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2020/03/10 05:00  | 米国 |  コメント(2)

米大統領予備選挙(スーパーチューズデー、ミシガン)


Super Tuesday: Live Primary Election Results(The New York Times)

スーパーチューズデーは史上稀に見るドラマチックな展開を迎えました。選挙直前に穏健派が一斉にバイデン支持を表明。それに呼応するかのように有権者の投票がバイデンに集中し、誰もが予想しなかった逆転劇が生まれました。

バイデンは、テキサス、ノースカロライナ、バージニア、アラバマ、アーカンソー、オクラホマ、テネシーの南部7州、それにマサチューセッツ、メイン、ミネソタを制し、合計10州で勝利。

一方、サンダースは、カリフォルニア、バーモント(地元)、コロラド、ユタの4州で勝利。ブルームバーグは米領サモアでのみ勝利し、ウォーレンは地元マサチューセッツですら勝てず、全敗しました。

現時点での4候補のスーパーチューズデーでの得票数と代議員数は以下のとおりです。括弧内は累積代議員数です。

1位 バイデン    4,872,740  574(628)
2位 サンダース   4,065,249  485(545)
3位 ウォーレン   1,830,829  37(45)
4位 ブルームバーグ 1,816,010  23(23)

5つの大規模州における得票率と代議員数は以下のとおりです。

カリフォルニア(415)
 ・サンダース   33.8% 185
 ・バイデン    26.5% 143
 ・ブルームバーグ 13.5% 0
 ・ウォーレン   12.8% 5

テキサス(228)
 ・バイデン    34.5% 102
 ・サンダース   30%  90
 ・ブルームバーグ 14.4% 7
 ・ウォーレン   11.4% 5

ノースカロライナ(110)
 ・バイデン    43%  61
 ・サンダース   24.1% 32
 ・ブルームバーグ 13%  0
 ・ウォーレン   10.5% 0

バージニア(99)
 ・バイデン    53.3% 66
 ・サンダース   23.1% 30
 ・ウォーレン   10.8% 1
 ・ブルームバーグ 9.7%  0

マサチューセッツ(91)
 ・バイデン    33.5% 32
 ・サンダース   26.6% 27
 ・ウォーレン   21.5% 17
 ・ブルームバーグ 11.8% 0

その他の9州の主な結果は以下のとおりです。

アラバマ   バイデン  63.2% サンダース 16.6%
アーカンソー バイデン  40.5% サンダース 22.4%
コロラド   サンダース 36.5% バイデン  24.5%
メイン    バイデン  34%  サンダース 32.9%
ミネソタ   バイデン  38.6% サンダース 29.9%
オクラホマ  バイデン  38.7% サンダース 25.4%
テネシー   バイデン  41.7% サンダース 25%
ユタ     サンダース 34.8% バイデン  18%
バーモント  サンダース 50.7% バイデン  22%

予備選の風景は一夜で一変しました。サンダースが「フロントランナー」の地位を確立するかと思いきや、逆にバイデンがサンダースを抜き去り、追う者と追われる者の立場が逆転しました。

スーパーチューズデーの後、ブルームバーグとウォーレンが撤退を表明。ブルームバーグはバイデン支持を表明しましたが、ウォーレンはいずれの候補への支持も見送りました。これにより「バイデン対サンダース」の一騎打ちの構図が固まりました。

さらに、18年中間選挙で共和党候補を破ったミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事と予備選から撤退したカマラ・ハリス上院議員がバイデン支持を表明しました。

本日は、スーパーチューズデーの評価と今後の展望について解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。

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米大統領予備選挙(スーパーチューズデー、ミシガン)
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●バイデンと連合軍の勝利
●サンダースの限界
●ブルームバーグの撤退
●ウォーレンの撤退
●ミシガンの展望
●党大会への道
●本選の見通し

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あとがき
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新型コロナ、「ニュー」ではない意外な英語名(3月3日付日経新聞)

上記記事には「the coronavirus」と定冠詞をつければ今回のコロナウイルスを指すと書かれています。コロナウイルスには色々あり、今回のウイルスの正式名称は「2019-nCOV」なのですが(「n」は「novel」)、今問題になっているのがこのウイルスであることは自明なので、単に「the」とつければ足りる、という話です。

ところで、「COVID-19」(これはウイルスではなく感染症を指します)には定冠詞をつけません。これはアクロニム(頭字語)で「コヴィッド」とそのまま読むケースだからです。

