2019/08/09 05:00 | 米国 | コメント(7)
民主党の大統領選候補者の第2回TV討論会
■ 穏健とリベラルの対立が浮き彫りに 米大統領選・民主党討論(7月31日付BBC)
■ Democratic Debate: Highlights From Night One In Detroit(7月30日付NBC News)
■ 米大統領選・民主党討論、バイデン氏に攻撃集中も善戦(8月1日付BBC)
■ Watch Night 2 Of The Second Democratic Debate In Under 3 minutes(7月31日付NBC News)
■ Cory Booker to Biden: You’re dipping into the Kool-Aid and don’t even know the flavor(7月31日付CNN)
民主党がミシガン州デトロイトで第2回大統領候補討論会を開催しました。出席者は以下のとおりです。
・1日目(7月30日)
サンダース上院議員、ウォーレン上院議員、ブティジェッジ・サウスベンド市長、オルーク前下院議員、クロブシャー上院議員、ヒッケンルーパー前コロラド州知事、ライアン下院議員、ディレイニー前下院議員、ブロック・モンタナ州知事、ウィリアムソン(作家)
・2日目(7月31日)
バイデン前副大統領、ハリス上院議員、ブッカー上院議員、ヤン(実業家)、カストロ元住宅都市開発長官、ガバード下院議員、ジルブランド上院議員、インスリー・ワシントン州知事、ベネット上院議員、デブラジオNY市長
討論会を経て、8月7日時点での上位11人の支持率(Real Clear Politicsが算定した各種世論調査の平均値)は以下のとおりです。
1 バイデン 31%
2 サンダース 15.8%
3 ウォーレン 15.5%
4 ハリス 8.3%
5 ブティジェッジ 5.5%
6 オルーク 2.5%
7 ブッカー 2.3%
8 ヤン 1.5%
9 ガバード 1.3%
10 カストロ 1%
11 クロブシャー 1%
今回の討論会の講評と今後の展望、そして現時点での大統領選のポイントについて解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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民主党の大統領選候補者の第2回TV討論会
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●TV討論会の講評
●討論会のポイントと民主党候補者の展望
●トランプ再選の可能性
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あとがき
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■ 米民主党討論会、各候補が「注目発言」を相次ぎ商品化(8月2日付ロイター)
お茶目ですねえ。ちなみにこちらがコーリー・ブッカーの陣営が作ったステッカーです。「- Joe Biden」とさらっと書いてあるあたりがオシャレです。
こういうグッズはDCに出張したときの良いおみやげになりますね。ただ、何の考えもなく身に付けていると、その候補者の支持者と見られてしまうので、注意が必要ですが(もちろんトランプ・グッズも)。
私も最近、フィリピンに出張したとき、ドゥテルテ・グッズを沢山買いました。もっとも、シャツなど現地で着ると何が起こるか分からないので、怖くて着られませんが(笑)。
ちなみにダバオでは「サラ・ドゥテルテ・フォー・プレジデント」のグッズも沢山売られていました。サラは今のところ公式には出馬意思を否定しており、気が早いと思いますが、こういうところから現地の空気が分かりますね。
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7 comments on “民主党の大統領選候補者の第2回TV討論会”
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討論会を「政策」と「価値観」という切り口で分析されていて、新鮮かつ面白く拝読しました。
「銃乱射」について、トランプや共和党の「インターネットとゲーム=悪」というロジックは時代遅れでピンとこず、後手な印象でしたが、民主党は巧く乗っている印象でした。
また、特に興味深かったのが、オバマケアと国民皆保険それぞれが、国民にとってどのように求められ、また求められていないのか、の点。以前、「国民皆保険」に対してペローシ議長が難色を示している、という解説やこれまで幾度となく急進左派に対して牽制していた構図などが別角度で腹落ちし、改めて繋がりました。
バイデンはグダグダな部分を含めて応援したくなるような親しみやすさを感じます。それに皆が攻撃をしかけてくるので、余計に応援したくなってしまうんですよね。ブッカーとの例の掛け合いシーンは冷静に見ると心配のタネにも思えますが、ただ単に一視聴者として見ていると「カワイイ!」と思ってしまいました。
ピート・ブティジェッジは最後に年齢について問われた時の返しがスマートで、やはり賢いなと思いました。年齢の問題をビジョンの問題に転換し、レイシズムを絡めて共和党議員への呼びかけ・・よくこんな展開を一瞬で思いつくなと感動します。そのあとに回答を振られたサンダースも「ピートは正しい」と思わず?大人しく賛同していましたし、本来であれば年齢に関してサンダースに吠えさせたかった場面なのでしょうが、ピートが上手く猛獣を手なづけた瞬間のようにも見えました。
