2015/04/01 00:00 | ブログ・メルマガ紹介 | コメント(17)
このHPについて
はじめまして。ぐっちーさんとはもう10年くらいの付き合いになります。彼と初めてお会いしたとき、私は中央官庁で官僚をしていました。その後、退官し、最近は、個人で研究活動に従事しています。
このHPでは、私のこれまでの経験を生かして、複雑に絡み合う世界の動きを読み解くための視点と文献をご紹介します。最新の情報に依拠しながら、世界の全体像、歴史、思想、法といった長期的・構造的な視点を重視し、誰にでも分かるように説明したいと思っています。
世界の動きを読み解く上で、私は、問題の背景、経緯、歴史を知ることを重視しています。世界情勢に関する報道や分析は、「イスラム国」にせよウクライナにせよ、非常に分かりにくく感じられるのではないかと思います。
これは、問題が複雑なこともありますが、その問題が発生するに至るバックグラウンド、すなわち背景、経緯、歴史、さらに、その中でその事象がもっている意味についての解説が不足していることがあります。そういった知識もなく、日々起こっている事象だけ目にしても、理解することは困難です。
しかも、日々アップデートされる情報の中には、大きな視点から見れば取るに足らない出来事やあとからひっくりかえされて意味を失う出来事もあります。メディアではそのような情報が取捨選択されることなく流されます(速報性を重視し、かつ字数・時間が限られている新聞・テレビの限界でもありますが)。
問題の背景、経緯、歴史を知っていれば、情報の洪水に流されることなく、冷静に重要な事実の摘出と流れの把握ができます。
また、世界情勢を知るためには、一つのトピック、一つの地域に起こる問題について、他のトピックや地域との関連性を意識すること、大局的な視点をもつことが重要です。
たとえば、イラン、イラク等の中東の問題を考えるとき、米国の関与を考慮しないわけにはいきません。その場合、米国側の事情として、内政、歴史、哲学等を知ることが不可欠になります。
このような大きな視点からの分析を行うためには、最新の情報をおさえつつ、同時に、優れた文献(歴史、思想哲学、宗教、文化人類学などの学術的な専門書・古典)を読んで、基盤となる知的体力を鍛えることが大切です。
このHPでは、注目すべき国際的な問題を取り上げるとともに、関連する書籍を紹介したいと思います。それにより、皆さんの思考を鍛えるお手伝いをしたいと思っています。
中には、これが世界情勢に関する本なのか?と思うようなものも出てくると思いますが(たとえば、映画も取り上げる予定です)、柔軟な思考を養うことが大切ですので、肩の力を抜いて楽しんでもらえればと思います。
もっとも、本当に脱線して、単に私の趣味に関するものを取り上げることもあります・・・というか、そういう場合の方が多いかもしれません(笑)。
説明においては、わかりやすさを重視します。複雑で奥深い話を、重要なところや大局的分析は詳しく、微細な部分はトーンを抑えつつ(しかし「神は細部に宿る」場合には詳しく立ち入ります)、専門用語の不必要な多用は避けながら、誰にでも分かるように説明したいと思っています。
それから、ときどき、雑談として、心にうつりゆくよしなしごとを書きたいと思います。趣味の映画や文学・芸術、スポーツ、旅行から、哲学・思想・宗教、サイエンス、本の読み方、英語や試験の勉強法といった実用的な話題まで、とりとめなく語りたいと思います。
色々と書いてしまいましたが、まずは百聞は一見にしかずということで、気軽にお付き合い下さい。分かりやすく、堅苦しくなく、何よりも肩の力を抜いて、楽しんで読んでいただけるような文章を書きたいと思っています。何事も、楽しいことでないと続きませんので。
では、よろしくお願いします。
※本HPおよびメルマガの内容は、著者の個人的な見解であり、他のいかなる個人または組織の見解を代理ないし代表するものではなく、他の個人または組織がその内容に対して責任を負うことはありません。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
17 comments on “このHPについて”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
ブログ開設おめでとうございます。
さすがぐっちーさんのご友人という感じですね。
勉強させていただきます。
頑張ってください。
リー・クアンユーの「世界を語る」を最近読みまして
ああ自分はこんなことも知らずに生きてきたのだと怖くなりました。
とても期待しております。よろしくお願いします。
もう、大学行く必要無いですね?!(笑)
こんにちは。
