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2015/04/06 00:00  | 中東 |  コメント(32)

イラン核協議:枠組み合意の成立①


4月2日、当初の合意期限である3月31日を数日延長した末、ようやくイラン核協議の枠組み合意が成立しました。当初は、こういうハードで生々しい話をするつもりはなかったのですが、色々思うところが出てきたので、あまり報道に出ていないところを中心に、ポイントを絞って解説します。

合意に至る経緯

イランの核兵器開発疑惑は90年代から存在しましたが、2002年に反体制派組織ムジャヒディン・ハルク(MKE)が核施設を暴露したことにより、秘密裏に行ってきた核開発が表面化しました。その後、IAEAによる検証とEU3(英独仏)との交渉が行われますが、一つの重要な局面となるのは、2006年の国連安保理への付託です。

イランは、EUとの交渉を通じてウラン濃縮を一時停止していましたが、EU側の対応に満足いかず、2006年1月、ウラン濃縮を再開しました。これを受けてIAEAは問題を安保理に付託し、制裁決議が採択されます。

その後も紆余曲折を経ながら、追加制裁決議により、国際社会によるイランへの制裁は強化されました。2008年のジョージ・W・ブッシュ政権末期になると、これまでイランとの交渉に応じなかった米国が協議に参加します。

なお、米国は、イラン革命(大使館人質事件)の時点からイランを敵視し、核開発問題以前から、対イラン制裁を単独に実施しています。米国は、一貫してイランを中東における最大の脅威ととらえており、その中東戦略は、最強の敵であるイランをいかに封じ込めるかを出発点として組み立てられているといわれます。

ひるがえってみると、ペルシア人は(後の西洋世界のベースとなる)古代ギリシャを圧倒する高度な「オリエント」文明を築いた人々でした。ヘロドトス『歴史』は、ギリシャ人(ヘレネス)とペルシア人の戦いの記録です。その歴史観の本質はヨーロッパとアジアの宿命的な対立にあり、トロイア戦争の後、アジアを代表する強大な勢力がペルシア帝国でした。

イラン人は、その偉大な文明の継承者であることに高いプライドを持っています。同時に、その偉大な文明がアレクサンドロス、アラブ人、モンゴル人の武力に屈したことにより、強い被害者意識と外国に対する警戒心が深層心理に刻まれています。このように、アラブ人とは異なる独特のナショナリズムとアイデンティティをもっている点は重要なポイントです。

話が脱線しましたが、元に戻すと、2008年に米国が協議に参加したものの、イランでは強硬派のアフマディネジャド政権が発足します。これ以降、イランの核開発は進展し、追加制裁、交渉の中断と再開が繰り返され、問題が解決しない状況が長く続きます。

2013年8月、かつて核交渉の責任者であったロウハニが大統領に就任したことにより、協議が再開され、11月には、暫定合意が成立します。このとき合意された「共同行動計画(JCPOA)」は、6か国(P5+1)とイランが「第1段階の合意」と「最終段階の合意」を行うことを規定しており、第1段階の合意は、2014年1月に履行されました。

最終段階の合意の期限は、2度の延長を経て本年6月30日とされました。さらに、最終合意に向けて、枠組み合意を3月31日までに成立させることが合意されました。

今回の枠組み合意は、3月31日の期限を延長させた末、ようやく成立したものです。2013年11月の暫定合意の時点から、交渉のキーポイントは、①ウラン濃縮の制限態様、②合意の有効期間、③制裁解除のプロセスとされていました。

これは、イランが一定程度の核開発能力をすでに備えていたことをふまえ、現実的選択肢として、イランの核開発能力のすべてを奪うのではなく、平和目的利用の限度で認める、そのために実効的な措置を合意する、という妥協的な考えに基づくものです。たとえば、今回の「パラメーター」の中には、「ブレークアウト期間」(イランが核兵器を製造するのに必要とする期間)を2~3か月から1年以上に延長する、という規定がありますが、これはこの妥協の思想に基づいています。

合意の内容

合意の内容は報道で出ているので、ここでは気になった点のみ述べます。報道を見ると、イランが現在備蓄している低濃縮ウランの量の削減(1万キログラム→300キログラム)、遠心分離器の数の削減(3分の1にする)・種類の制限(第1世代しか使わない)といった具体的な部分まで合意されたようにも見えます。

