2021/01/25 06:30 | メルマガ | コメント(3)
第63号 低金利が支える住宅市場、イエレン財務長官の為替政策
東京オリンピックの開催の可能性についての議論が、先週再び活発になってきました。
日本における医療体制を考えると、日本医師会などのコメントを十分参考にしながら冷静に判断する必要があるように思います。特に、ホストタウンに選定されている地方都市などでは、医療体制のひっ迫は想像に難くなく、今後の判断が待たれます。
一方で、選手の皆さんにおかれては、これが「運命」というのはあまりにも残酷すぎる気もします。何とか無観客でも記録や選手生命のために開催してほしい、と思うものの、スポンサー等の”大人の事情”でそうもいかない、というのであれば、気の毒すぎます。
この議論、3月くらいを目途に一定の結論が出るようですが、どうなるのでしょうか?メルマガ本文でも触れましたが、「気の早い」決断だけは避けてほしいものです。
●先週のマーケット
・相場雑感
●先週の米国経済統計(結果)
●今週の米国経済統計(予想)
●経済統計分析
・住宅着工件数 12月
・ベース効果に左右される2021年の住宅着工
・中古住宅販売件数 12月
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数 1月
・新規失業保険申請件数
・イエレン米財務長官の公聴会
・感染者ピークアウトの兆し?
●あとがき
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3 comments on “第63号 低金利が支える住宅市場、イエレン財務長官の為替政策”
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初歩的な質問ですみません。
今週のメルマガのイエレン公聴会のところで、”現在の米国株式をはじめとした資産価格の上昇を支えているのがドル安であることを考えると”と書かれています。
これは米国民(米企業)の海外資産がドル安により価格上昇しているということでしょうか?
または、市場へ大量のドルを供給したり低金利を維持したりすることで、投資が活況になり、米国内の資産価値上昇を支えているものの、一方でそれらの副作用としてドル安になっているということでしょうか?
正しい解釈を教えていただけますとありがたいです。
コメントありがとうございます。
ご質問で指摘いただいたロジックに加え、ドル安による資産価格上昇はいくつかのケースが考えられます。
日本でも円安による株高という事がよく言われますが、これは円安は輸出企業の期待収益を上げるため株価が買われるといったロジックです。これは、米国企業に置き換えても同様の事が言え、ドル安が将来の米国の輸出企業の収益を押し上げるため株価が買われるということになります。
一方で、通貨安(ドル安)は株価評価にも影響を与えます。米国外の投資家から見た場合、ドル安は株価評価を押し下げます。このことが投資を後押ししドル安で株価がかさ上げされるという事が起こりえます。これは、為替によって株価評価が調整されるということが起きるからです。
また、金融政策(ドル供給、低金利)による資産価値上昇とその副作用によるドル安、というご指摘もその通りだと思います。
現在のように低金利が続く環境で、米ドルがジャブジャブな状態になってくると、それ使って何かしようという機運が生まれてきます。それが米国内の資産を上昇させます。
一方で、ドルは基軸通貨なので、同じように金融緩和をしている円やユーロに比べても世界に出やすく、より国際的に出回ります。その行き先が金利の高い新興国なのか資源なのかということになりますが、結果的にそれがドル安を後押ししているという側面もありますね。
詳細にありがとうございます。
通貨安の利点についてこのように理解しました。
1. 通貨安により輸出企業の収益が上がる。
2. 通貨安により、米国外の投資家から見るとアメリカの株価が現地通貨では下がるため、割安になり買いやすくなって株価が上がる。
ぐっちーさんの教えで通貨価値=国力だという認識が強く残っており、ドル安のメリットがあまり理解できていませんでした。
もちろん行き過ぎは良くないのでしょうが、通貨安の効果について考える機会を下さりあらためて御礼申し上げます。