン大統領が圧勝。得票率76%、投票率67%。ともに7割という目標はほぼ達成しており、プーチンとしては十分に満足できる結果だったでしょう。

プーチンが最初に大統領になったのは99年末。まず辞任したエリツィンの代行として就任し、翌年の大統領選で勝利。2期務めた後、3選禁止のため、いったんメドベージェフに大統領を譲り、自身は首相に就任しますが、権力は維持。12年から再び大統領に就任し、今回の選挙に至りました。

実質的にはすでに18年にわたりロシアに君臨するプーチン。大統領任期は6年なのでその時代は2024年まで続きます。その時点でまだ71歳ですから、ここで終わらないかもしれません。

ロシアの経済は、原油安と経済制裁により、15年と16年はマイナス成長。原油価格の上昇により17年からプラスに転じますが、それでも1%台という低水準。原油安によりインフレが抑えられているのが救いですが、経済の停滞が続きます。

経済の回復はプーチンにとって切迫した課題であり、それは年次教書演説で一人当たりGDPを1.5倍にするなどの目標を掲げたことにも表れています。

それでもプーチンに対するロシア国民の支持率は一貫して高く、今回の大統領選でも前述のとおり7割を超える得票を得ました。世界で最も強力なリーダーの一人といえます。

また、ロシアの人口は1.4億人で世界9位、名目GDPは1.3兆ドルでだいたい韓国ぐらいの規模です(世界12位)。世界的にみれば米中日独という「大国」に次ぐ「準大国群」の一つであって、突出した存在ではありません。

それでも、ロシアは米国に並ぶ世界の大国というイメージをもっている人は多いと思います。実際、ロシアが世界情勢に与える影響力は小さくはありません。

このようなプーチンの人気、そして国際社会におけるロシアの存在感の大きさはどこからくるのか。

今回は、こういった問題意識を念頭において、ロシア政治の見方について解説します。

なお、3月1日と2日、以下のドキュメンタリー番組がNHK-BSで放映されました(オリジナルは17年6月に米国で放映)。

オリバー・ストーン『オリバー・ストーン オン プーチン』

内容はオリバー・ストーンによるプーチンへの直撃インタビュー。4時間にわたる長編です。

プーチンのプロパガンダに利用されたとも言われており、率直に言ってそういうところもありますが(笑)、プーチンの生の声を聞くことができるという点で貴重な映像です。これにも言及します。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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プーチンの時代(1):ロシア大統領選挙
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●ロシアを救った男
●力への信仰
●卓越したコミュニケーション能力

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あとがき
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オリバー・ストーンは好きな監督の一人です。彼は色々な作品を制作していますが、多くの作品に共通するのは、人間の欲望、本能、矛盾といった善悪を超越した部分をそのまま描いているところです。

たとえば87年の大ヒット作『ウォール街』。ここで強烈な印象を与えるのは、主人公のチャーリー・シーンではなく、マイケル・ダグラス演じるカリスマ投資家ゴードン・ゲッコーです。

ストーリーは、主人公がゲッコーのインサイダー取引を糾弾するので、ウォール街の拝金主義を風刺しているようにも見えますが、多くの視聴者は主人公の正義感よりも「Greed is good.(強欲は善だ)」と言い放つゲッコーの勇姿に魅了されるでしょう。実際、この映画の上映後、投資銀行の人気は上がり、ゲッコーのスタイルを真似する人々が増えたと聞きます。

次回は私が最も好きなオリバー・ストーン作品である『プラトーン』について書きます。

今度は金正恩の電撃訪中・・毎週ニュースに事欠きませんね(笑)・・これは来週に取り上げます。

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3 comments on “プーチンの時代(1):ロシア大統領選挙
  1. KB より:
    プーチン

    以前JDさんがお話されていた、フィオナ・ヒル他『プーチンの世界』を読んだ時、「ロシア流、制約だらけの民主主義」ということが述べられていたのですが、あまりリアリティがなかったのですが、この記事で、「ロシア流」と「民主主義」が共存する理由が、おちてきました。

    国民の遺伝子レベルで、「求めるリーダー像」があって、プーチンはそれに応えているのでしょうね。

    YouTubeで『オリバー・ストーン オン プーチン』を見ましたが、プーチンは雑談ですら英語は一切使わないのですね!!