しかし、これらについては、モゲリーニEU上級代表・ザリーフ外相の共同声明がいう「共同包括行動計画」の「キー・パラメーター」には含まれておらず、米国務省が公表している「パラメーター」に記載があるだけです。これに対し、イラン国内メディアの報道を見ると、低濃縮ウランの量の削減、遠心分離器の数の削減には触れず、遠心分離器の種類は無制限、とまったく逆のことを言っています(制裁解除も合意直後に実施されるという、共同声明とも異なる趣旨の主張もあります)。

以上にかんがみると、本当の交渉のキーポイントのうち、①ウラン濃縮の制限態様、③制裁解除のプロセスの詳細については、どこまでの合意があったか不明確です。6月30日の最終期限に向けて交渉は続くことになります。こうした米国とイランの認識の違いをみると、本当にまとまるのかは今の時点では何とも言えない・・というのが正直なところです。

米・イラン国内の反応

米・イランとも、本件交渉には国内において強い批判があります。このため、米国議会、イラン保守派の反応を見ることが重要です。

まず米国ですが、オバマ大統領とケリー国務長官は今回の合意を「歴史的」として高く評価されるものと宣言しています。政権のレガシーとすることに大きな期待を寄せているのでしょう。

米国議会は4月10日までイースター休会に入っていますが、休会明けには、オバマ憎しに凝り固まった共和党からの激しい攻撃が予想されます。すでに、ジョン・ベイナー、マーク・カーク、マルコ・ルビオトム・コットン(先月発出された、共和党議員47名の連名によるハメネイ最高指導者宛書簡をとりまとめた新人議員)といった議員は、合意自体を強く批判する声明を出しています。

注目されるのは、オバマ政権のイランとの合意をレビューする法案(コーカー・メネンデス法案)と追加制裁法案(カーク・メネンデス法案)が審議されるかです。ボブ・メネンデスボブ・コーカーは、共同提案したレビュー法案によって合意内容を厳しくチェックする必要がある旨の声明を出しています。もっとも、前者はいずれにしても大統領拒否権で拒絶され、後者は合意が成立した以上審議されないだろうという見通しです。

なおメネンデスは、前上院外交委員長で、民主党でありながら共和党議員と組んでオバマ政権のイラン政策を批判してきましたが、4月1日に汚職容疑で起訴されています。これはこれで米国内政の大きなニュースになっています。

次にイランですが、保守派メディアから批判があったようです。ただし最重要人物であるハメネイ最高指導者のコメントは確認できていません。なお、ハメネイはノウルーズ(イラン歴の新年)にあたる3月21日での演説で、政権による外交的解決を希望する旨述べていました。

メディアは祝賀ムードであり、成果を高く謳っています。核開発は、イラン国民のプライドをかけたプロジェクトであるので、その継続が保証されたという点を強く打ち出して、国民にアピールをしている格好です。もっとも、前述のとおり、詳細については、米国のいう合意内容とまったく異なることを言っているのが気になります。

中東の秩序への影響

イランとの合意は、中東の国際秩序に大きなインパクトを与えることになります。このため、中東諸国の反応を見ることが重要になります。まずイランの宿敵ともいえるイスラエルとサウジアラビアはどうか。

イスラエルについては、すでに史上最悪の組み合わせと言われているオバマ・ネタニヤフ関係がさらに悪化することは避けられないでしょう。先月、ネタニヤフ首相は、自国の総選挙の2週間前に、ベイナー下院議長の招待に応じ、ホワイトハウスと協議することなく訪米して議会演説を行い交渉を批判するという前代未聞の行為に及び、すでに険悪だったオバマ・ネタニヤフ関係は決定的に悪化しました。ネタニヤフ首相はすでに激しい言葉で合意を批判しています。

サウジも、反発が予想されますが、今のところ、サルマン国王は強く批判することなく、地域の安定を望むという穏当な反応にとどめているようです。しかし、前述のとおり、本件交渉は、イランの核開発能力を奪うことを目指したものではありませんから、今後の合意内容をみて、イランに核武装の余地を残すものと判断すれば、核武装に走る可能性も否定できないでしょう。

同様の核競争の懸念はエジプトにもあります。他の湾岸協力会議(GCC)各国(UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール)は、表向きサウジと歩調を合わせるでしょうが、これらの国々とイランとの関係はそれぞれ微妙な違いがあり、イエメンへの対応を見ても分かるとおり、一枚岩ではありません。今後の交渉とイランの出方によってさらに独自の動きを見せるかもしれません。

