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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/08/15 05:00  | 米国 |  コメント(10)

米国の銃規制をめぐる議論(銃乱射事件、ヘイトクライム、国内テロ)

銃規制反対のNRA説得は可能、トランプ氏「関係良好」(8月9日付ロイター)
民主党候補バイデン氏、大統領選勝利なら「アサルト銃」を禁止へ(8月13日付CNN)

テキサスとオハイオでの銃乱射事件を受けて、トランプ大統領は、銃購入者のバックグラウンドチェックを強化する法案を成立させると発言。全米ライフル協会(NRA)の説得は可能で、共和党の銃規制擁護派の協力も期待できる、マコーネル上院院内総務も乗り気だ、と述べています。

米国の銃規制問題は、日本人にはなじみがなく、分かりにくい問題です。これだけ銃乱射事件が起こっているのに、なぜ銃規制は進まず、銃は増え続けるのか。トランプ政権において銃規制は進展するのか。最新の状況に照らして解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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米国の銃規制をめぐる議論(銃乱射事件、ヘイトクライム、国内テロ)
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●NRAの影響力
●銃をめぐる「文化戦争」
●ヘイトクライムと「国内テロ」

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あとがき
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「表現の不自由展・その後」について津田大介芸術監督が会見を行った際に配布したステートメントです(8月2日付あいちトリエンナーレ2019)

展示の内容の評価についてはさておき、こういった芸術・文化イベントには、国や地方公共団体が資金援助や後援を行うことがよくありますが、その際に条件を付けたり、何がしかの干渉を行うことが表現の自由の侵害にあたらないか、という論点は、現代憲法学における重要テーマの一つです。

報道やネットでの議論を見ていると、「表現の自由だからすべて認めるべきだ」「公金が出ているのなら制限できるのが当然だ」といういずれかの主張で終わっているものがほとんどですが、そう単純なものではありません。

この論点がややこしいのは、援助というプラスの行為(国家による自由)がベースにあって、それを言わばゼロに戻すものに過ぎないという点です。このため、伝統的な表現の自由の制限、つまり出版の差止め、デモ規制といったマイナスの行為(国家からの自由)とは同列に論じ得ないのです。

フランスの哲学者ミシェル・フーコーは、「近代」の「権力」は、暴力のようなハードな手段で人々を抑え込むのではなく、人々の生活に積極的に介入し、人々の思考を内部から規律付けることに特徴があるとして、これを「生-権力(bio‐pouvoir)」と名付けました。

ハードな手段で抑え込むのではなく、援助を行い、その条件付けや制限を通じて支配を実現するのは、まさにその典型例といえます。自由は拡大されているようで、実は管理されている・・これがフーコーが明らかにした近代国家の統治性(Gouvernementalité)です。それは国家の社会化・積極化・巨大化が進行を続ける現代において、さらに重要性を増しています。

日本の憲法学においても、フーコーの知的成果を活用しつつ、様々なアプローチがなされています。最先端の分野ということもあり、これがスタンダードという説明をすることは難しいのですが、有用な判断基準として考えられるのは、公的支援がなければ他に表現の可能性はないのか、公的支援が対象にお墨付きを与える(エンドース)危険はないか、平等原則との関係はどうか、その判断は中立的になされているか(行政から離れた専門家(本件では学芸員など)を介在させるなど)です。

あとは個別具体的な判断ですが、今回のケースは、そのまま憲法学の試験問題に使えるほど複雑で、微妙です。支援打ち切りが合憲とされる余地は十分にありそうです。

さて、展示の内容について個人的な印象を言えば、アートとしての価値を感じませんでした。挑戦心は感じますが、美的センスや成熟した知性(ユーモア含む)が欠けていたように思います。要するに作品として面白くない、ということです。

最後に、「表現の不自由展」は全体が中止になったようですが(ウェブサイトの説明がとても分かりにくいです)、展示内容を見たら、私が好きなホドロフスキー監督の展示もあったようです。他の展示作品もすべて取りやめになったとしたら、気の毒ですね。

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10 comments on “米国の銃規制をめぐる議論(銃乱射事件、ヘイトクライム、国内テロ)
  1. KB より:
    考えたくなるテーマ

    まさか、JDさんが銃の恐ろしさを身をもってご存じだったとは・・・言いようのない恐怖ですね。
    メルマガを読む前には、バックグラウンドチェックが抑止力となればいいと思っていたのですが、NRAを支える人や銃推進派、「文化戦争」について理解が進むと、興味深い反面、その複雑さに悩ましいおもいです。政治の奥深さを改めて痛感しました。
    あとがきの話もそうですが、「本質」が何かを理解することはとても大切ですが、難しいですね。これからもこういった「考えたくなるテーマ」を沢山投げかけてください。

