プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2020/10/20 05:00  | 米国 |  コメント(1)

米大統領選まで2週間


【米大統領選2020】 2人別々の対話集会で違い鮮明、トランプ氏は陰謀論否定せず(10月16日付BBC)
米大衆紙のバイデン親子記事、SNSが表示制限 ツイッターCEOは自社対応批判(10月16日付BBC)
Smoking-gun email reveals how Hunter Biden introduced Ukrainian businessman to VP dad(10月14日付NY Post)
Emails reveal how Hunter Biden tried to cash in big on behalf of family with Chinese firm(10月15日付NY Post)

11月3日の米大統領選までちょうど2週間になりました。トランプ大統領とバイデン前副大統領は、連日激戦州(トランプはフロリダ、ペンシルバニア、アイオワ、ノースカロライナ、ジョージア、ミシガン、ウィスコンシン、バイデンはオハイオ、フロリダ、ペンシルバニア、ミシガン)を訪問し、最後の追い込みをかけています。

10月15日に予定されていた第2回テレビ討論会は中止になりましたが、トランプはマイアミでNBC主催のタウンホール集会(司会はサバンナ・ガスリー)、バイデンはフィラデルフィアでABC主催のタウンホール集会に参加(司会はジョージ・ステファノポロス)。同じタイミングに違う番組でそれぞれテレビに登場するという異例の「対決」になりました。

また、ハンター・バイデンが役員を務めていたウクライナのガス会社「ブリスマ」の幹部にバイデンが会っていたことを示唆する証拠(ブリスマの幹部がハンターに対し面会のアレンジに謝意を述べているメール)が見つかったとタブロイド紙のNYポストが報道。バイデン陣営は面会の事実を否定していますが、新たなる「オクトーバー・サプライズ」になりました。

NYポストはその後も報道を続け、ハンターが中国企業と取引を行っており、バイデンも関与していたことを示唆する証拠があったとも報じています。

また、フェイスブックとツイッターはNYポストの記事の表示を制限しました。ツイッターは記事を引用したアカウントも凍結。トランプと共和党議員はこれらの措置を批判し、上院司法委員会はツイッターのジャック・ドーシーCEOの喚問を検討すると発表しました。

その後、ツイッターは、表示制限の理由は個人情報とハッキングによって得られた情報が含まれていたためと説明し、ドーシーは、理由もなく制限をかけたのは間違っていたと述べました。ツイッターの表示制限は撤回されています。

これらの動きを踏まえ、大統領選の最新の展望について解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。

***********
米大統領選まで2週間
***********

●世論調査の動向
●トランプとバイデンのタウンホール対決
●ハンター・バイデン問題の再浮上
●事前投票の動向

***********
あとがき
***********

バイデンのタウンホールについて、トランプ陣営の選挙アドバイザーが「ミスター・ロジャース」のようだったとツイートしたことが話題になりました。

ミスター・ロジャースことフレッド・ロジャース(2003年に死去)は、子供番組『Mister Rogers’ Neighborhood』(1968年~2001年に放映)の司会者です。「退屈」とか「偽善」と言いたかったようですが、ロジャースは米国では誰からも愛される、思慮、品性、良心の象徴的存在なので、かえって賛辞となっていると指摘されました。なおロジャースは聖職者でもあり、共和党員でした。

ニクソン政権時代に上院通信委員会で証言し、PBS(公共放送)への資金供与カットを止めさせたことは有名です。6分間の証言で、強面のパストーレ委員長は感動し、「(この証言で)貴方は2000万ドル獲得したようだ」と述べました。

今年8月には、トム・ハンクスがロジャースを演じた『幸せへのまわり道』という映画が公開されました。私は未見ですが、非常に高い評価を得たと聞いています。今なおロジャースの存在感が大きいことを感じさせます。

案の定というか、バイデン支持のスーパーPACが早速ミスター・ロジャースをもじった選挙広告(Joe Biden’s Neighborhood)を制作しました。仕事が早いですね・・(笑)。

それにしても、米国を代表する偉大なキャラクターがトランプ・ワールドでは「偽善」「邪悪」になるという・・トランプ支持者はリベラルの歴史の再評価を「キャンセル・カルチャー」と呼んで批判していますが、こちらはこちらで歴史の再評価があるようです。「文化戦争」の複雑さを実感させます。

なお、先週末のサタデー・ナイト・ライブは、トランプとバイデンのタウンホール対決をパロディにしていました。ジム・キャリー扮するバイデンは、やはり最後はミスター・ロジャースになって締めくくっていました。

メルマガ「世界情勢ブリーフィング」を購読するためにはご登録のお手続きが必要です。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

One comment on “米大統領選まで2週間
  1. KB より
    カウントダウン

    そこまで形成逆転するわけでないとは言われても、やはりメディアに出てくる二人や、討論会は気になります。
    「マーケットはトランプ再選を疑わない」というような論評や雰囲気もありますが、こうして丁寧に見ていくと、非常に拮抗しており、また今年特有の不透明要因が満載でそれによって、マーケットの思惑とは、ズレているとも感じます。
    こうなってくると、その界隈にとって「想定外」が起きた時が一番ヤバイ、ということなのでしょうか。メルマガはそういった意味で「鳥の目」で状況を俯瞰できるので、とてもありがたく思っております。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。