2015/05/26 00:00 | ロシア | コメント(6)
ロシア下院議長の訪日
■ 安倍首相がロシア下院議長と会談=プーチン氏訪日へ協議か(5月21日付ウォールストリートジャーナル記事)
■ 岸田外相にモスクワ訪問の意向(5月21日付ロシアNOW記事)
ナルイシキン・ロシア下院議長は、欧米の制裁の対象となっており、これらの国々への入国が禁止されている人物です。そのような人物に安倍総理が会うのは相当の検討を要する判断であり、実際、会談が実施されるかは直前まで明らかになりませんでした。
さらに、安倍・ナルイシキン会談と同じタイミングに、岸田外務大臣が、プーチン訪日の準備の一環として、ロシア訪問を計画していると述べたとの報道。何か、少し前まではまったくあり得ないと考えられていたプーチン訪日が一気に現実味を帯びてきたような雰囲気です。
これらの動きが、以前の記事でお伝えしたケリー国務長官のロシア訪問に突き動かされたことは疑う余地がありません。既に述べたとおり、会談の成果がなかったとしても(本当になかったのかどうかは既に述べたとおり分かりませんが)、ケリーが訪問したこと自体が米国が歩み寄っているというシグナルとなり、日本外交にとっても大きな政治的意味合いをもったわけです。
安倍総理は、以前から、プーチン訪日は「適切な時期」に実現すると述べています。この「適切な時期」の判断は日本にかかっているわけですが、もっと言えば、米国にかかっているといえます。
この点、ラッセル国務次官補が日本の姿勢に対してクギを刺したとの報道を見かけますが、国務省の記者会見のスクリプトを見ると、NHK記者の誘導的な質問に対して、「現在の状況においてロシアと通常の関係を追求しないという方針をとることについて日米間に誤解はない」と述べているだけですよね。
国務省の事務方レベルでは、トップ間での取引がどれだけ進んでいようとも、現状の方針を確認する発言をする他ないのは当たり前であって、それが質問に答える形で明らかになったに過ぎません。これを文字どおり受け止めるのが適切なのか、米国の真意をはかるにはもう少し様子を見る必要があります。
今回の安倍総理、岸田大臣の振る舞いを見ていると、米ロの接近がかなり進んでいる可能性があることを感じさせます。本当のところは知る由もありませんが、近いうちに驚くような進展が見られるのかもしれません。
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6 comments on “ロシア下院議長の訪日”
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本気で・・報奨金・・狙い始めた・・(笑
関白はんとおとどはんに・・
霞が関がどのように・・吹き込んだか・・??
ロシアスクール・・草葉の陰的存在だろうし・・何処から・・仕入れてきたんでしょうかね・?
マインドコントロール・?
ケリーはんがいかはったんは・・スノーデン取引と違いますやろか・?
スノーデン・・渡さない限り・・話は始まらないから・・
日本ではなく・・
あっち側で・・驚く進展あるかな・・?
報奨金・・賭ける・・・(笑
対IS連携ぽいですね。
ISが結果的にロシアを利する結果になりつつあるのが気になりますが。
メルケル訪問もありましたし、動いている予感しますね。
私は個人的にはロシア寄りなので、割と暖かく見守っています・・笑
ケリーは中国も訪問しやっと文句をつけたようですが、時既に遅しでしょう。オバマは防空識別圏設定や岩礁埋め立てにどのような合理主義をもって臨んだのでしょう。元々フィリピンが米海軍基地を噴火を機会に追い出したつけで自業自得ですが、中国は領海として実効支配までしているのでしょうか。完全にロシア訪問と連動していると思いますが、いよいよ合理主義をやめて対中包囲網に動き出したのでしょうか。
米ロの手打ちはどのあたりが落とし所になるのでしょうか。
仮にロシアがウクライナの3つの州すべてを併合したとしても、
ロシアがNATO全体に対する地政学的脅威になった…とまでは言えませんよね?
そんなロシアと角を突きあわせつつ、
アジアではリバランスを叫ぶというのは戦略的一貫性がないですから
米ロが手打ちをするのは自然な成り行きのように思います。
三角外交アゲインでしょうか。
今の米国の外交の特徴の一つは、reactiveとか言われますが、後手後手に回るというか、出たとこ勝負という感じが強いところですね。日本や中国もそうですが、実際の外交や戦略は、外で想像する以上に一貫性が欠けているということがよくあります。