一方、今回の合意によって、米イラン関係が改善すると、「イスラム国」との戦いのように、米イランが同じ方向を向いている場面では、一定の連携が生まれる可能性があります。先月のイラク軍によるティクリート奪還を見てもわかるとおり、米国はイランの革命防衛隊・シーア派民兵の関与を嫌っており、これが「イスラム国」駆逐の一つの阻害要因になっています。

また、イランが強い影響力をふるっているシリア(アサド政権)、イラク(シーア派政権)、イエメン(フーシ派)においても、状況の変化が生じる可能性があります。本件交渉は核開発問題に限られており、合意が成立しても米イラン関係が改善すると単純に考えることはできません。しかし、前述のとおり、とにかく中東の国際関係は米イランの対立を軸に動いてきた面がありますから、ここで米イラン関係に何らかの変化が生じると、これまでの中東における秩序が根底から変わる可能性があります。

原油市場

仮に合意が成立してイランの原油が市場に出れば、原油価格が大きく下落することが予想されます。今回の合意を受けて原油価格は下落しましたが、最終合意がまとまるかはまったく分からないので、当面この状態が続くのでしょう。6月のOPEC総会、最終合意が成立した場合にイランの原油が市場に出るタイミングが重要な考慮要素になるとみられます。

米イラン関係、米国・イランの内政事情、イランの中東における勢力伸長(サウジとの戦い)については追って解説します。

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32 comments on “イラン核協議:枠組み合意の成立①
  1. 二宮 より:
    素人にも

    わかりやすく書いていただき有難うございます。
    自分にはこれくらいの内容がちょうど良かったです。
    皆さんのレベルにあわせるともっと深堀りのほうが良いのかな。
    ニュースの聞き方がかわりますね。

  2. ペルドン より:
    イラン核協議

    そりゃ、ネタニヤフ激怒するでしょうね。
    イランの核兵器開発・武装・・イスラエルにとっては死活問題に直結する。サウジとも連携プレーになる。
    だから重要な協議内容も曖昧模糊にしなければならない。
    案外、「今回の合意を「歴史的」として高く評価されるものと宣言」したいオバマ・ケリーコンビの自画自賛が主要目的かも知れない。

    知れないにしても、イランにとっては北の国と同様、原爆開発保持以外国家の安寧はないとなる。決して放棄する事はあり得ない。開発成功までの時間伸ばし以外ない。判っていても手の打ちようがない。

    今度はイスラエルの存亡になる。
    ある日突然・・オヤリになるのでは・?
    それが分かっているから、イランは地中深く深く・・しかしイスラエルは強烈なメッセージを出さなければならない。う・・・ん、増々怖くなってきた・・・

  3. iwanami より:
    まだまだ

    大体そんなところだと思います。ただし、このままうまく進むかは疑問が残ります。イランは譲歩したように見せて、実は制裁解除が欲しいだけではないでしょうか。北朝鮮の例がありますから、楽観は禁物でしょう。アメリカも大統領と議会の関係が最悪ですから、物事がいい方向に進まないのです。

  4. 南海の鯱 より:
    お疲れ様です

    イラン核協議の概要についてわかりやすいレポート有難うございました

  5. JFKD より:
    オバマ外交

    オバマは一期目でやりたいことをやったんで、共和党政権に代わっていれば世界にこんなに迷惑をかけずに済んだのに大統領選挙では共和党も劣化しすぎていた。クリントンとパネッタがいたのでその外交的無能が抑えられていたが、2期目はそれが全開だ。もう元には戻れないところまで進んでしまった。すぐにも辞任して頂きたいがバイデンや待望されるクリントン前長官は健康面で不安が残る。2期目のケリー長官の働きはちょっと奥の院の意向とは思えない。オバマ自身が警察官をやめたと言っているのだから何が起きてもおかしくない。敵に隙を与え同盟国に不安を呼び起こし、本当に怖い残存任期だ。核武装の蓋然性はサウジと日本には存在すると思いますが、日本には許可される可能性はないでしょうね。イスラエルの核保持は公然の秘密と言われていますし、空爆Xデーもよく囁かれます。以上添削お願いします。