「COVID」のようにアクロニムをそのまま読むケースでは、定冠詞をつけずにそのまま単語だけを書きます。「NATO」(ナトー)、「OPEC」(オペック)などです。一方、「IAEA」(アイエーイーエー)のようにアルファベット読みの場合は定冠詞をつけて「the IAEA」となります。

念のため述べると、アクロニムの元となる単語には定冠詞をつけます。たとえばNATOであれば「the North Atlantic Treaty Organization」と定冠詞をつけて書きます。しかし、これを「NATO」とすると定冠詞は不要になるのです。

なお外務省は「MOFA」(Ministry of Foreign Affairs)と言いますが、普通「モファ」と読むので定冠詞をつけません。しかし、「the MOFA」と書かれた文章をたまに見かけることがあります。これは「エムオーエフエー」とアルファベット読みをする人もいるからだと思います。「MOF」「METI」も同様です。

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2 comments on “米大統領予備選挙(スーパーチューズデー、ミシガン)
  1. KB より
    ありがとうございます

    質問へのご回答だけでなく、「バイデン連合の成り立ち」はとても、とても興味深く拝読しました。
    失言とはまた違う、バイデン語録の数々ですが、バイデンをトップに据えこういった布陣が確立されたら、新たな米国政治が展開していきそうで、またエキサイティングでした。バイデン、サンダース、トランプ、70代トリオの動静に釘付けです。
    細かい足元の情報のアップデートだけでなく、米国政治全体の大きな流れを俯瞰した視点が常に示されていて、興味を刺激されます。

  2. china より
    ミシガン決戦

    長年米国政治を見てこられたJDさんをしても、「ドラマチック」だったと言わしめた今回の展開は、やはり本当に凄かったのですね。私は大統領選をまともにウォッチするのが初めてなので過去との比較はできないのですが、そんな経験値の浅い私が見ていてもドラマ以上にドラマチックで、本当、ジム・クライバーンの支持表明スピーチ「I know Joe. We know Joe. But most importantly, Joe knows us」を聞いた時は、選挙に無関係な人間にも関わらず、ひとり胸を熱くしておりました。やはり彼のエンドーズ辺りから、大きく流れが変わり始めたように感じますし、サウスカロライナ後の中道派の一致団結ぶりは私もワクワクを通り越して感動すら覚えました。

    今回のバイデンの一連の勝利、そしてこのドラマチックな展開、私は何気にブルームバーグが多大な貢献をしてくれたのではないかと感じています。ブルームバーグには悪いですが、彼が討論会で心もとないパフォーマンス及び弱点を見せてくれたおかげで、彼ではトランプを倒せないのではないか、やはりバイデンなのではないか、という有権者の心理変化が起きたのでは・・と思うからです。スーパーチューズデーの出口調査の結果からも、やはり「トランプを倒せる候補者」という項目が強く意識されていたことが伺えますし、その流れの起点となったブルームバーグは陰の立役者だと思います。またウォーレンがいてくれたことで、マサチューセッツ、ミネソタ、テキサス辺りでサンダースの票が割れたように思えるので、彼女もまたバイデンの大勝利に貢献した一人であるような気がします。そしてドラマ性という部分で言うと、序盤2州で華々しい活躍を見せてくれたブティジェッジは、「苦戦するバイデン」の演出に一役買ってくれましたし、序盤での苦戦を見ていたからこそサウスカロライナでの復活劇が、これまでにないほどの感動を生み出してくれたのではないかと思います。色んな人や要素が複雑・繊細に絡み合い、ここぞというポイントで見事にスパークしてくれたなという印象です。

    本日は超重要州ミシガンという事で、またまた楽しみです。事前の世論調査ではバイデンがリードしていますが、2016年のヒラリー対サンダースの時もそうだったんですよね。直前の世論調査でヒラリーは平均20%近くもサンダースをリードしていたのに、当日は接戦の末に惜敗しているので、数字が出ていても油断はできないな・・と思いつつ、ワクワクドキドキしております。(もちろん2016の惜敗にはヒラリー特有の原因があるのでしょうけれど・・。)サンダースはスーパーチューズデー後、ミシガン攻略に力を注いでいたようですね。2016年には華麗なる逆転勝利を収めた州ということで良いイメージがあるのでしょうし、ここで劇的に勝利し、サウスカロライナにおけるバイデンのようなターニングポイントを作りたい・・と考えているのかもしれませんね。ミニ・スーパー・チューズデー、楽しみです。

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