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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/11/14 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(11/13~19)米中間選挙、ロシアのウクライナ侵攻、米中首脳会談、マレーシア総選挙


そこかしこでクリスマスツリーを見かけるようになってきました。イルミネーションも始まったようです。まだ少し先ですが、だんだんと気持ちが盛り上がってきますね。年末もあっという間に来そうで、ちょっと怖いです(仕事の関係で・・)。

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先週の動き
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11/6(日)
・米独首脳電話会談
・サリバン大統領補佐官が過去数か月の間にロシアのパトルシェフ安全保障会議書記らと極秘に協議していたとWSJが報道
・COP27(エジプト・シャルムエルシェイク、~18日)

11/7(月)
・ウクライナのレズニコフ国防相が米国、スペイン、ノルウェーから高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」を受け取ったと発表
・ウクライナのルハンスク州に配置されたロシア軍動員兵の一個大隊がほぼ全滅したとロシアの複数の独立系メディアが報道
・ウクライナのゼレンスキー大統領が戦略的に重要な企業5社(ウクルナフタ、ウクルタトナフタ、モトール・シーチ、アクトクラーズ、ザポリジュトランスフォルマートル)を一時的に政府管理下に置いたと発表
・ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジンがロシアは米国の選挙への干渉を認める発言
・台湾国防部が中国軍の戦闘機31機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・リトアニアが台湾に貿易事務所を開設
・北朝鮮が11月3日の弾道ミサイルの発射は「敵の作戦指揮体系を麻痺させる特殊機能弾頭」の動作確認だったと発表

11/8(火)
・米中間選挙
・ミシガン、カリフォルニア、バーモント、ケンタッキー、モンタナの5州で人工妊娠中絶の州法に関する住民投票(中絶の権利支持が多数)
・印ロ外相会談(モスクワ)
・スウェーデン・トルコ首脳会談(アンカラ)
・英国の・ウィリアムソン無任所閣外相が辞任

11/9(水)
・ロシアのショイグ国防相がスロビキン司令官の報告を受けてウクライナのヘルソン州のドニエプル川西岸からの軍の撤退を命令
・ロシアがウクライナのヘルソン州の「副知事」に任命したキリル・ストレモウソフが事故死
・ロシアのプーチン大統領が国内で登録された資源開発関連企業191社の株式について、ウクライナ侵攻で制裁を発動している「非友好国」の企業などを対象に譲渡や売買などを禁じる大統領令に署名
・イランのライーシ大統領がロシアのパトルシェフ安全保障会議書記と会談(テヘラン)
・英国のスナク首相がNATOのストルテンベルグ事務総長と会談(ロンドン)
・バイデン大統領が中間選挙について「レッド・ウェーブは起きなかった」「共和党と協力する用意がある」と発言
・北朝鮮が平安南道粛川から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表

11/10(木)
・米国防総省がウクライナへの4億ドルの追加軍事支援を発表
・米商務省がロシアの「市場経済国」からの除外を発表
・ASEAN首脳会議関連会合(プノンペン、~13日)

11/11(金)
・ウクライナのゼレンスキー大統領がウクライナ軍はヘルソン市に入りロシアから奪還しつつあると発表
・ロシア国防省がウクライナのヘルソン方面でロシア軍のドニエプル川東岸への「配置転換」が完了したと発表
・バイデン大統領がCOP27で演説(シャルムエルシェイク)
・ベテランズデー
・中国の「独身の日」ネット通販セール
・ASEAN首脳会議、中・ASEAN首脳会議(プノンペン)
・テュルク諸国機構首脳会議(サマルカンド)
・ロシアのガルージン駐日大使が離任前の記者会見(東京)

11/12(土)
・ASEAN+3首脳会議、米・ASEAN首脳会議、日・ASEAN首脳会議(プノンペン)

●米中間選挙

米国の中間選挙は、まだ結果が確定していませんが、多くの人の予想を裏切る波乱に富んだ結果になりました。

現時点では、上院は、民主党50、共和党49。ジョージア州で12月6日に決選投票が行われますが、その結果を待たずに民主党の多数維持が確定しました。

下院は、民主党202、共和党211(AP、メディアによって異なります)。いずれも過半数の218にはまだ届いていません。

先週の記事(以下のリンク参照)で述べたとおり、今回の選挙では共和党の優勢が予想されていました。とはいえ上院については、特に3つの激戦州(ペンシルバニア、ネバダ、ジョージア)が極めてタイトだったため、民主党が多数を維持することも十分に予想されていました。したがってそこまでの驚きはありません。