  6. JFKD より:
    政教分離

    いくら一神教といっても現実の人間は本音と建前で生きていると思うし、凄惨な異端殺しをしたとはいえキリスト教は最初からカエサルの物はカエサルにということでした。イスラム教だって教えとは建前で各地で代理人朝が乱立し同士討ちをやり放題だったのですから政教分離が出来そうな気もしますし現に異民族トルコは努力していると思います。イランは異民族のアラブ人に改宗されたのにその素質で彼らより沈潜し瞑想的になってしまい、米国のパーレビ朝政策もまずかったのでしょうが、あんな時代錯誤的イラン革命となってしまいました。日本で見かけたイラン人達はここでは戒律をさぼれて助かるとか言ってましたが。信仰というよりすべてが生活様式・規範・戒律に縛られている強制に見えます。トルコはイスラムを活用し、イランは度を越えた趣味とし異端シーア派としてのめり込んでしまった。プライドであったゾロアスター教より良かったんで戻れないんですかね?御本家はサウジとエジプトでしょうが、後者は政教分離が可能な気がします。

  7. sissi より:
    分かりやすい解説をありがとうございます

    このようなブログをお待ちしていました。
    経済は、外交(宗教的なことなども)や軍事と連動しているので、それらをカバーした記事は勉強になります。
    米国は地中貫通爆弾をさらに改良する一方、イランもホルムズ海峡の外側に潜水艦や無人機をは配置して牽制していますね。
    スタクスネットにようなので、阻止、時間稼ぎをしてもらいたいくらいです、空爆より。

  8. マンドラン より:
    二重基準

    米国がマンハッタン計画によって、最初の核兵器を完成させてから、今年でちょうど
    70年です。原始的な核兵器を作る技術は、既に陳腐化していますね。
    こんな中で、核兵器を数カ国で独占しようと考えてもしょせん無理というものです。
    現実に「北朝鮮」まで、核兵器保有国になっていて、イスラエルがも所持していることが明らかになっています。A国が所持するのは良くて、B国はダメというのは、所詮無理筋ですね。そこを踏まえて考えると、スピードを緩めさせて、制裁を解き、経済力を上げさせて、国民生活を安定させ、次第に温和化させる方向が良いようにもおもえます。
    一番の問題は、核技術と核兵器が、管理の問題から過激派に流れることですから、それを阻止することに力点を置くことが大事かなぁと考えます。
    それにしても、ネタニヤフ、自分の路線が綱渡りであることは理解しているようですが、言ってることは無理筋ですね… あれではなぇ… 味方は減る一方でしょう。

  9. volcano より:
    文章

    長げーよ。しかも分かりづらい。論文書いたことないな?分かりやすい文章は、引き算だ。
    色んな文献、資料を読んだら放り投げ、自分の頭だけで、一気呵成に書いてみたまえ。

  10. JD より:
    御礼

    皆様、暖かいお言葉と含蓄のあるコメントをいただき、深謝申しあげます。
    もともと書く予定のなかった記事でしたが、思いもよらず貴重なフィードバックをいただくことができ、書いて本当に良かったと思いました。
    皆様のコメントを見て、さらに考えが深まったので、フォローアップの記事を書いてみようと思います。少しお待ち下さい。

  11. JD より:
    Volcano様

    コメントとアドバイスどうもありがとうございます。
    次回は、もっと分かりやすい記事を書けるよう努力します。
    なお、私はスタンフォードの大学院を修了していますので、論文は短いものから長いものまで書いたことがあります。

  12. ぺルドン より:
    JDさん

    コンビだそうだから・・名詞を一枚・・(笑

    でも素直な文章だから、問題点を把握しやすい。あれこれ刺激したい人はいるのだから、まともに取り合わない・・(笑

    友人が原子力の国際機関に勤めていたので、関心はあるのです。
    彼にJDさんの文章・中身を採点させようとしたら旅行中。外に住んでいるのですが、単なるおしゃべりでさえ、毎回違う公園から公衆電話でかけてくる。家ではパソコンも電話も盗聴されているからと言うから大げさな、と思っていたら、スノーデンで本当だとわかった・・・(笑

    今後もよろしく・!

  13. sissi より:
    核保有について

    北朝鮮もイランもその他、核保有にこだわる一番の理由は軍事費を節約できるからです。
    米国(アイゼンハワーが)も同じことをしていますし、各国が持ちたがるそのその本質は、兵器としての性能だけではないので。

  14. MJO より:
    座布団3枚

    これはうまいコメントだねえ、座布団3枚。

    >それにしてもペルドンさんからコメントをいただくとは。しかも「・・・」が少ない(笑)。

    しかも以下が絶妙です。(笑)

  15. JD より:
    ペルドンさん

    「採点」は、気分が良くないので、ご遠慮下さい。
    こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