  2. 健太 より:
    憲法

    健太も憲法教育(?)を受けたがそれは戦前の軍国教育(?)の憲法版に過ぎない。どちらも国民の庶民生活にねずかず、大きな変動がくれば誰も捨てるものに過ぎない。イスラム教徒が豚肉を食べないが、大きな変動が来ても彼らはそれを守る。そのようなものを我々は確かに持っているが意識していないと思う。少なくとも憲法はそのようなものではない。もともと憲法は国の行動規範に過ぎず、国民は結果としてそれを間接的に適用される。つまり国が国民に介入する原則を定めて、規制されるのは国に過ぎない。
     その昔憲法全文を読んだが、理解できなかった。その後知人の民事におぴて、弁護士に説明してくれというから説明したがその弁護士は自然科学的思考ができず、さっぱり理解しなかった。特にシステムの説明は理解しなかった。かえるとき、弁護士ってあんなんと聞くと、知人は笑った。その民事において知人はどうも民事そのものではなくその民事における結果がその後何かに大きな影響を与えるから,したに過ぎないと後で思って、油断のできないやつだと思った。
     弁護士は司法試験を通過しても大半は使い物にならないとその後いろいろ考えて、思った。実際に10人に一人くらいではないかと思っている。嫌がらせの手管は知っているが民事に勝つ手管はあまり持っていないではと思う。知人が言うには自分で何とか解決できると思ったら弁護士を使う、できないと思ったらやめたほうがいいといった。
     今回大村知事が憲法20条でしたか、これに違反するというが実際は大きく違う。彼は自分の目的が先にあって、それに対して憲法を持ち出してエキスキューズにしているに過ぎない。企画展に公金が支出されていることが問題です。例えば反政府運動に公金を出すか?展示内容についてはいろいろあるが、それに等しいものがあると思う。問題は
    第八十九条
    公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

    これに違反していると思うからで、政府、自治体はいろいろな分野で明快にこの条文に違反している。法的にクリアしていると主張するがそれは方便に過ぎない。私立学校に税金を出すことは明快に憲法違反です。これは戦前軍部が憲法を無視して進んだことと同じ現象で、戦前は結局は軍事予算が出なくなるまで(敗戦)我が国はそれの始末ができなかった。今回も同じ結果になると思うがその敗戦の形はどのようになるかは分らない。とにかく日本の政府、自治体はは憲法など適当に扱っているに過ぎない。ずるいと思う。

    20条は企画側が県設備を借りる申請を出したとき拒否はできないに過ぎない。それなら大村知事が言うことは正しいが今回はそれ自体に県の金を出している、そのお金の向こうに県民がいるという意識はなくその弁明はまるで、南朝鮮の大統領や外務大臣が持つ精神にそっくりといいうより同じでしょう。最大の問題はそこですが、東大法学部を出た、落ちこぼれでしょう。いろいろ経験したが日本は法治国家ではなく、妙なものが支配している。
     法というものを知っている人は少ないが掟をしっている人や組織体における上層部の判断を仰ぐというセンスはみな持っており、法そのものの直面して行動するということはできない。皆が思ている上層部は本当にあるのか?ここが天皇に象徴される、我が国に姿と人の生き方です。
     しかし南朝鮮は戦争でないと解決ができないが我が国政府はどのような判断をしているか?個人的に、周りの人には準備をせよとは言っている。皆笑っているる。その準備もできないひとばかりだから、まさしく平和国家ということだが、将来の破綻が来るとはみな思っていない。

     アメリカは外国が本土に来れば銃を持て皆が戦うが我が国は違う。この恐ろしさを理解しないことを海という天然の障壁に頼っている。それはもうない。

     戦争なんて神様が起こすと思わないと対処はできない。そして神は何をするかわからない。早い段階の小さな戦争で外交問題を解決する人が優れた政治家ですが、今の日韓関係はどんどん大きくしていく方法をとっている。戦争の神様が、何故か大きな戦争を望んでいる。

     今回の北のミサイルの写真を見たが、あれは西側のそれで、組み立てたものではないか?一大事です。

  3. 那須の山奥の兄ちゃん より:
    質問です

    為替操作国の件、ありがとうございます
    とても明快でわかりやすかったです

    質問になりますが
    印パの関係はわかるのですが

    中国とパキスタンは一帯一路構想の関係性
    米印の関係はカシミールの関係性

    パキスタンの裏にはイランがあり
    なんだか
    関係性がさっぱり理解できません

    この南アジアで
    米中は敵対しているのか
    良好なのか

    なんだかさっぱりわからないので
    カシミールの記事もイマイチ理解できません。

    水平線の関係がさっぱり理解ができない状態です
    時間のあるときにお願いいたします。

  4. KB より:
    度重なる危機

    本編とは関連がなく恐縮ですが。世界中大荒れで、ちっともお休みモードじゃないですね(苦笑)
    昨年の期待もむなしく、マクリ大統領は大苦戦で、アルゼンチン債利回りは過去最高に急騰、ペソは急落・・・。過去助けてくれたIMFはもう助けてくれないのでしょうか?
    なぜこんなに短い間に何度も危機に見舞われるのか、アルゼンチンの政治的な課題なども含め、ぜひポイントをご教示ください。

  5. 那須の山奥の兄ちゃん より:
    質問です

    トランプが香港問題への関与を示唆しましたが。

    これは先日
    日韓関係への介入を示唆したのち
    駐韓米軍基地負担への前進がほどなく発表されました。

    この香港介入示唆は
    米中貿易問題の前進を示唆するものと
    かんがえているのですが
    深読みしすぎでしょうか?

