2017/08/18 05:00 | 米国 | コメント(9)
シャーロッツビルの衝突、終戦と独立
■ 米大統領、バージニア州の衝突は「双方に責任」新たな反発招く(8月16日付ロイター)
シャーロッツビルでの事件とその後の余波がトランプ政権を激しく揺さぶっています。
これについては週明けに取り上げたいと思いますが、一つだけコメントすると、南部で見られる南軍時代へのシンパシーは今に始まった話ではありません。
米国に住んだ人であれば、南北戦争を再現するお祭りを見たこともあるかと思います。ここで何度も取り上げているドラマ『ハウス・オブ・カード』でも出てきます。
「南軍旗」はその文化的象徴として特別な意味を有しており、しばしば米国民を分断するテーマになります。
最近のオルト・ライト(新興右翼)の台頭やトランプブーム、2015年にニッキー・ヘイリー・サウスカロライナ州知事(現国連大使)が南軍旗を禁止したり、各地で起こったリー将軍の像の撤去が注目を集めたこともあり、新しい現象のようにも見えるかもしれませんが、米国の歴史と文化に関わる根の深い問題です。
ちなみにシャーロッツビルはワシントンDCから車で2時間、トマス・ジェファーソンの邸宅モンティチェロやバージニア大学があります。私も何度も行ったことがあり、なじみ深いところです。
こことシェナンドー国立公園はワシントンDCの住民には日帰りで行ける観光地として人気があります。
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終戦と独立
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8月15日は終戦記念日でしたが、この日は、韓国にとっては独立記念日、北朝鮮にとっては「解放記念日」でした。
ちなみに昨日(17日)はインドネシアの独立の日です。アジアの終戦と独立は表裏一体のところがあります。そんなわけで、私はこの時期、アジアの首脳による記念スピーチを読むことが多いです。色々発見があります。
そんな私も、メルマガをスタートして3週間になりました。色々書いてきましたが、どうしてもトランプ関係に偏ってしまいました。
今週は、ASEANについても書きたかったのですが、色々と立て込んでしまって、残念ながらアップする状態まで至りませんでした。これから、アジア、中東、NAFTA、欧州など幅広いトピックを取り上げていきたいと思っています。
今のところヘビーな話が多くなっていますが、米国やアジアの社会、書評、映画など文化、英語なども取り上げる予定です。皆様からのご要望も大歓迎ですので、ぜひお聞かせ下さい。
※この後四方山話を書いていますが、メルマガのみ掲載します。
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9 comments on “シャーロッツビルの衝突、終戦と独立”
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The American Prospect
というprogressive系の雑誌が載せています。
興味深いです。
ここには・・
日本人が理解し得ないような・・
米国の源流がある・・
最近「ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男」を見た。
これを見ただけで・・複雑さを垣間見れる・・・
私と同じ時期に
葉山でゴルフしている・・・・・
尤も、私のお相手はおねいちゃんですけど・・・・
報道から漏れてくる「バノンがトランプを説得した」系の話がどこまで真実なのかはわかりませんが、シリアでのミサイル攻撃への反対などでバノンの意見が迷走してるとしか思えない状況が続いてきた中、「白人の60%、マイノリティの40%の票を得ることができれば選挙に勝てる」という戦略を立案した彼の頭脳の明晰さが、今回のインタビューからは見て取れるような気がしました。
戦術面では稚拙としか思えないバノンですが、戦略観という意味ではやはり恐ろしい男ではないでしょうか。
トランプがロシアに傾くのはビジネスがほとんどの理由ということですが、軍事・政治的にも十分利用価値があると思うのですが。対中関係には特に効果絶大。フリン補佐官も露と接触していた。今までが無駄に度が過ぎて敵視していたように思える。笑 そのあたりもまた御教示願いたい。
トランプ政権はバノンが述べたように中国との経済戦争に勝つことが目的なんだろう。今までの中国とのあまりの相互依存を変えるのは難儀だと思うが。
しかし軍事・政治的には反トランプ派もトランプ派も中国を全く敵視していないように見える。ナバロの視点もあまり採用されず矮小化されている気がする。ロシア敵視とは対照的。あまり仕事をさせてもらえないので、苦手の北朝鮮問題をやらされている気がする。笑
それだけ中国とロシアの軍事力は差があるということか。経済規模は何十倍も違うにもかかわらず。この分野での中国軽視も度が過ぎていると思う。
確かにトランプ個人も経済的理由しかあまり興味がなく、マティスほか軍出身者、ティラーソンが補完するしかないようですね。
PBSが報じています。
これは、ヴァージニア州での出来事とは直接関係なく決まっていたようです。
これで、ホワイトハウス内の派閥力学が大きく変わりますね。
今月から始まったメルマガは読者にとって最高のタイミングです。スペインのテロやバノン氏の辞任とか記事のネタがどんどん出てきますね。今夜の講演会には行けないのですが・・一度お会いしたいです。
鈴をつけたのはケリー首席補佐官でしょうが、今度はケリー首席補佐官が鈴を付けられるかもね。
シャーロッツビル事件とトランプ大統領の対応を報じているNHKのニュースは、完全にポイントを外してたので、ビックリ。
この事件は、同じ時期スペインのバルセロナで起きた事件同様、テロだ。
どちらも、人混みに車で突っ込んで、無差別に市民を殺傷したテロだ。
ところが、NHKのニュースは、デモ隊同士の衝突で死者が出てしまったかのように作られていて、テロ事件である事を報じていない。犯行現場から、後進ギアで逃走する黒い車の画像を挿入すれば、簡単にできるはずだが。
そのため、トランプ大統領の対応の不味さを描けていない。
テロ事件には、必ず思想的背景があり、この危険思想を潰さない限りテロは根絶できない。
シャーロッツビル事件の背後にあるのは人種差別だから、トランプ大統領の仕事は、この差別思想を徹底的に非難する事。これを怠ったので、大統領から距離を置く動きが広まった。
このテロとの戦いという文脈を外してしまっては、意味がない。