2021/03/19 05:00 | 日本 | コメント(1)
クアッドとインド太平洋
■ 日米豪印首脳テレビ会議(3月13日付外務省)
■ Opinion: Our four nations are committed to a free, open, secure and prosperous Indo-Pacific region(3月14日付The Washington Post)
日米豪印(クアッド)の初めての首脳会合がオンライン形式で開催され、バイデン大統領、モディ首相、モリソン首相、菅首相の4首脳が出席しました。
会合後に発表された共同声明では、4首脳は「自由で開かれたインド太平洋のための共通のビジョンの下で結束し」「自由で開かれ、包摂的で健全であり、民主的価値に支えられ、威圧によって制約されることのない地域のために尽力する」と宣言し、新型コロナウイルス、気候変動、安全保障上の課題への対応を共通の目標と定めました。そして「ワクチン専門家作業部会」「気候変動作業部会」「重要・新興技術作業部会」の発足が表明されました。
首脳会合は少なくとも年1回開催すること、今年中に対面の会議を開催することで合意しました。対面の首脳会合は、6月の英国でのG7サミットの機会に実現する可能性があります。
また、会合後、4か国の首脳の連名で、「我々4か国は自由で開かれ、安全で繁栄したインド太平洋にコミットする」というオピニオンがワシントン・ポストに寄稿されました。日米を含む首脳が、このように共同で会合の成果をメディアに寄稿してアピールする例は、私が知る限り、過去にありません。極めて異例です。内容は共同声明に沿ったものですが、4首脳は「自由で開かれ、強靭で、包摂的なインド太平洋のための共通のビジョンに再びコミットする」として、最後に、「そして、さらにもう一度、自由で開かれた、安全で繁栄したインド太平洋地域に再びコミットする」と念押ししました。何回コミットするんだ、というぐらいのくどさです(笑)。
ここで繰り返し述べられた「(自由で開かれた)インド太平洋」は、近年、日米を筆頭に、今回の4か国、そしてASEANやドイツ、フランスなど、多くの国々が強調するようになったコンセプトです。中国の反発や、かつてはバイデン政権がこの構想を継承するのかという議論もあり、メディア上でも大いに注目を集めてきました。一方、その意味するところは必ずしも明確ではなく、各国の思惑も異なるように見えます。
それだけに、外交問題や国際関係の研究者は、様々な見方を提示しており、ホットなテーマになっています。しかし、外交構想という抽象度の高さもあり、読者の方々にはなかなか問題の所在やその実体的な影響がイメージしにくいと思います。そこで、本日は、インド太平洋とクアッドの意義について、これまでの経緯と今後の展望を含め、私なりの言葉で、コンパクトに説明したいと思います。
なお、クアッドの後に開催された日米と米韓の2+2については、米中外相級会談含め、来週解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。
***********
クアッドとインド太平洋
***********
●「クアッド」
●「インド太平洋」
●民主国家のコアリション
***********
あとがき
***********
■ 存命の4人の元米大統領、ワクチン接種促すCM出演 トランプ氏は出ず(3月12日付CNN)
■ トランプ前大統領、国民にワクチン接種を呼び掛け(3月17日付CNN)
カーター、クリントン、ブッシュ、オバマの4人の元大統領夫妻がワクチン接種を呼びかける広告動画に出演しました。
96歳のカーターは最後に静止画で登場し、「Now it’s up to you.」のメッセージで締めくくります。胸が熱くなります。
しかし、前大統領の姿はないですね・・と思ったら、トランプ氏も、Foxのインタビューで、ワクチン接種を呼びかけました。
まあ、自分も接種を受けていましたし、接種を勧めるのは良いことですが、それにしても4人の元大統領と一緒にCMに出るのは嫌だったのでしょうね。気持ちは分かりますが・・。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
One comment on “クアッドとインド太平洋”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
深い示唆と考察に富んだメルマガ。もはや、メルマガというカジュアルなものではなく、1つの文献のような・・・。
2回ほど読みましたが、きっとまだまだ理解できていないところがあるような気がします。また、週末に読んでみます。きっと発見があるはず。
しかし、この複雑な国際情勢、国際関係においてやはり状況と考え方の枠組みをアップデートしてメンテナンスすることは大切。そういったことができる記事ですね。