2017/04/05 00:00 | 米国 | コメント(7)
トランプ政権のパワーポリティクス②
「トランプ政権のパワーポリティクス①」の続きです。
政策動向ですが、税制改革は難航が予想されます。オバマケア撤廃の失敗により、トランプのみならずポール・ライアン下院議長が深い傷を負いました。
共和党本流とトランプ政権の橋渡し役だったライアンの影響力低下は、もはや完全野党化(何でも反対)しているフリーダム・コーカスと民主党との折衝を一層困難なものにします。
インフラ整備も予算が通らない以上難しい。
そうなるとできることは規制緩和。特に金融規制の緩和です。これは、今政権が唯一成功している例といえる環境規制の緩和と同様、ある程度進められる可能性があります。
ゲーリー・コーンを中心とするゴールドマンサックス人脈の影響力の高さ、トランプ政権以外にも金融規制の緩和は必要と考えている人々は多いことも好材料です。
長々書きましたが、まとめると以下のとおりです。
トランプ政権の安定性についていえば、パワーポリティクスの観点からは、①スティーブ・バノンと③プロ組の勢力争いが激化しており、どっちが優勢になるかは②クシュナーが鍵を握っている。まずは米中首脳会談が一つのヒントになる。
政権にとって最大のリスク要因であるクレムリンゲートは、おそらくこのままどっちつかずの状態が続く。これにより、情報機関は自らの影響力を最大限に高めることができる。したがって、トランプ政権が急に倒れるという可能性はおそらくない。
トランプ政権が当面安泰として、政策については、これまたグズグズした状況が続く。しかし、まったくダメダメかというと、そこまで救いがないわけではなく、金融規制はある程度期待がもてる。
問題は、破天荒な保護主義政策をとってくるかどうかだが、これは前述のパワーポリティクスで、①バノンと③プロ組の争い次第。
ここからは個人的な予想ですが、だんだんと③プロ組が優勢になってくる気がします。
バノンは、トランプが大統領選で劣勢に立たされたとき、「トランプはトランプらしく振舞うしかない」と進言してトランプの迷いを絶っており、トランプにとっては大統領選勝利の最大の功労者といっても過言ではない人物。
バノンがいなくなればトランプはトランプでなくなるといわれるほどトランプとは一心同体の関係にあります。そのようなバノンをトランプが切ることはおそらくありません。
しかし、バノンは、トランプに思想や理論を吹き込むことはできますが、政策形成能力がありません。トランプの正義論を政策にコネクトすることができないのです。おそらくこれがバノンの限界となります。
また、マイケル・フリンやピーター・ナヴァロの退場、クレムリンゲートといった一連の動きやクシュナー・イヴァンカの印象(合理主義者)からもプロ組の優位を感じます。
そうであれば、米国経済は、大きく跳ね上がることはもうないが、大きな混乱に陥ることもなく、持ち前の強さで好調を維持していくことになるでしょう。もちろん、突発的な政策変更や軍事行動で急降下するリスクはありますが、短期的なショックにとどまる可能性が高いとみられます。
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7 comments on “トランプ政権のパワーポリティクス②”
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トランプ・ライアンのコンビがオバマケア全廃という公約を実行できない程、支持者が全廃するなと懇願したのだろうか。ぐっちーはこれを無視できなかったと言ってますが、コンビがいとも簡単に折衷案を出したのは不可解だ。公約通り全廃のはずで行けたはずだが。保険業界がいるからなー、取り込まれたか。
この保険業界、日米経済会議で、日本の公的皆保険に手を出してくるんだろうな。製薬・保険複合体。アメ車も無理やり買わされるだろうし、第二の黒船だな。
ナヴァロは退場ですか。笑 北朝鮮の案件後、対中交渉で存在感が出る可能性も終わったのかな。商務長官ロスの方が実益に適うということでしょうか。最後の最後に使えるカードなのでは。もう、退場させては・・・。
そしてFBIとCIAという情報機関。時の大統領とは関係なく存続していくかに見える自閉的組織。ブッシュ父は珍しくもCIA長官経験者でしたが、この一番闇深い組織の話も伺いたいところですね。韓国にはKCIAがあるのに、日本には許されないというのも、平和憲法と同じ扱いですね。米国の特別待遇。笑 まあ民主主義の伝統のない日本にCIAがあったら戦前同様、確かに恐ろしいが、今の国際情勢でないというのは、本当はもっと恐ろし事かもしれませんね。にもかかわらず特別待遇で共同作戦やらされても、それはどう考えても担当外だったでしょう、元外務省のJDさん。笑
ティラーソンの国務省は、今のところ始動せず影が薄いということですが、デビッド・ロックフェラー事務所のようなもので、米国政府のなかの、もうひとつの政府の駐在所に見えますが、当主が最近亡くなりましたね。この影響は?。
GS経験者の多いトランプ政権ですが、本流は今度の国務省に見えます。もっともGSが本家筋だと言う人もいますが。
しかし議会共和党保守が、トランプに仕事をさせないという風に見えますね。それがかえって株高に貢献しているとか。笑 まあFRBの成果か。オバマは説教牧師でした。
日韓の請求権を決着させた国家協定を反故にさせ、もう一回政府間の問題を不可逆的に解決という矛盾に満ちた日韓合意を新たに作らせたオバマ。不可逆という言葉は2回目からは使えないはずなのだが。
韓国が守るわけがないと評価されていて、その通りになったが、オバマを呼び出して、韓国に派遣すべきか。笑 それでも共同作戦やらされるわけ?。あわてて駐韓大使帰任させたが、面目まるつぶれ。日韓に問題をつくり、反日をやらせる米国に付き合うのも難儀なことだ。
オバマの前の子ブッシュ政権で、ライス国務長官がサンフランシスコ講和条約に違反し、竹島を韓国領と認めるような意向を韓国に示したが、見事な日韓分断政策だ。反日が韓国のアイデンティティーになっている。戦後当初の韓国人は半島の現実を知っていたが、今の韓国人は反日教育で都合の悪い事実は存在しない事になっている。これは千年続くだろう。
本来、半島は中露の支配を受けるべき民族だった。日本が係わったから不満が出る。中露支配なら不満も出せない。日本が米国に征服され、米国が半島に首を突っ込んだのでこうなった。もっとも朝鮮戦争で日本は息を吹き返したが。半島から米軍が撤退すれば、米国も日本を普通の国家にするのだろうか。もう手遅れだろう。国民もその気がない。やはり敗戦で一旦終わった国家なんだろうな。
たった今、BBCが即報を配信しました。
President Trump’s senior strategist Steve Bannon
loses place on US
National Security Council.
やはり、プロには見えているのですね。素晴らしい!
トランプ米大統領、側近バノン氏をNCSメンバーから外す
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-security-idJPKBN1772JM
は最初から・・
異質分子だった。
問題は娘婿・・
力を持ち過ぎた時・・
その時は必ず来るが・・
トランプの采配は・・・??( ^ω^)・・・(笑