2018/03/09 05:00 | 中国 | コメント(1)
「皇帝」の道を突き進む習近平
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ゲーリー・コーン大統領補佐官の辞任
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■ コーン米NEC委員長が辞任へ=ホワイトハウス(3月6日付ロイター)
衝撃の一報でしたが、その可能性があることは前日の記事で指摘していました。
・「トランプ政権の新たなる混沌と貿易戦争(2)」(3/7)
上記記事ではコーン辞任を織り込んだ上で今後の展望を示していました。
これでグローバリストが完全に政権から駆逐されることになりましたが、ケリー、マクマスター、ティラーソン、さらにクシュナーが続けば「そして誰もいなくなった」・・が現実のものになるかもしれません。
後任は、コーンを追い出したピーター・ナヴァロ通商製造政策局長、保守派の論客ラリー・クドロー、元FRB理事のケヴィン・ウォルシュ、シャヒーラ・ナイト大統領次席補佐官(コーンの部下)らの名前が挙がっています。まあ、まだ何も決まってないのでしょう(笑)。
ただ、マーケットは、もはやトランプ政権のゴタゴタには慣れ、リスクを先読みして織り込みながら、冷静に経済への影響を見極めるようになっているのか、そこまで大きな反応はなかった様子。ナシーム・タレブの言うところの「反脆弱性」が発揮されているのでしょうか。
コーン辞任の原因となった鉄鋼・アルミの輸入制限について、トランプの決定は3月8日午後(日本時間9日午前)に発表される予定です。
サンダース報道官は、一定の期間を区切って、カナダ、メキシコなど一部の国を除外する可能性があると述べていますが、上記記事で述べたとおり、元々トランプの発言は事務方と詰めることなく衝動的に出てきたものですから、まさに走りながら考えているのでしょう。
また、これも上記記事で述べましたが、NAFTA交渉の取引材料に使うという意図も見えています。もう、全然「安全保障」は関係ないですね(笑)。
さてどうなるか。また週明けにアップデートをお伝えします。
さて、本題です。
■ 中国、習主席の任期制限を撤廃へ 2023年以降も(2月26日付BBC)
国家主席の2期限定を撤廃する方針とのこと。報道ベースですが、中国メディアの発信は事実上党・政府の発信なので、これが実現することは間違いありません。
公表のタイミングは3月5日に開幕した全人代に合わせたのでしょう。全人代は20日に閉幕の予定であり、そこで憲法改正が実現し、習近平2期目体制も固まる見通しです。
以下の記事で述べたとおり、昨年の中国共産党大会では、習近平の後継者が明らかにならず、3期続ける可能性が十分にあることが示唆されました。
・「習近平体制2期目(1):「皇帝」の誕生」(17/10/31)
国家主席の任期撤廃は、当然のことながら続投路線を強く予感させるものになります。
本日は、その意味するところを解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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「皇帝」の道を突き進む習近平
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●「国家主席」の地位
●江沢民、胡錦涛、そして毛沢東を超える
●皇帝を支える新たな体制
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あとがき
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国家主席の任期撤廃の報道が出てから、言論統制が強化され、「終身制」「反対」といった言葉の検索や閲覧が禁止されているとのこと。
「くまのプーさん」は、習近平に体型が似ていることから、以前から検索と閲覧が禁止されていましたが、最近は「ディズニー」という言葉まで禁止されるようになったそうです。
次の冬季五輪は北京ですが、羽生結弦が出場する場合、くまのプーさんのぬいぐるみが投げ込まれることが禁止されるかもしれない・・そんなジョークも中国では流行っているそうです。
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One comment on “「皇帝」の道を突き進む習近平”
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経済成長著しく、また国際政治的にも個性が強い中国も、内側を見るとまさに「近代国家ではない」一面もあり、その意思決定の独特さを再認識できますね。
トランプ政権より、ある意味パワーバランスがはっきりしているので、むしろ分かりやすい国家の形なのかも、と思ったり(笑)
奥様の好み(派手な美人?)は似ているのかもしれませんね。
ジョージ・オーウェル『1984』面白そうです。