初回に長いご挨拶をいただきました。最初ということで気合が入ったのか、多少緊張
されていたのか、わかりませんが、かなり肩に力が入っていらっしゃいますね。もっと気楽に、世界の出来ごとのバックグランドをお書きになってください。
ここの読者は、知的レヴェルの高い方が多いので、出来事や事件のバックグラウンドを知ることの重要性については、十分理解されていますし、そこそこの知識をお持ちになっています。
前置きなしに、そういう話に入っても、混乱することなく、ついてゆける人がほとんどですから、どうぞ気楽にお書きになってください。その方がこちらも、気楽にお付き合いさせていただけますので…
世の中、そう難しくもないことを、やたらと小難しい言葉を並べて、分かりにくくする輩は大勢います。本当に実力のある方は、難解な事柄を平易な言葉で分かりやすく説明なさいます。そういう方こそが本物ですね。
今後楽しみにしています。
「荒野の宗教」と呼ばれるイスラム教、そしてイスラム世界をを知りたく「ジハードとテロリズム」(佐々木良昭氏著作)を読んでいるとことです。
今日の記事を拝読して背景その他を学ぶことの大切さを再認識させられました。
ぜひ、推薦する書籍など、時折お知らせください。
これからを楽しみにしております。
「佐藤優」みたいに分かりづらく、分かりづらく文章を書くような中途半端なインテリとは違う感じで共感を得ました。
最近は「池上彰」も「佐藤」とつるんで仕事をしているみたいで、少々がっかりしていたところです。
Gポストよりも魅力的?!
ご紹介いただいた本を図書館の蔵書検索しまくりになりそうです。
暖かいお言葉どうもありがとうございます。
皆様からの期待が思ったより高いようで、緊張しますが(汗)、マンドランさんがおっしゃって下さったように、気を楽にして、ゆっくりマイペースでいこうと思います。
私が皆様から学ばせていただくこと多々あるように思います。
ご一緒に楽しく研鑽できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
挨拶でどのような内容をアップしてくださるのか知らせてくださり、ありがとうございました。環境問題やイスラムの問題などにも触れてくださればいいなと思います。現在はKhaled Abou el Fadlさんの本を何冊か読んでいます。それらの解説も将来あれば嬉しいです。
日高さんのテレビ番組でキッシンジャーが今年はイラクを攻める年になるだろうと宣言していてその通りになりましたし、9.11では近場のエンロン関係捜査資料保管のビルもオマケで爆破されました。いろんな事が言われていますが真実はどうなんでしょうか。それ以来共和党は自爆したかのごとく劣化し続けていますし、オバマ政権も外交音痴にしか見えません。サブプライムも含めて謀略説に囚われてしまう日本人の思考パターンを解きほぐしてもらいたいと思います。こういう本はよく売れるし、ついなるほどと思ってしまうんですよね。半分以上洗脳されてますが。
卒業生が欧米風に正統的に優秀ですが、この方ですという教授を教えてもらえれば幸いです。
このような情報がほしかったと、思わせていただける紹介記事でした。
日々起こる出来事を表面的に追うのではなく、出来事の全体像を知りたい、出来事の底流に流れる歴史(経緯を含め)や、関係者を貫く(もしくは縛る)考えや思想、出来事に関係する地域・国・人の関係が知りたい、と思っていました。
また、本質を理解するための助けとなる文献にも期待しております。
【太平洋様:申し訳ありません、事情により最後のパラを非表示にさせていただきました。ご容赦ください。】
分かり易さを重視する。ここが気に入りました。やたらと小難しいことを書く人はいりません。雑談風も期待してますぞ。
暖かいコメントありがとうございます。
リクエストもご期待のお言葉も、大変励みになります。
皆様のご想像よりもずっとユルい内容、雑談風になるかもしれませんが(笑)、徐々にギアを上げる感じでゆっくり始めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
余計な文章を記載してしまい大変申し訳ありませんでした。非表示化ありがとうございます。
これからは、ご迷惑・ご負担をかけぬよう閲覧のみにいたします。
イラン核協議の記事について、歴史・経緯・背景・原因が分かれば今後の展開の可能性・選択肢も見えてまいります。本当に有益な内容でした。(^-^)
いえいえ、こちらこそ、勝手な事情により非表示にして申し訳ありませんでした。
何も迷惑なことはありませんので、これからも自由にコメントをお願いいたします。
イランの記事へのコメントもありがとうございます。励みになります。