    >sissiさん
    いろいろとありがとうございます。いただいたコメントをふまえて次の記事を書いてみたいと思います。

    >MJOさん
    ペルドンさんのコメントの素早さ、異常ですよね(笑)。

  16. Audley End より:
    はじめまして

    いろいろな話題を幅広く提供してくださるということなので、拝読するのを楽しみにしています。

    取り上げる題材によっては、わかりやすく、かつ、順序立てて解説するのに、どうしてもボリュームが多くなる難しいトピックもあるかと思います。 そういったケースは、「その1」「その2」「その3」等々、何週かに渡って解説していただいて、一向に構いません。 というより、むしろその方がありがたいかも。。。です。

    「なるほど、そんなことがあったんだ。。。」とか、「これって、いったいどういうことなのかな?」といったように、自分で考えるキッカケになりますし、「続きが早く読みたい♪」というモチベーションにもなります(笑)

    こちらの読者は、ときどき辛口コメントに感じられることがあるかもしれませんが、実際には、親切で優しい方が多いので、JDさんも、どうぞ楽しんで書かれてください。

  17. みんみん より:
    素朴なツッコミ

    JDさん、貴重なintelligenceを開示いただきありがとうございます。

    素朴なツッコミを書かせてもらいます。

    A)アメリカはインドの核を容認した時のように、なしくずし的にOKしてしまうんでしょうか?

    B)アメリカはシェールガス・オイルが出るようになったので中東に深くコミットする気がなくなった・・という理解で宜しいか?

    C)アメリカはベトナムから撤退したとき(1973-75)も、北朝鮮のKEDOのとき(1994)も・・だまされたフリしてサヨナラしています。今度もそのパターンでしょうか?

    D)小室直樹氏は1980年代から「アメリカはモンロー主義に回帰する」と予言していました。JDさんはこの点をどう見ておられますか?

  18. volcano より:
    JD 様

    どんなに長い文章を書こうが、後世理由を聞かれた時は、所詮一言なのです。その一言での説得力がなければ、理解不足と言われても仕方ない。私は、文章作法として、そう思っています。
    スタンフォードでしたか。私の友人はコーネルでした。省内の英語の先生はCIA。入省8年未満の若手官僚の2年間、海外留学だったのでせうか。実に7割以上がアメリカ。

    インドにおける英国の植民地支配の巧妙な方法の一つは、
    インドの優秀な青少年を本国・英国に留学させ、みっちりと英国式の教育を施した上で、
    インドに帰国させ、インドの官僚や軍人として育成し、彼等を植民地支配の先兵として使う、
    つまり、英国人は姿を隠し、インド人によってインドを植民地支配するという方法だった。

    アメリカは、日本の官僚機構を何としてもアメリカに追従する組織に作り替えたいという意図を感じられたことは?
    これを機会に是非質問してみたいと思いますた。

  19. MJO より:
    いいね!

    みんみんさん、素朴でいい質問ですね。JDさん各項目ごとに手短に答えていただくとありがたいです。勉強になります。

  20. 匿名希望 より:
    上位目的が分かんないんです

    イランが核開発して、米国・イスラエルが仲悪くなったとして。
    最終的に、米国が何か損するんですかね?(むしろ、米軍出費を減らす事が、最終的に米国利益になるのでは?)

    イランが核で、中東某国とドンパチすると、何となく世界からテロ低減に繋がる気もします。この手の話に正解は無い気がするけど、参考になるようなお勧め本って無いでしょうか?

  21. JD より:
    Audley Endさん

    ご親切に、どうもありがとうございます。私自身、この記事がこんなに長くなるとは、書き終わるまで分かりませんでした・・・苦笑
    ご提案もありがとうございます。なるほど、その方が読みやすいのですね。これから検討してみます。
    レベルの高い読者の方が多いので、緊張しますが、そう言っていただけると私もうれしいです。よろしくお願いします。

  22. JD より:
    みんみんさん

    直感的な回答ですが、簡単にお答えしてみます。
    A) 現状、10年間は核武装を食い止めるというスキームなので、それ以降は正直分からない、ということと思います。
    B) 当然影響はあると思いますが、前政権の政策からの転換、オバマ独特の合理主義も大きいように思います。
    C) 先のことまでは分からないのが正直なところと思います(オバマも考えていないのでは)。
    D) 米国には内向き志向の思想の潮流が古くから存在します。それが顕在化するのは政権の個性によるところが大きいと思います。米国の外交思想の潮流については、そのうち書いてみたいと思っています。

