2023/04/17 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(4/16~22)米機密文書の流出、マクロンの台湾発言とベーアボックの訪中、ルーラの訪中
岸田首相が和歌山市の漁港で演説する直前に爆発物が投げ込まれたことには驚かされました。安倍元首相の銃撃事件が頭をよぎりましたが、まずは首相は無事、被害もなかったことは何よりでした。
それにしても、SPの対応は迅速だったとはいえ(容疑者の取り押さえに協力した漁師の方も)、あれだけの危険の接近を許してしまうのはどうなのでしょう。街頭演説については永田町ディープスロートさんが詳しく書いてくれていますので、ぜひご覧下さい。
G7広島サミットを目前に控えるタイミングでもあり、要人警護の体制はさらに緊張感をもって準備されるでしょう。こうした一連の政治テロで日本の安全状況がどれほど変わったといえるかはまだ分かりませんが、それにしても米国やブラジルでの事件もあり、民主主義と暴力の問題はすでに世界情勢における重要テーマになっているとはいえるでしょう。
先週お知らせしたグッチーポストのフェイスブックには、たくさんのフォローやいいねをいただきました。ありがたいことです。これから様々な新しい企画を考えていますので、ご期待下さい。
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先週の動き
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4/10(月)
・米国防総省が機密文書のSNS上での流出は米国の国家安全保障上の深刻なリスクを生じさせるとの見解を表明
・米国務省がロシアによるガーシュコビッチ記者の拘束を「不当な拘束」と認定
・米海軍のミサイル駆逐艦「ミリウス」が南シナ海の南沙諸島周辺の海域で「航行の自由作戦」を実施
・米印空軍合同軍事演習「コープ・インディア」(インド、~21日)
・米国で新型コロナウイルス対策の国家非常事態宣言を終了させる法律が成立
・中国山東省の裁判所が著名人権活動家の許志永に国家政権転覆罪で懲役14年の実刑判決
・ベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアのショイグ国防相が会談(ミンスク)
・IMF・世銀春季総会(ワシントンDC、~16日)
・日中高級事務レベル海洋協議(東京)
4/11(火)
・サリバン大統領補佐官とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が電話会談
・米比外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(ワシントンDC)
・米比合同軍事演習「バリカタン」(フィリピン、~28日)
4/12(水)
・米英首脳会談(ベルファスト)
・米財務省がロシア制裁回避に関与したとして20か国以上の120以上の団体に対する制裁を発表
・オースティン国防長官とウクライナのシュミハリ首相が会談(ワシントンDC)
・米共和党のティム・スコット上院議員が24年大統領選の出馬の準備委員会の立ち上げを発表
・中国商務省が台湾の対中輸入規制の調査の開始を発表
・台湾の民進党の中央執行委員会(頼清徳主席を総統選の候補に選出)
・G7財務相・中銀総裁会議(ワシントンDC)
・G20財務相・中銀総裁会議(同、~13日)
・シリア・サウジ外相会談(ジェッダ)
4/13(木)
・米・アイルランド首脳会談(ダブリン)
・イエレン財務長官とウクライナのシュミハリ首相が会談(ワシントンDC)
・米FBIがマサチューセッツ州の空軍州兵ジャック・テシェイラを米国の機密文書を流出させた容疑で逮捕(司法省はスパイ防止法違反等の容疑で起訴)
・トランプ前大統領がNY州司法長官の事務所でトランプ・オーガニゼーションの資産価値の虚偽申告の容疑の事件について宣誓証言
・ロシア、中国、イラン、パキスタンのアフガニスタン情勢に関する外相会議(サマルカンド)
・中ロ外相会談(同)
・ドイツ国防省がポーランドによるウクライナへのMig-29戦闘機5機の供与を承認したと発表
・北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射
4/14(金)
・中・ブラジル首脳会談(北京)
・中独外相会談(同)
・ロシア軍がウクライナのスラビャンスクをミサイルで攻撃
