2023/05/22 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(5/21~27)G7広島サミット、ゼレンスキー訪日、トルコ大統領選
先週後半にゼレンスキー大統領の訪日というサプライズがあり、G7広島サミットのボルテージが一気に上がりました。これまで何度も劇的なパフォーマンスを見せてきたゼレンスキーですが、ここでもまたサミットの主役の座を一気に奪うかような役者ぶりを見せました(良い意味で。その機会を提供した日本はその貢献を誇るべきでしょう)。
それにしても、G7サミットの本邦での主催は、数ある外交ロジの中でも最も難度が高いものですが、バイデンの日程変更からのクアッドの横滑り、そしてゼレンスキーの電撃的な参加と、極めてヘビーな予定変更が直前で相次ぎました。外務省や警察の関係者の苦労は大変なものだったでしょう。その尽力に敬意を表します。
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先週の動き
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5/14(日)
・ウクライナのゼレンスキー大統領がドイツを訪問(ショルツ首相と会談)
・ウクライナのマリャル国防次官がバフムトの北側と南側で10以上のロシア軍陣地を制圧したと表明
・トルコ大統領選挙・議会選挙(1位エルドアン大統領(49.5%)、2位クリチダルオールCHP党首(44.9%)、5/28に決選投票)
・タイ総選挙(1位前進党、2位タイ貢献党)
・ドイツのブレーメン州の議会選挙(1位SPD)
・アルメニア・アゼルバイジャン首脳会談(ブリュッセル)
5/15(月)
・ウクライナのゼレンスキー大統領が英国を訪問(スナク首相と会談)
・ロシア連邦保安局(FSB)が在ロシア米大使館の元職員ロベルト・ショノフをウラジオストクで拘束したと国営タス通信が報道
・イエレン財務長官が連邦議会の指導部に対して政府債務の上限問題に関する書簡を送付
・米国務省が21年版の「世界の信教の自由」に関する報告書を発表
・中国の李輝・ユーラシア担当特別代表がロシア、ウクライナ、ポーランド、フランス、ドイツを訪問
・中国江蘇省蘇州市の中級人民法院(地裁)が香港の永住権をもつ米国籍男性の梁成運氏にスパイ罪で無期懲役の判決
5/16(火)
・欧州評議会首脳会議(レイキャビク、~17日)
・英国とオランダがウクライナへのF-16戦闘機の供与を支援する「国際的な連合」の構築に向けて取り組みを進めているとの報道
・ロシアがキーウを含むウクライナ各地を極超音速ミサイル「キンジャール」等で攻撃
・ロシア下院が欧州通常戦力(CFE)条約を破棄する法案を可決
・ウクライナ検察当局が最高裁判所長官を収賄容疑で逮捕したと発表
・バイデン大統領、マッカーシー下院議長、シューマー民主党上院院内総務、マコーネル共和党上院院内総務、ジェフリーズ民主党下院院内総務が債務上限について協議
5/17(水)
・ロシアの23年1-3月期の実質GDP成長率の発表(前年同期比▲1.9%)
・ロシア、ウクライナ、トルコ、国連の穀物輸出の合意の延長をトルコが発表
・モンタナ州でTikTokの運営会社の事業を全面的に禁じる法律が成立
・中国・カザフスタン首脳会談(西安)
・台湾の国民党が24年総統選の候補に侯友宜・新北市長を選出
・豪州のアルバニージー首相が5月24日に予定されていた日米豪印(クアッド)首脳会合の中止を発表
5/18(木)
・日米首脳会談(広島市)
・日英首脳ワーキングディナー(同)
・日伊首脳会談(同)
・米・パプアニューギニア首脳電話会談
・中国・中央アジア5か国の首脳会議(西安、~19日)
・ロシア軍ウクライナ各地をミサイルとドローンで攻撃
・英国の地方選挙(北アイルランド)
5/19(金)
・G7広島サミット(広島市、~21日)
・日独、日仏、日・カナダ首脳会談(同)
・米国がロシアへの追加制裁を発表(300超の個人・団体を制裁対象に追加)
・アラブ連盟首脳会議(シリアのアサド大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領も出席)(ジェッダ)
・ウクライナのゼレンスキー大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(同)
・ロシア軍ウクライナ各地をミサイルとドローンで攻撃
・ロシアのショイグ国防相がウクライナのザポリージャ州の支配地域にある前線の司令部を視察したと国防省が発表
・ロシアが500人の米国人(オバマ元大統領を含む)の入国禁止を発表
・台湾の蔡英文総統と英国のトラス前首相が会談(台北)
5/20(土)
・ウクライナのゼレンスキー大統領が訪日
・ウクライナ・イタリア、英国、インド、フランス、ドイツ、EU首脳会談(広島市)
・日米豪印(クアッド)首脳会合(同)
・日印、日尼、日・ブラジル、日・クック諸島首脳会談(同)
・サリバン大統領補佐官がウクライナへのF-16戦闘機の供与を認める発言
・ワグネルがバフムトを完全に掌握したと発表(ウクライナは否定)
●G7広島サミット
G7サミットが広島市で開催されました。3日間の主要日程は以下のとおりです(最終日(21日)の結果は本稿執筆時点で最後まで確認できていません)。
19日(金)
・平和記念公園、原爆資料館、厳島神社訪問
