2018/08/31 05:00 | 中南米 | コメント(2)
メキシコ現代史(1):革命の時代とその終焉
■ メキシコで左派大統領誕生へ 対立候補が敗北宣言(7月2日付BBC)
7月1日に実施されたメキシコの大統領選でアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(通称AMLO(アムロ))が勝利。2位に30ポイント以上の差をつけ、過半数の票を得る大勝でした。
議会でも、ロペスオブラドールが創設した政党「国民再生運動(Morena)」が上下両院で最大勢力となる大躍進を遂げました。
メキシコの政治は、これまで中道派の「制度的革命党(PRI)」、保守派の「国民行動党(PAN)」、中道左派の「民主革命党(PRD)」の3つの主要政党によって支配され、特にPRI政権は1929年から71年間の長期にわたりました。
PRIの一党体制は00年にPAN政権(フォックス大統領)に交代することで終了し、06年にもPAN政権(カルデロン大統領)が継続しますが、12年には再びPRI政権(ペニャニエト大統領)が復活します。また、PRDは97年の第1回メキシコシティ市長選で勝利します(カルデナス市長)。
ロペスオブラドールは元々PRDの政治家で、00年にメキシコ市長に当選し、06年と12年の大統領選にもPRDの候補として出馬しましたが、敗北しました。それが、14年にPRDから離脱して自身の政党を立ち上げ、わずか4年で今回の大勝に至ります。これによりメキシコの政治地図は大きく塗り替えられました。
ロペスオブラドールは12月1日に大統領に就任しますが、新たな時代を迎えたメキシコの展望を考察するためには、これまでのメキシコの足取りを理解する必要があります。
たとえば、71年間にわたり国を支配した政権与党がなぜ「革命党」という名称なのか。それはこの国の現代史を見なければ分からず、それが分からなければ今の政治変動のインパクトも理解できません。
そこで本日は、現代のメキシコを形作った1910年に始まる「メキシコ革命」とその路線の修正について解説し、今回の大統領選に至るまでの経緯を解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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メキシコ現代史(1):革命の時代とその終焉
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●メキシコ革命
●革命の終焉
●3大政党の時代
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あとがき
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メキシコには2年前にダイビングに行きました。その前は90年代にバックパッカーとしてメキシコシティを訪問したくらい。
中南米は距離の長さと治安の悪さがネックですが、個人的には人も文化も雰囲気も好きなところです(食事はあまり得意ではないのですが・・)。そのうち時間をとってゆっくり回りたいものです。
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2 comments on “メキシコ現代史(1):革命の時代とその終焉”
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数々の西部劇の舞台となった・・
まだメキシコを訪れた事は無いが・
すっかり馴染みの国の様になっている。
メキシコ葉巻も散々楽しんだ。
値段の割にマシな葉巻だった。
アステカの遺跡も見てみたい・・マドリーでは巨大なマヤの円形カレンダーを観たが・・犯罪も桁外れでトランプ大統領が烈火のごとく怒るのも不思議ではない。
最近も立派なトンネルが発見された。大きいトンネルは列車が引かれていたとか・・・
( ^ω^)
タコスと麻薬カルテルくらいの知識だったことを考えると、だいぶ色々学びました。苦笑・・
冗談ではなく、「分かったつもり」だったことを痛感しています。
こういった政治・社会背景を知らずして、米墨の貿易協定やメキシコペソのボラティリティは語ってはいけないですね。
かつては政治的、経済的にも大きなアドバンテージを示していた、とは目から鱗。メキシコの栄枯盛衰がコンパクトで分かり易く、でもダイナミックに読め、楽しかったです。