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2016/09/07 00:00  | 中国 |  コメント(8)

G20での日中首脳会談


日中首脳会談(9月5日付外務省)

15年4月のバンドン会議以来、1年半ぶりの安倍・習近平会談。直前まで調整が続けられ、会談の実施が発表されたのは前日4日の夜でした。

講演会でもお話しましたが、実は、最近まで、日中関係はかなり良い状態にありました。日中関係が改善に向かった出発点は、14年11月の北京APECで実現した初の安倍・習近平会談です。

背景にあったのは、習近平体制の安定とみられています。すなわち、薄熙来、周永康、徐才厚、令計画新四人組)という超大物のライバル(大虎)を次々に排除し、江沢民派(薄、周、徐)と共青団派(令)の両方の対抗派閥を圧倒した習近平は、14年後半の時点で権力の集中を完成させたかに見えました。

おそらく、14年11月に安倍首相との会談に臨んだのは、体制が安定し、日本に融和的な姿勢を見せても反対派から揺さぶられることはない、と判断したからです。その後、15年の戦後70年談話新安保法制に対して中国の反応が抑えられていたことも、習体制の基盤と日中関係の安定を裏付けるものとなりました。

しかし、17年秋に予定される第19回党大会(常務委員の交代)を控え、そのための準備会合となる8月の北戴河会議の頃から、反習近平派の動きが活発になったようです。8月初めの尖閣諸島領海への中国漁船侵入は、反習近平派が北戴河会議に臨む習近平を揺さぶるために行われたもの・・・という見立てが識者の間では有力です。

これも講演会で最初に話しましたが、中国の外交は、すべて内政、特に権力闘争の延長にあります。特に日本との関係は、胡耀邦趙紫陽の時代から、権力闘争の格好の餌食となりました。

習体制と中国の対日外交が引き続き安定するのか、その見極めとなるポイントが、今回のG20での日中首脳会談、さらに11月後半に東京での開催が調整されている日中韓サミットということになります。

北京APECのときの仏頂面とは異なり、G20に安倍総理を迎えたときの習近平は笑顔でしたが、日中首脳会談の写真を見ると、相変わらずのこわばった表情。日本に甘い顔を見せれば、反対派につけいる隙を与えてしまう・・・このために必要なジェスチャーですが、この厳しい表情からは、やはり今の習近平体制に余裕はない・・・ということが読み取れます。

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8 comments on “G20での日中首脳会談
  1. ペルドン より:
    習近平の後釜

    誰でしょうねぇ・・・?(笑

  2. パードゥン より:
    残念ながら余裕がないのは日本では?

     中国にGDPで倍以上の差をつけられて、非正規の
    全員火の玉の経済活動総動員状態で働いても
    家計に余裕はありません

     戸建ては夢の夢、兎小屋と揶揄されたマンションで
    さえ困難なようですよ

     

     

     

  3. パードゥン より:
    イラン艦艇、また米観戦に異常接近

     日本は大規模投資をしたイラン・プラントをあきらめて
    アメリカにつきあって制裁してたのに
    オバマが心がわりしちゃった 

     でも、北と同じくオバマの制裁解除はうまく
    いってないのでは? 米も両面作戦は無理だろうから
    どちらへの対応を捨てるのか?(笑)

  4. sunny より:
    オバマの悩ましい中東対策

    米英は、サウジアラビア政府がイスラム過激派をサポートしていることは承知しているだけでなく、自分たちも彼らを訓練したりして利用していました。その過激派が中東を超えて、アメリカで9.11テロを起こしたり、アルカイダがヨーロッパでのテロを計画しているのが発覚したりと、テロリストとテロが中東以外の地域に拡散するようになって、手に余るような状況に。ブッシュの時代はサウジ王家はブッシュ家の商売相手だったということと、まだアラブの石油に頼る必要があったので、アメリカは見て見ぬふりをしていました。

    オバマ時代になると、サウジ政府も、学校教科書から、「シーア派やユダヤ教徒やクリスチャンは抹殺しなければならない」という物騒な文面を削ったりなど努力をするようになりましたが、過激派への支援は相変わらずということで、アメリカにとっては、テロ対策上、悩ましい存在となりました。

    イランを国際社会に復活させるというオバマさんの方針は、アラビア半島を超えて、スンニ世界がサラフィー主義、ワッハービ主義の影響で過激思想が増大してきたことへの警戒感が根底にあり、毒をもって毒を制す、ということかなと。

    核合意後も続くイランとアメリカの不仲さは、両国の関係というよりも、穏健派のロウハ二やオバマに対する両国それぞれの強硬派の巻き返しが起きているからだと思います。

    現在イラン社会で権力を持っているのは、50代60代のイラン革命当事者やイランイラク戦争を戦った保守強硬派の人々。独裁者シャーやサダムフセインの後ろ盾だったアメリカに対する不信感は消えないし、彼らが持っている経済的な利権が脅かされるという不安もあるでしょう。 アメリカはアメリカで、ネオコンが「悪の帝国イラン」という善悪二元論的世界にとりつかれているし。

  5. sunny より:
    イラン版特攻隊 本気で突っ込むぞ

    パードゥンさん <イラン艦艇、また米観戦に異常接近

    イラン革命防衛隊のアメリカ帝国への対抗意識はすごいです。
    イランは、最近、国境付近に外国の支援を受けたテロリストが入ってくるようになり、革命防衛隊は国境周辺の侵入者にかなり神経質になっていますから、アメリカといえども領海内には絶対入らせないぞという恣意行動を示して、国内外に存在感を見せつけたとということでしょうが。

  6. カマキリマン より:
    バイデン・・・

    >日韓首脳の関係修復に一肌=「夫婦仲戻した」-米副大統領

    またバイデンの無責任なリークですが、
    このバイデンさんってほんと口が軽すぎるというか
    政治家としての常識がなさすぎません?
    こないだも「おい、習近平。日本は一夜で核武装できるんだぞ」→「おいトランプ、日本の憲法では核武装は禁止なんだ。アメリカが書いた憲法なんだからよく覚えとけ」ってやってましたよね。

  7. sunny より:
    400億円は1700億円の一部だった

    イランといえば、私、以前、「アメリカはハーグの裁定を無視するだろう。イランに金を払いっこない」と書いたのですが、実は、今年初めに、すべて払っていたんですって。現金でトータル1700億円で、身代金だったのではと疑われたあの400億円はそのほんの一部だったのです。 

    何でこんなことをしたかというと、ハーグ裁判の行方がアメリカに不利で、40年間分の利子の計算のやり方次第では、1兆円の支払いになるかもしれないと恐れたアメリカ側が1700億円で手を打ったということらしいです。イランも外貨不足でかなり困窮していたので、長引く裁判より早めの解決を選んだのでしょう。

    ただ、アメリカ国内には、イランに金を返すことには強硬に反対する連中があれこれいることを考慮して、秘密裏に金をイランに運びこんだということらしいです。

  8. ペルドン より:
    カミキリマンさん

    夫婦仲戻しても・・
    まだ・・
    同衾していませんね・・
    同衾しようとしても・・枕元の小姑多いのでは・?・・・(笑

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