  2. KB より:
    あと

    金正恩の電撃訪中に関する一連の動き、アジア各国はどのような反応なのでしょうか?

    日・米・中・韓の動きがクローズアップされますが、周辺国の捉え方なんかも気になります。

  3. 下北のねこ より:
    頭のいい人の時代

    映画の話にいきたいけど、プーチンさんへの個人的な印象を書いておきます。
    プーチンさんの特に優れた資質は、客観視する能力の高さだと思います。
    ゴルゴ13みたいなもんです。自分やロシアがどう見られているのか、どう見せたらいいのか、優れた点も欠点も正確に把握している方です。
    だから、ロシア国民の求めるマッチョな大統領になってますし、ロシアでは経済は苦しくとも戦争を必要なタイミングで行い、その地域における発言力を維持することができています。

    プーチンさんだけじゃなく、北の刈り上げバカボン(私から見てでした)も以前からJDさんは頭の良さ、能力の高さを指摘しておられましたね。凄いです。
    冷酷ですが、忍耐力、現状分析力は非常に高い方だなと今は思います。国際関係においては絶対にキレずに、自国利益に徹頭徹尾徹してるところなんか、地頭がいいんでしょうね。平和攻勢に切り替えたタイミングもお見事です。

    フィリピンのドゥテルテさんにしても、国際ルールや中途半端な倫理に縛られず、自分の考えで行動してますし、トランプさん(最近は不安になってきましたけど、ビジネスマンとして最高級の成功をした方だけに、元々の能力は高そう。)にしても、日本の安倍首相(お坊ちゃん的見方や、東大や早慶出身じゃないので過小評価されがちですが、あのカミソリ岸さんや、安倍晋太郎さんのDNAをストレートに引いてるので地頭が悪いはずないです。)にしても、最近の政治家って、元々の頭が良くて、ひとつ深く考える能力があるんだなあって感じます。

    ちょっとズレますが、先日の佐川くんの証人喚問も昔のような「記憶にございません」(東大出は記憶力に欠けなんて、プライドが許さないでしょう)みたいなのは一切なく、軽々しく全て自分の責任なんてやって、財務大臣に任命責任が生じるようなマネはせず、とても深く考えて構成されていたように感じました。

    感情に流されず、ひとつ深く考えて行動するって、男性の強みだと思います。
    というと話はアキエちゃんになっちゃうんですよね。
    あの人、もう一つ深く考えて行動すればなあって思うと、本当に残念です。
    感情と見た目と正義感に支配されちゃうと止まらないんですよね。
    あたし間違ってないって。

    ということで映画です。「ウォール街」のゲッコー素敵ですよね。ぐっちーさんの以前のホームページでの「金持ちまっしぐら」というタイトルと合理的な拝金思考、サングラスとコート着て階段に座ってる写真もゲッコーの影響感じます。投資銀行の人みんなそうだったんでしょうね。
    だけど、チャーリー・シーン、あそこまで喰われて、悔しくないのか(´;ω;`)、同時期にバッドマンって映画あったんですが、あれの主役も脇役、それも悪役のJOKER(演;名優ジャック・ニコルソン)にやりたい放題やられて、影が薄くなったことこの上ないし、年寄りばっかり強くなっていいもんかって、腹立ててたもんです。

    オリバー・ストーンの代表作かつ戦争映画というと「プラトーン」でしょうが、私はウエットな方がいいので、内容は陰惨ですが、単純で浅い、プライアン・デ・パルマの「カジュアリティーズ」やバリー・ロビンソンのノスタルジックな「グッドモーニング・ベトナム」の方が好きです。
    特にアメリカンDJの魅力爆発のロビン・ウィリアムズは年に一度以上見たくなります。

    戦争って、暗い描き方が本当は正しいのでしょうが、コッポラまでは見られますが、時計じかけのオレンジの監督さんのとかはマジでダメです。

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