ハリスは良くも悪くも真面目なのだろうなと思いました。ガバードの攻撃も最後には結構辛辣な言葉を投げかけていたので、実際負い目を感じているところにクリーンヒットしちゃったのかなと思います。それにしても司会者って必ずしも候補者の味方ではないのだなと思いました。例えば、ハリスのカウンターのシーンも遡って見てみると、まずハリスに例のバスの件を振り、バイデンに返答させ、そのあとガバードに用意していたカウンター放たせたように見えるので、ハリスとバイデンはガバードのカウンターを最大限に生かすための前振りだったのかと思うと、司会者コワいなと思いました。(面白く仕切るのが仕事だから当たり前と言えばそうですが・・。)
月曜日のコメント、大変失礼致しました。海より深く反省しています。
マニアックさが暴走し、ついうっかりフライングをしてしまいました。マナー違反ですね。以後気をつけます! (しかしながら、マニアック師匠のメルマガをマニアックに読み込んでしまうので、マニアックさ加減がどんどん加速している気がします・笑。でも色々気をつけます。)
こちらこそこれからもよろしくお願いします。
>まずヘルスケアについては、国民皆保険という、米国民の大多数が望んでいないであろう政策が目立っています。
なぜ望んでいないでしょうか?これはどのような考えによるのでしょうか。開拓者スピリッツでしょうか?アメリカ人の生き方によるものでしょうか。
知人に海外協力隊でネブラスカへ行った人がおり、何でも自分で直せと言われて、農業機械をなおした。また日本なんかどこにあるか知らなかった。やめて帰るときもっといて、仕事をせよといわれたという。しかしこき使われたとは言っていました。かえってきても国内で仕事がなく、こまって、女房のつてで今の仕事をしているといっていました。中部アメリカは世界なんて関係ないよ、自分だけだよ。隣の家まで10キロだから銃がないと自分を守れない。
以上色々で、妙な愛国者です。アメリカが育てた愛国者です。
>chinaさん
お伝えする必要もないかと思いますが、もちろん、フライングもマニアックも大歓迎です(笑)。
大変刺激になりますので、これからもぜひ積極果敢にお願いします。
>健太さん
ご質問ありがとうございます。
最大の問題はコストです。「国民皆保険(Medicare for All)」といっても内容は色々ですが、ここで特に問題とされているのは「公的一元化(single-payer system)」プランです。30兆ドルの政府支出増になるといわれています。大変な金額です(ただしサンダースはヘルスケア全体のコストは減少すると主張しています)。増税が必要になり、政府も巨大化します。また、民間保険を廃止されると損をする人も出てきます。
このため、サンダースとウォーレン以外の候補者で「国民皆保険」を主張する候補者は、いずれも民間保険との組み合わせのプランを提唱しています。コストを下げるためですが、それならオバマケアと比べた場合の利点は何か?オバマケアの改善・拡大でいいのでは?という議論になります。
国民皆保険という言葉がマジックワードになり、実体が分からなくなっている面もあります。まずは公的一元化かそうでないか、という切り口で見るのが分かりやすいと思います。
追記ありがとうございます。もちろん意図していらっしゃるところはきちんと伝わっておりますのでご安心を。(積極果敢にマニアックをぶつけてこいと言われると、若干戸惑いを感じますが(笑)、お役に立てているのであれば何よりです。)
世間も私も夏休みモードなので、マニアックは暫くお休みです(多分)。休みが明けましたらまたお手合わせ願います(笑)。
見ていたドラマが一段落ついたので、『ダウントン・アビー』のシーズン2を視聴しました。カーライル、早速登場しましたね。GOTでの忠臣とはうってかわって成金ビジネスマンですか。多少嫌みな所は見せますが、メアリーカップルに振り回されて可哀想な気がしました。トム・ブランソンもシーズン2ではガンガン前に出てきましたね。おっしゃる通り、色んな意味で面倒臭いキャラだなと思います。
シーズン1では、やや疾走感に欠ける感じがありちょっと退屈かなと思っていたのですが、2は戦争が始まり人間関係がドラマティックに動き出したことに加え、ちょいちょいスキャンダルが起こるので、何だかんだで続きを見てしまいます。ロバートがメイドと一線を越えそうになったときには、さすがに「何しとんねん」と突っ込みを入れてしまいましたが、彼女が物わかりの良い女性で助かりました。やはり人間、引き際が肝心ですね。
ベイツとアンナに中々感情移入できず、視聴意欲がいまいち盛り上がらないのですが、裁判の進行過程は興味深かったです。陪審員制度のようですが、量刑の判断がないのですね。有罪判決受けたら即絞首刑、ってマジか!と思いましたが、20世紀初頭の英国ってこんなシステムだったのかしら。
一番感動したのは、嘘から出たまこと、ではないですが、天涯孤独のデイジーが義理の父親と本当の意味で心を通わせた場面。嘘の結婚から始まった親子関係でしたが、時を経て血の繋がった親子以上の絆を生み出したシーンはちょっと感動しました。
ところで話は変わりますが、上記コメントの国民皆保険の件、サンダース・ウォーレン以外の国民皆保険を主張する候補者が、それをオバマケアの改善・拡大と言わないのは、やはりバイデンを意識して(オバマケアを認めると政権内にいたバイデンの功績を認めることになる?)のことなのでしょうか。それとも、私は新しいもの提案しているんだ、という新鮮味をアピールしたいためなのでしょうか。特にメディケアは有権者の食い付きが良いみたいですし。
>chinaさん
そうですね、すでに自分でお答えを出していますね(笑)。
多くの候補が、オバマ政権から距離をとるスタンスをとっています。バイデンすらそうした兆候が見えます。
本選を考えるとこれが得策とは思えませんが、予備選ではある程度仕方ないかもしれません。
『ダウントン・アビー』のチェックも入念で素晴らしいですね(笑)。
私も、どちらかといえばカーライルに感情移入しました。
ロバートは、堂々としているようで、かなり天然ですよね(笑)。
このドラマは、英国の歴史や文化の勉強になりますし、最後までテンションが落ちず、エンディングもスッキリしていて、非常に良かったと思います。映画も楽しみです。