・ロシアの極東の太平洋艦隊が大規模な演習を開始したとショイグ国防相が発表
・湾岸協力会議(GCC)、イラク、ヨルダン、エジプトの外相会議(ジェッダ)
・モンタナ州議会が同州でのTikTokの事業を禁止する法案を可決
・全米ライフル協会(NRA)の年次総会(インディアナポリス、~16日)
4/15(土)
・北朝鮮の太陽節(故金日成の誕生日)
・G7気候・エネルギー・環境相会合(札幌、~16日)
・スーダン軍と民兵組織「即応支援部隊(RSF)」が衝突
●米国の機密文書の流出
先週末、米国防総省の100以上の機密スライドや説明資料が1月中旬以降にソーシャルメディアを通じて流出したとメディアが報じました。当初はその真偽は定かではなかったのですが、4月10日、国防総省は国家安全保障上の非常に深刻なリスクが生じつつあるとの見解を表明し、FBIも捜査を開始したことで、機密文書の流出が事実であることが明らかになりました。
そしてFBIはマサチューセッツ州の空軍州兵ジャック・テシェイラを容疑者として逮捕。司法省はスパイ防止法違反等の容疑で起訴しました。
流出した機密文書は、ロシアのウクライナ侵攻に関する分析を主な内容としていますが、ロシア軍やウクライナ軍の状況のほか、中国や同盟国の動向なども含まれており、大きな波紋を広げています。
本件は近年稀に見るレベルの機密文書の流出であり、ロシア・ウクライナ戦争や米国と同盟国との関係、バイデン政権の情報管理など様々な分野に波及する可能性があります。まだどれだけの広がりを見せるか分からないところもありますが、現時点でのポイントを述べます(※メルマガで解説)。
●マクロンの台湾発言とベーアボックの訪中
フランスのマクロン大統領の訪中については前回の記事(以下のリンク参照)で解説しましたが、マクロンは訪問中、仏紙レゼコーと米政治専門サイト「ポリティコ」の共同インタビューに応じ、欧州は米中対立において独自の路線をいくべきである、特に台湾問題において「アメリカのリズムと中国の過剰反応」に巻き込まれてはならないと述べたことが波紋を呼びました。
・「マクロンとフォンデアライエンの訪中」(4/10)
中国が台湾海峡において緊張を高めようとする中で、台湾問題から距離を置くかのようなマクロンの発言は米欧の政治家やメディアから批判されました。これを受けマクロンは、オランダのルッテ首相との会談後の記者会見で、「一つの中国政策と平和的解決の模索」を支持する、台湾の「現状維持」を支持しており、「同盟国であることは属国であることを意味しないということだ」と述べ、釈明しつつ、あらためて自らの立場を擁護しました。
その後先週には、ドイツのベーアボック外相が中国を訪問し、秦剛外相らと会談しました。ベーアボックは記者会見で、台湾情勢について、「一方的な暴力による現状変更は欧州人にとって受け入れがたい」と述べ、ロシアのウクライナ侵攻については「あすにも戦争を終わらせられる」として、中国が停戦に向けて働きかけるよう求めました。
マクロンの発言とベーアボックの訪中の意義、今後に与える影響について解説します(※メルマガで解説)。
●ルーラの訪中
ブラジルのルーラ大統領が中国を訪問しました。もともとは3月に予定していましたが、インフルエンザに感染し肺炎を発症したことで延期され、今回実現したものです。
ルーラは習近平国家主席と会談し、最大の貿易相手国である中国との関係のさらなる強化、インフラ分野を中心とする中国からの投資の促進を図ること、ロシア・ウクライナ戦争について「対話と交渉」で解決することの重要性など一致しました。
ルーラは新開発銀行(BRICS銀行)の総裁に就任したルセフ元大統領、閣僚、州知事、連邦議会議員、ビジネスリーダー240人らを引き連れ、民間企業の会談も数多く実現しました。また、ファーウェイの工場を見学し、ブラジルに製造拠点がある中国の大手EV企業BYDのトップとも会談しました。
今回のルーラの訪中の意義と中国・ブラジル関係の今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ 台湾のクマがプーさんをパンチ 空軍操縦士着用のワッペンが話題に(4月11日付AFP)
これは、ただのくまのプーさん以上に、とても中国では見せられない画像ですね・・(苦笑)(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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