    トランプはディールをまとめるのに
    必死なはずであり
    そのディール成立の際に
    阻害要因が日韓関係だった、
    という文脈と同じで
    あると
    みています。

    推論としては面白いとは
    自分では思いますが
    現実的でしょうか?

  6. 健太 より:
    お尋ねです

    貿易収支、経常収支は分りましたが、アメリカが外国に売る武器はそれらに入っているでしょうか?
     またアメリカが売った武器の代金はアメリカの政府の収入になるのでしょうか?
    今回台湾にF16を売り、80億ドルということです。
     アメリカの武器売却はすべて政府管理下にあり、それらの収入はどこへ行くのでしょうか?

  7. china より:
    銃規制

    アサルト銃の禁止については銃規制の一環としてピート・ブティジェッジも挙げていましたね。https://edition.cnn.com/2019/08/06/politics/pete-buttigieg-trump-gun-control-plan-cnntv/index.html

    米国の銃に対する文化はわかりますが、半自動拳銃の所持までは自己防衛のために認められたとしても、アサルト銃のような短時間で人を大量に攻撃できる武器の所持はどうなのだろうと正直思います。これらの武器を規制するだけでも大分、銃犯罪の様相が変わってきそうな気がします。

    話が少し逸れますが、上記記事のなかでブティジェッジが、自分もアサルト銃のような危険な武器の訓練を受けたことがあると述べており、実体験の面からこれら危険な武器の禁止を訴えています。従軍経験が安全保障を議論する際の優位性だけでなく、政策を打ち出す際そこに説得力を持たせる役割をも果たしており、軍歴侮りがたしと改めて思いました。

    国内テロという側面からの議論と言えば、NY州のクオモ知事が新たな法律に関する提案を行っていますね。
    https://now.ny.gov/page/s/hate-crimes-terrorism
    こういった流れから何か大きなムーブメントが出来て、銃規制が一歩前進することを祈るばかりです。

  8. JD より:
    南アジア

    >那須の山奥の兄ちゃんさん
    大雑把に言えば、米印 対 中パ です。
    インドもパキスタンも、基本的に中東との関係は良好です。インドはイスラム教徒に厳しいイメージがありますが、元々は世俗国家ですし、中東からは大量に原油を輸入し、貴金属貿易や出稼ぎも多いので、結構中東とは緊密です。
    このため、カシミールも、イスラム教徒が抑圧されているように見えますが、中東の国々はインドの内政問題というスタンスで、基本的に干渉しません。
    イランは、基本的にインドとの関係が良好で、パキスタンとは微妙ですが、最近はパキスタンとの関係もまずまずです。そのせいで、パキスタンは伝統的に仲の良いサウジと微妙になっています。
    なかなか一口に言えないですね・・苦笑

  9. JD より:
    香港

    >那須の山奥の兄ちゃんさん
    おっしゃるとおり、私も、通商問題とリンクしようとしていると思います。
    ただ前進するのかは分かりません。むしろ、この問題は、下手をすると、「新冷戦」の本格化につながる恐れもあります。
    今週の記事で解説します。

  10. JD より:
    武器輸出

    >健太さん
    まず、武器売却も、当然輸出に計上されます。
    したがって、大型の案件があると、貿易収支が短期的に影響を受けることがあります。トランプが武器を沢山売りたいと言っているのも一つにはこのためです。

    次に、売却代金ですが、まず米国の武器輸出は「FMS(Foreign Military Sales)」に従って行われるのが一般的です。この場合、武器の売主は、メーカーではなく米政府になります。
    では売却代金がまるまる政府の収入になるのかと言えば、そんなことはなくて、あくまで米政府の立場は輸出の代行ですから、儲けを得るべきは政府ではなくメーカーというのが基本です。米政府は取引コストや技術のロイヤルティ相当の収入は得るでしょうが、それ以外はメーカー(とそのサプライヤー)に分配されます。ただそれがどのような割合かといえば、極めて専門的・技術的な領域で、サプライヤーも含めれば関係者が多く、ケースバイケースでもあり、何とも言えません。
    なお、FMSの場合、価格は米政府の言い値で決まるので、買い手の国からすると、「高く売りつけられる」というイメージになります。しかし、そこで米政府が法外な利益を得ることになると、メーカーにとっても望ましくないので、やはり基本的に米政府は「儲ける」という立場はとり得ないと思います。

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