■ ハスタート元米下院議長を現金取引報告違反で起訴－米大陪審（5月29日付ブルームバーグ記事）
■ 元米下院議長、男子生徒への不適切な性的行為で口止め料（5月30日付ウォールストリートジャーナル記事）

だいぶ遅れてしまいましたが、これは衝撃的なニュースでしたね。デニス・ハスタートといえば、ブッシュ・小泉の日米蜜月時代に下院議長を務め、日米関係を支えるのに大きな貢献をした人物です。

私自身、この時期にワシントンDCにいたので、彼が下院議長として日米交流50周年の様々な行事に精力的に協力していたことをよくおぼえています。日本で英語教師をした経験があり、親日家として知られます。下院議長まで務めた共和党の大物が日本に理解があったことは、日本にとって大きな僥倖といえました。

ハスタートほどの政治家が不正行為と不適切な性的行為を行っていたというのは（何十年も前に行われた行為をなぜ今起訴するのか少し不自然な感じもしますが）大変な衝撃で、ベルトウェイ（ワシントンDCの周りを囲む環状道路で、DC政界を意味する）の闇の深さを感じさせました。

ひるがえって、オバマ政権のこれまでを振り返ると、この政権がいかにスキャンダルと無縁であったかをあらためて実感します。オバマ自身はもちろん、彼が選ぶ政権の人々のすべてがスキャンダルと無縁であり、選任の段階からこの種の問題に多大な配慮をしていたことをうかがわせます。

スキャンダルがないということは、政権が安定して持続的に政策を実施できることを意味しており、その意味では非常にパフォーマンス力のある政権といえるのではないかと思います。