2023/12/04 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(12/3~9)イスラエルとハマスの戦闘再開、UAEの外交、オランダ選挙、ミャンマー戦闘激化
今年の振り返りと来年の展望についても考える時期になりました。今月20日のオンラインセミナーや恒例の年末の特集記事でしっかりお話したいと思います。ご期待下さい。
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先週の動き
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11/26(日)
・米・イスラエル首脳電話会談
・ハマスが人質17人(イスラエル人14人、タイ人3人)を解放
・イスラエルが拘束していたパレスチナ人39人を解放
・イエメン沖のアデン湾で海賊がイスラエル系企業所有のタンカーを一時的に拿捕(米ミサイル駆逐艦メイソンが対処、ソマリア人5人を拘束)
・米海軍のミサイル駆逐艦「ホッパー」が南シナ海の西沙諸島周辺の海域で「航行の自由作戦」を実施
・ロシアのモスクワ、トゥーラ、カルーガ、スモレンスク、ブリャンスクの各州にウクライナのドローン24機が飛来し撃墜したとロシアが発表
・日中韓、中韓外相会談(釜山)
11/27(月)
・イスラエルとハマスが戦闘休止の合意の2日間延長で合意
・ハマスが人質30人(イスラエル人11人、外国人19人)を解放
・イスラエルが拘束していたパレスチナ人33人を解放
・スペースXのマスクCEOがイスラエルを訪問(ネタニヤフ首相と会談、ガザへのスターリンクのサービス提供で合意)
・イエメンからアデン湾に弾道ミサイル2発が発射されたと米国防総省が発表
・バイデン大統領がサプライチェーン強化策を発表(ブレイナードNEC委員長とサリバン大統領補佐官を共同議長とする協議会の発足・初会合)
・国連安保理が北朝鮮の軍事偵察衛星の発射に関する緊急会合(NY)
・NZでラクソン新首相が就任
・日越首脳会談(東京)
11/28(火)
・ハマスが人質12人(イスラエル人10人、タイ人2人)を解放
・イスラエルが拘束していたパレスチナ人30人を解放
・バーンズCIA長官とイスラエルのバルネア・モサド長官とカタールのムハンマド首相が会談(ドーハ)
・サリバン大統領補佐官とアルゼンチンのミレイ次期大統領が会談(ワシントンDC)
・チャールズ・コークが設立した保守系政治団体「繁栄のための米国民(AFP)アクション」が24年大統領選に立候補しているニッキー・ヘイリー元国連大使への支持を発表
・中国国際サプライチェーン促進博覧会(北京)
・NATO外相理事会(ブリュッセル、~29日)
・核兵器禁止条約第2回締約国会議(NY、~12/1)
11/29(水)
・ハマスが人質16人(イスラエル人10人、イスラエルとロシアの二重国籍者2人、タイ人4人)を解放
・イスラエルが拘束していたパレスチナ人30人を解放
・米・UAE首脳電話会談
・米連邦検察当局がインドからの独立運動に関わる米国在住のシーク教徒男性を殺し屋に殺害させようとした容疑でインド国籍の男を起訴
・キッシンジャー元国務長官が死去
・米軍の輸送機オスプレイが屋久島沖で墜落
11/30(木)
・イスラエルとハマスが戦闘休止の合意の1日間延長で合意
・ハマスが人質8人(イスラエル人)を解放
・イスラエルが拘束していたパレスチナ人30人を解放
・ブリンケン国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相が会談(エルサレム)
・ブリンケン国務長官とパレスチナ自治政府のアッバス議長が会談(ラマラ)
・米上場企業会計監視委員会(PCAOB)がPwCの中国拠点や中国の監査法人等に証券法等の違反により計794万ドルの罰金を科したと発表
・OPECプラス閣僚級会合、合同閣僚監視委員会(JMMC)(オンライン)
・国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)(ドバイ、~12/12)
12/1(金)
・イスラエル軍がガザへの攻撃を再開
・ヒズボラがイスラエル軍を攻撃
・米財務省がインフレ抑制法(IRA)のEV購入の税額控除対象の新規則案を発表
・米下院がジョージ・サントス議員を除名する決議案を可決
・サンドラ・オコナー元米連邦最高裁判事が死去
・中国がグラファイト(黒鉛)の輸出許可制を実施
・ロシアのプーチン大統領が兵士の最大数を17万人増やす(132万人とする)大統領令に署名
