2018/06/08 05:00 | 中東 | コメント(2)
レバノン現代史(1):「歴史的シリア」と宗派体制
■ レバノンで9年ぶり総選挙、ヒズボラが躍進へ(5月7日付AFP)
先月、レバノンで9年ぶりに総選挙が行われました。
結果は、ヒズボラとその連携する諸派が躍進し、過半数の議席を確保しました。
レバノンは人口600万人、面積は岐阜県程度という小国ですが、中東のパワーゲームの焦点になる地域で、米国のテロとの戦いとイランとの関係においても鍵を握る国です。
一方、レバノンは非常に複雑な国です。18の宗派と民族が混在する「モザイク国家」で、宗派ごとに権力を配分する独特の統治システムをとり、シリア、イラン、サウジ、イスラエルら域外国から内政干渉を受け、政情はしばしば不安定化します。
今回は、このとても分かりにくく、しかし重要な国を解説します。
その複雑な状況を理解するには国の成り立ちにさかのぼる必要があるので、本日はまず歴史を概観します。レバノンのみならずシリア、イラク、ヨルダンといった周辺国を含む中東の現代史をふりかえることになります。以下の地図を参照しながらご覧ください。
■ 中東の地図(外務省HP)
その上で、独立、内戦、ヒズボラ、シリア、イラン、サウジとの関係、そして今回の総選挙のポイントを解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。主なテーマは以下のとおりです。
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レバノン現代史(1):「歴史的シリア」と宗派体制
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●「歴史的シリア」とシリア文明
●オスマン帝国の支配と自治
●レバノン山地の宗派体制
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あとがき
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記事本文で言及していますが、レバノンには内戦が終わって間もない90年代後半に訪問しました。ベイルートは破壊のあとが生々しく、南部ではいまだイスラエル軍が展開していた時期です。
しかし、シドン(サイダ)、ティルス、バールベック、ビブロス(「バイブル」の語源となった地)といった古代フェニキア時代から名前が出てくる都市を回ったのは良い思い出です。また、レバノンの人たちは美しく、とてもフレンドリーでした(特に女性)。
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2 comments on “レバノン現代史(1):「歴史的シリア」と宗派体制”
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ぼくが比較的近くの欧州に居た頃・・
気軽に逍遥出来る雰囲気が無かった・・
レバノンで遺跡もレバノン杉も是非眼で確かめたかった。
特にエルサレムは行きたかった。
フェルナン・ブローデル「地中海」は役に立つ名著だが・・
長編・それなりに腰を据える必要がある。
これがドイツの捕虜収容所で書かれ・自費出版だった事に驚嘆する・・・
( ^ω^)
なんで今まで理解できなかったんだろう?こう言ってくれれば、このあたりの歴史や宗教の入り交じった複雑な事情も、ちゃんと理解できたのに、、、と思います。
とにかく、1度、心を落ち着けて、何も考えずに素直に頭から読んでみることをお奨めしたいです!
これもすべては、JDさんの「森を見せる」解説のおかげですが、それにしても、ここまでの歴史を、このボリュームに収めるなんて、すごすぎる。