「米中間選挙」(11/8)
 
しかし下院については、予想は大きく裏切られました。少なくとも共和党は15~20議席は積み増しすると予想されていたのですが、このままいくと一桁増に終わりそうです。それどころか、民主党の多数維持の可能性すらまだ残っています。

投票日当日の時点で、私は「レッド・ウェーブ」ではなく「レッド・リップル(さざ波)」だったという印象を受けました。万が一民主党が下院を維持すれば(その可能性は極めて低いですが)、それどころではなくなりますが、いずれにしても、民主党の強さが予想を超えたことは明らかです。中間選挙の歴史に残る政権与党の善戦と評価されるでしょう。

また、連邦議会に比べると日本ではあまり注目を集めていませんが、民主党は州レベルでも勢いを見せています。知事選では、ペンシルバニア、ミシガン、ウィスコンシンという重要州を守り、NYとオレゴンでもサプライズを起こさせず、メリーランドとマサチューセッツでは奪還しました(ネバダでは共和党に奪還される)。さらに州務長官州議会の選挙でも民主党は驚くほどの強さを見せています。

なぜこのような結果になったのか。この結果は、バイデン政権、民主党、共和党にどのような影響を与えるのか。24年大統領選はどうなるのか。これらの点について、明日詳しく解説します。

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(11月14日)で266日目を迎えました。

ウクライナ軍はヘルソン州で反抗を続け、同州における親ロシア派の占領当局がドニエプル川西岸の住民の「退避」を進めるなど、ロシア軍の撤退を示唆する動きが続いていましたが、先週、一気に戦局が動きました。

まず11月9日にロシアのスロビキン司令官がショイグ国防相に対し、ヘルソン市への補給はもはや不可能になったとして、ドニエプル川の東岸に防衛線を設けるよう提案。これを受けショイグは、ロシア軍兵士の命は常に優先されなくてはならない、民間人への脅威も考慮しなければならないと述べ、スロビキンの提案に同意し、軍の撤退を進めるよう命令しました。この様子は国営テレビでライブ放映されました。

そのわずか2日後、ロシア軍のドニエプル川東岸への「配置転換」が完了したとロシア国防省が発表しました。同日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍がヘルソン市に入り、同市を奪還しつつあると発表。ウクライナ軍の兵士が住民から歓声で迎えられ、ウクライナ国旗が市内で翻る画像がSNSに溢れました。ヘルソン市の奪還は、ロシアの侵攻後に実現した最大規模の都市奪還となります。

ヘルソン市の奪還の直後、ウクライナのクレバ外相は、ロシアとの停戦交渉について、ロシアが真摯に交渉を探っているという兆候は全くないと発言。ラブロフ外相から会談を求められていないとも述べました。

米国はウクライナへの4億ドルの追加軍事支援を発表しました。移動式防空システム「アベンジャー」4基、地対空ミサイル「ホーク」や高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の砲弾などが含まれています。米国のウクライナへの軍事支援は合計186億ドルに上りました。

こうした最新の状況を踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※米中首脳会談、マレーシア総選挙など。メルマガで解説。)

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あとがき
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村田兆治さん死去 火が見える前「バタン、ガタンという衝撃音が30分ほど鳴り響いて」隣人証言(11月11日付日刊スポーツ)

村田兆治さんは、昭和の時代にプロ野球を楽しんでいた私にとっては大ヒーローでした。まさかり投法は私の周りでもよく真似されていたものです。

よくおぼえているのは晩年ですが、剛球とフォークは健在で、最優秀防御率をとったり、あの弱いロッテで二桁勝利したり、若い頃はどれほどすごかったのかと思ったものです。今では考えられないほど注目度が低かったパ・リーグ、それもロッテという地味な球団において、まさに「至宝」というべき存在だったと思います。

ちなみに村田さんは、私がワシントンDCにいたときに来られたことがありました・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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