・日・トルコ、カタール首脳会談(ドバイ)
・日韓が通貨スワップ協定を締結
12/2(土)
・イスラエル軍がシリアのヒズボラの拠点を空爆(イランの革命防衛隊員2人も死亡)
・韓国国防省が初の偵察衛星の打ち上げ成功を発表
・日・イタリア、ヨルダン、EU首脳会談(ドバイ)
・日・イラン首脳電話会談
●イスラエルとハマスの戦闘の再開
イスラエルとハマスの戦闘休止は、2度の延長を経て7日間に及び、ハマスはイスラエル人と外国籍の人質合わせて105人、イスラエルは刑務所に収容していたパレスチナ人240人を解放しました。しかし12月1日、戦闘休止の期限が過ぎたところで、イスラエルはハマスが合意を破ったとして、軍事作戦の再開を発表しました。
イスラエル軍は400以上の標的を攻撃したと表明。攻撃は南部にも及び、最大都市ハンユニスでも50以上の標的が攻撃の対象になりました。ガザ保健当局によると、戦闘再開後の死者は240人以上に上りました。
バイデン大統領はUAEでのCOP28を欠席し(ハリス副大統領が出席)、イスラエルのネタニヤフ首相やUAEのムハンマド・ビン・ザイド(MbZ)大統領と電話会談を行うなど、引き続きガザ情勢の対応にあたりました。ブリンケン国務長官はCOP28出席のためにUAEを訪問しましたが、イスラエル、ヨルダン川西岸にも訪れ、10月7日の衝突以降3回目となる中東訪問を行いました。またドーハでは、バーンズCIA長官、モサドのバルネア長官、カタールのムハンマド首相が会談を行いました。
これらの最新の動きのポイントと今後の展望を解説します。また次項ではUAEの役割についても述べます(※メルマガで解説)。
●UAEの戦略的外交
これまで本メルマガで何度となく言及してきましたが、UAEは、イスラエルとハマスの衝突において独特かつ重要な役割を果たそうとしています。またCOP28議長国としても野心的なリーダーシップを発揮しようとしています。
このようなUAEの外交は、今後の中東情勢において重要な役割を果たすと考えられます。この点を解説します(※メルマガで解説)。
●オランダ総選挙
先月、オランダで下院(定数150)総選挙が行われ、極右政党の自由党(PVV)が37議席を獲得し、第1党に躍進しました。前回(21年)の選挙ではわずか17議席だったので、衝撃をもって受け止められ、フランスの国民連合のルペン党首、ハンガリーのオルバン首相、イタリアのサルヴィーニ副首相、ドイツのAfPら各国の保守政党が賞賛の声を送りました。
PVVの議席は過半数には届かず、連立交渉が行われますが、今回の選挙は、オランダのみならず、欧州のポピュリズム、EU、移民政策の見通しを考える上で示唆に富みます。この点を解説します(※メルマガで解説)。
●ミャンマーの戦闘激化
ミャンマーでは21年2月のクーデター以降、軍政の支配と民主派・少数民族武装勢力の抵抗が続いていますが、この2か月、軍政は軍事面でかつてないほどの苦境に陥っています。
軍政を追い込んでいるのは、シャン州の武装勢力「ミャンマー民族民主同盟軍 (MNDAA)」「タアン民族解放軍(TNLA)」、「アラカン軍 (AA)」の3勢力(「兄弟同盟」を結成)の大規模な攻勢です。これら3勢力は合同で10月27日から「1027作戦」の開始を宣言し、わずかな期間で150以上もの国軍の拠点を制圧しました。
さらに、カチン州、ザガイン地域、チン州、カヤー州、カレン州、ラカイン州でも各地の少数民族武装勢力と民主派(NUG・PDF)が国軍の拠点を攻撃。軍政は11月8日に緊急の国防治安評議会を開催し、ミンスエ「大統領代行」は「国家分裂」の危機に陥る可能性があるとの危機感を示しました。
ワシントン・ポストなど米欧の有力メディアはミャンマー情勢の「転換点」になる可能性があると指摘しています。今回の攻勢の意義と今後の見通しについて解説します(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ キッシンジャー元米国務長官が死去、100歳 米外交に大きな影響(11月30日付BBC)
外交の世界の巨人の訃報でした。その評価については、多くの専門家やメディアが論じているので、私から付け加えることはないのですが、個人的な思い出を言えば、故岡崎久彦元大使が監訳された『外交』は、外務省に入る前に人事課から「必読」と言われた本の一つでした(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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