  23. JD より:
    Volcanoさん

    Thesis statementは、読むにせよ書くにせよ論文の基本中の基本で、私もからだにすり込まれています。
    ただ、この記事はもとよりアカデミックペーパーではなく、意図的に脱線したり、結論をオープンにしているところもあります。
    ご質問については、外務省に関していえば、だいたいどこの国も組織・機構は同じです。ただ、(質問に対する答えにはならないと思いますが)日本の場合、在米国大使館・北米局に力が集まるようにできている面はあります。

  24. JD より:
    匿名希望さん

    伝統的には、米国にとってイランは敵、イスラエルは同盟国であり、その構図を前提に中東の秩序は保たれてきました。その背景には色々な理由があり、また、安定した状態を変えるのはリスキーなので、イランの核開発を阻止し、イスラエルとの関係を維持することにそれなりの合理性はあります。ただ、最近のオバマは、匿名希望さんの感覚に近いのか、この伝統的な構図にあまりこだわっていない雰囲気がありますね。
    中東諸国がドンパチすると、権力の真空地帯ができて、イラク、シリア、イエメン、リビアのように、ISやアルカイダが跋扈してしまうのです。これが現在の中東が抱える大きなリスクです。本は追々紹介したいと思います。

  25. JFKD より:
    短いと心配になる

    こういう分析で文が長いと言われると、質の低下を恐れてしまいます。ここの読者ならロイター・ブルームバーグなどの長い記事を読んでいるので、別に苦痛ではないと思います。専門家なので記者より歯応えはあるはずですが、現場のぐっちーのようには直截に書くわけにいかないでしょう。それより我々素人の視野の狭い拙い決めつけ調のコメントをネタに辛辣な添削を長々と書いてくれたほうがそもそも論で解りやすい。今回のような難題の最新ニュースは布石を漏らさず書かないとまずいので解りずらく見えるのだと思いますが、秩序が根底から変る可能性とまで示唆していますよ。私はオバマ独特の合理主義とは外交にとんでもないものをもたらすと危惧しますが、単なる準備不足で出馬してきたのか、支配層の意向なのか知りたいところです。

  26. みんみん より:
    直感的に答えていただきありがとうございました

    私はブログや掲示板では討論すべきでないと思っています。
    自分のHPで掲示板が炎上した経験があるからです。
    コメントは大雑把な感想やツッコミを書いて、どの点に興味があるのかをJDさんに伝
    えればよいと思っています。詳しい答えはもとより望んでいません。答えにくい点はスルーして下さい。これからも宜しくお願い致します。

    米国の外交思想の潮流については読みたいです。
    私は、ミアシャイマー、スコークロフト、伊藤貫が好きです。

  27. JFKD より:
    もう立派になり、こんな立派なブログまで!

    ぐっちーは炎上しないよう消火してましたね。非常事態だったので賢明でしたが、あのころは、は!、尖っていてテメーのブログで何を書こうが・・・とか、嫌なら見なければいいとかタケシのようなことを言っていました。なつかしい。

  28. 匿名希望 より:
    ありがとうございました

    JDさん

    実務としてその世界に関わっていないので、どうしてもバイアスがかかった伝聞推定の話ばかり聞くのですが、時代の流れを知りたいのです。貴重な御意見をありがとうございました。

    これからの記事を楽しみにしています!

  29. MJO より:
    懐かしい

    JFKDさん懐かしいことを覚えていますねえ。そうですよ、昔は確かに「自分のブログで何を書こうがとか、嫌なら見なければいいとか」書いてましたよ。私もびっくりしたもんです。最近もどなたかが似たようなコメント書いてましたけど、本人ではないですよね。

  30. ペルドン より:
    MJOさん

    自分のコメントには・・「ベルドン」と書きます・・
    コメントは料理における・・香辛料・・と考えています・・(笑

  31. ペルドン より:
    JDさん

    イスラエル通信
    2015年 4月9日(木) 

    *イランとの核合意が十数年後に期限切れになる時点で、
     イランは直ちに核兵器を製造する能力を得ると、オバマ大統領が発言。
     ネタニヤフ首相は、合意成立時点で核兵器製造能力があると語った。

  32. MJO より:
    想定外

    ・・ははは、これはペルドンさん、想定していませんでした。・・(笑)

    本人と云えばご本尊様のことです。・・紛らわしくてどうもすいません。

    ・・ペルドンさん頑張って下さい。

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