1 世界経済(AI含む)
2 ウクライナ
3 インド太平洋、核軍縮・不拡散
20日(土)
4 グローバルサウス(パートナー)
5 経済安保
6 食料、保健、開発、ジェンダー※
7 気候変動、エネルギー、環境※
※招待国(豪州、ブラジル、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、クック諸島、コモロ、国際機関)も参加
21日(日)
・平和記念公園訪問※
8 ウクライナ※※
9 平和と安定※※
※招待国も参加
※※招待国とゼレンスキー大統領も参加
初日にG7首脳がそろって平和記念公園で献花を行い、原爆資料館を訪問。世界経済(AI含む)、ウクライナ、インド太平洋、核軍縮・不拡散という主要テーマについて議論が行われました。
ウクライナのセッションにはゼレンスキー大統領がオンライン参加する予定でしたが、この日に突然ゼレンスキーの訪日が発表。最終日に再びウクライナのセッションが設けられ、ゼレンスキーも参加して議論が行われることになりました(ゼレンスキー訪日については次項で詳しく述べます)。
首脳宣言は2日目が終わった時点で発表されました。ウクライナ、軍縮・不拡散、インド太平洋、世界経済・金融・持続可能な開発、気候変動、環境、エネルギー、クリーン・エネルギー、経済安保、貿易、食料、保健、労働、教育、デジタル、科学技術、ジェンダー、人権と民主主義、テロ、地域情勢という順に主要アジェンダの討議の結果がまとめられました。
また、核軍縮に関する広島ビジョン、ウクライナに関する首脳声明、クリーン・エネルギー経済行動計画、経済安保に関する首脳声明、食料安全保障に関する首脳声明、グローバル・インフラ投資パートナーシップに関するファクトシートという成果文書が採択されました。
2日目にはサイドラインでクアッド首脳会合も開催されました。当初はシドニーで予定されていましたが、バイデン大統領が豪州(とPNG)訪問をドタキャンしたため、急遽設定されたものです。
一方、同じタイミングに、中国は中央アジア5か国との初の対面式の首脳会議を西安で開催しました。またG7の首脳声明を「中国を中傷し攻撃するもの」として批判しました。
本稿執筆時点でまだサミットは閉幕していないのですが、現時点でのコメントを述べます(※メルマガで解説)。大きな動きや新たに判明した事実があれば、次回以降の記事で補足します。
●ゼレンスキーの訪日
前項で述べたとおり、ゼレンスキー大統領が電撃的に広島を訪問、G7サミットに参加しました。19日にサウジのジェッダでアラブ連盟首脳会議に参加した後、フランスの政府専用機で広島に直行しました。
20日に到着すると、すぐにイタリア、英国、インド、フランス、ドイツ、EUの首脳と立て続けに会談。21日にはウクライナのセッションに参加し、米国、日本、インドネシア、ブラジルと会談する見通しです(本稿執筆時点で未確認)。
ゼレンスキーが到着するタイミングで、サリバン大統領補佐官がウクライナへのF-16戦闘機の供与を認める発言をしました(各国首脳に対してウクライナ軍パイロットに対するF-16の訓練計画を承認したと表明)。
ゼレンスキーの登場はG7サミットに大きなインパクトを与えました。今回の訪日の意義を解説します。サウジ訪問と今後の反転攻勢の展望についてもコメントします(※メルマガで解説)。
●トルコ大統領選挙
トルコ大統領選の結果は以下のとおりでした。エルドアン大統領は野党CHPのクリチダルオール党首に5ポイント近くの差をつけて勝利しましたが、過半数には至らず、5月28日の決選投票に進むことになりました。
1位 エルドアン 49.5%
2位 クリチダルオール 44.9%
3位 シナン・オアン 5.2%
議会選では、与党AKPは議席を減らしたものの、連立与党のMHP(極右)とYRP(イスラム政党、新党)が議席を伸ばし、与党連合は過半数を確保しました。
大統領選の結果は本メルマガが予想したとおりでした(以下の記事参照)。多くのメディアや有識者はクリチダルオール有利と予想してきましたが、本メルマガは一貫して(地震前から、地震後も)エルドアンの勝利を予想してきました。
・「トルコ大統領選挙」(5/15)
一方、議会選の結果は予想と異なり、サプライズとなりました。この結果は決選投票に向けて大きな意味をもちます。
今回の結果とその後の動きを踏まえ、決選投票の展望とその後の新政権の政策について解説します(※メルマガで解説)。
※米債務上限をめぐる交渉とタイ総選挙については追って別稿で解説します。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ ザ・ディプロマット(Netflix)
Netflixドラマ『ザ・ディプロマット』のシーズン1を見終わりました(シーズン2は未公開)。
いや、これはなかなか面白かったです・・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
さて、グッチーポスト毎年恒例の「超大盛りの瓶詰め生うに」のシーズンがやってきました!
このうにの画像をみると、そろそろ夏がやってくる!という気分になりますね。最近の暑さは、すでに夏本番のようですが・・(笑)。
今年は完全にアフターコロナの夏が楽しめますね。私も今から計画を考えたいと思います。
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