2015/10/30 00:00 | 英語 | コメント(2)
英語のスピーキング④:子音のポイント②
「英語のスピーキング③」の続きです。今回は、子音のポイントの本題です。
●子音の連続
日本語は必ず子音と母音がセットで存在するのに対し、英語は子音が単独で存在することがあります。このため、日本語ではイメージできない英語ならではの音が発生します。
子音が連続すると母音を使わないことになるため、独特の発声が必要になります。たとえば、「economics」という単語を「エ・コ・ノ・ミ・ク・ス」と発音すると通じません。
この単語を分解すると、「ec・o・nom・ics 」となり、アクセントは「nom」の「o」にあります。アクセントが置かれていないところの音は弱化するため、まず2音節目と最後の音節の母音である「o」と「i」はいずれも弱母音(シュワ)になります(弱母音については後日説明します)。そして、「ec」と「cs」は子音が連続しているため、つなぎ目なく、連続して一つの音のように発声されます。
また、最後の「s」は、次の「子音の終了」で述べますが、しっかりと強い息で、比較的長く余韻を残すように発音する必要があります。このため、発音は、「エクナームクス」という感じになります(カタカナは便宜上用いており、本当の発音ではない点ご留意下さい)。「ナー」を非常に強く、それ以外の「エク」と「クス」はソフトに一音節のようにスラっと発音するのがポイントです。
この一音節で読むのが日本語にはないところで、発音も難しいですが、聞き取りも難しくなるところです。たとえば「block」という何気ない単語も、「b」と「l」が母音を挟まず連続で読まれるため(さらに「l」は前回述べたように「ウ」に近い音のため)、「ブロック」ではなく「ブオック」「ボック」のように聞こえます。ここで意識と慣れがあるかどうかで聞き取りもだいぶ変わります。
ちなみに、類似の単語の「economy」ですが、これはアクセントが2番目の「o」にあるため、まったく違う発音になります。「イカーヌミー」という感じになります。「カー」を非常に強く発音するのがポイントです。これはアクセントの位置が違うと、同じような単語がまるで異なる発音になる例です。アクセントについてはまた後日述べます。
●子音の終了
文末が子音で終わる場合、これも母音を伴わないため、細心の注意を払って発音することが重要です。特に重要な子音は、前回取り上げた「s」、「z」、「th」、そして「d」、「n」です。
「s」、「z」、「th」は、前に述べたとおり、強い息で発音する必要がありますが、これは文末ではさらに長く発声するように心がけることになります。これに対し、「d」、「n」は、それほど難しくない印象があるかもしれませんが、文末で終わる場合、日本人はきちんと発声しない傾向があります。最後にしっかりと音を出す必要があります。
ただし、「d」については、母音つけて「ド」と言ってはいけません。あくまでも子音だけの発音のように軽く、それでいてしっかりと発声することが重要で、慣れが必要になります。感覚としては息を吸い込みながら音を出すようにすると良いと思います。
「n」については、しっかりと「ン〜ヌ」と最後まで言い切って、口の中で音をふるわせつつ、余韻を残すように発することが大切です。「ng」も、前述のとおり鼻音であることを意識しながら、最後に「ンガ」となる感じで終わります。最後のg音はあくまでも鼻音の延長として軽く、「gu」(グー)と後ろに母音がついているような音にならないことが肝要です。
●子音の弱化
これはアメリカ英語の特徴ですが、子音の中には、文中にあって速く発声されるとき、日本人には思いも寄らない変化をすることがあります。まず「t」の発音は、「ラリルレロ」と「d」の中間の音になります。例を挙げると以下のとおりです。
「water」→「ワダー」「ワラー」
「matter」→「マダー」「マラー」
「little」→「レドウ」「レルウ」
「what I’m」→「ワダイ」「ワライ」
「Let it go」→「レディゴー」「レリゴー」(「アナと雪の女王」の主題歌ですね)
「work it out」→「ワーク・ダウト」「ワーク・ラウト」(「・」は一瞬の間)
複数の単語が並んでいるものでは音の連結も生じていますが、これはまた後日述べます。
以下では「h」が消え、音の連結も生じていますが、これも後日述べます。
「met him」→「メディム」「メリム」
「find her」→「ファイナー」
「hold on a minute」→「オダナメヌ」
最初に述べたとおり、「l」とか「d」は口をリラックスさせて、迅速に発声する音です。このため、スピードが上がると音がよりルーズな感じになるわけです。特にアクセントの直後にある場合、音が弱化するため、この傾向が顕著になります。よくヒップホップなどで「da bomb」などと書かれているように、黒人は、「th」の音を「d」で発音することを見越して、最初からスペリングを変えて表記したりもします。
なお、英国式英語ではこの変化があまり現れません。「water」は「ウォーター」としっかり発音されます。英国式英語の方があごを大きくあけて発音することが原因だろうと思います。
子音の弱化は頻出します。ニュースにせよドラマにせよ、出現したときには注意して、意識せずとも自然に耳に入ってくるぐらい慣れるようにして下さい。そして、自分でも発声できるように練習して下さい。そうするとリスニングもスピーキングも驚くほど楽になります。ニュースやドラマといった素材を使って練習する方法はスピーキングの最後の回で述べます。
今回はかなり色んなことを述べました。駆け足になってしまったので、分かりにくいところがあればまた補足したいと思いますので、コメントや質問をお寄せ下さい。次回は母音のポイントについて述べます。
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2 comments on “英語のスピーキング④:子音のポイント②”
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小学生の頃、ネィティブの家庭教師から、n,ng,th,m,n などはかなりうるさく言われたのを思い出しました。
(今や雲散霧消した感じがいたしますが・・。)
引き続き、次回を楽しみに致しております。
はい、日本人に英語は本当にわかりにくいです
Almostなんかも、英文を見ながら聞いても、全然聞き取れなかった。
もっともっと、自動翻訳技術が進化してくれると、有難いな、、、