2025/05/26 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第305号 日米超長期金利上昇の背景
先週も再びマーケットが荒れています。特に債券市場の動きはわかりにくい部分もありますが重要です。政治的な要素や市場参加者の需給面など、いくつかの視点からこの動きを見ていきたいと思います。今週もお付き合いください。
●先週のマーケット
・石破首相のギリシャ発言
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 新規失業保険申請件数
2. 米住宅関連データ 4月
・住宅着工 4月
・新築住宅販売件数 4月
・中古住宅販売件数 4月
・今のところ問題ない米住宅データ軟化
3. 日米超長期金利上昇
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
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あとがき
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米中が早期に大幅な関税引き下げで合意し、市場も落ち着きを取り戻したと思ったらトランプ大統領がまた暴れ始めた。
先週、トランプ大統領が自身のSNSであるTruth Socialに、6月1日より、EUからの輸入品に50%の関税を課すべきと警告。EUは、4月にトランプ大統領が相互関税の上乗せ部分の一時停止を許可したのを受け、報復措置の発動を4月15日から90日間保留すると発表していました。
そうしたタイミングでのトランプ発言ですが、米国との貿易において優位に立つために作られた欧州連合は非常に厄介な交渉相手だとし、対EU赤字が米国にとって非常に重しになっている(年間2,500億ドル以上の赤字)ことを理由としています。
また先週のトランプ発言はこれでは終わりません、「だいぶ前に、AppleのCEO、ティム・クックに、米国で販売されるiPhoneは、インドや他のどこの国でもなく、米国で製造されることを期待していると伝えたんだけどな。もしそうじゃなかったら少なくとも25%の関税を払ってもらうからな!」と投稿。
中国と融和したと思ったら今度はEUとアップルがターゲットになったわけですが、結局、関税でトランプ減税の原資を作ったり、国内で仕事させて税収を増やし減税の原資を作ったりという、このやり方は変わってないってことになりますね。
ただし、EUにしても中国の交渉を傍目で見ていたわけで、ただでさえ金利が上昇している今の市場環境で、更に金利が乱れでもしたら、どうせトランプの方から折れてくると足元を見ていそうではあります。実際、50%は叩き台でここから落としどころ見つけるべく交渉していくとなれば、マーケットのリスクオフも限定的となりそうですが、さて?
先週気になった話をもう一つ。
某大手信託銀行元社員がインサイダー取引を行った事件の初公判が行われた模様。業務を通じて知った株式公開買い付けの情報が公表される前に3銘柄の計2万5900株を約3210万円で買い付け約2930万円の利益を得ていたという事件ですが、被告人質問で「(2千万円を貯蓄する)目標を達成しようという強い意欲から視野が狭くなってしまった」と答えたそうですが、確信犯です。
ここ最近、この信託銀行の事件だけでなく、金融庁、さらには東証の職員による同様の事件が相次いでいます。こういう「まさかその立場でそれはやらないよね?!」という事件が増えており、資本市場関係者のガバナンスの感覚がおかしくなっているのでしょうか?
しまいには、先週はこんな事件も。もう終わってます。
IRジャパンを強制調査 監視委、インサイダー取引関与疑い(5月22日付、日経新聞)
また先日は、預金者の名義を使って無断で別の口座を偽造、その口座へ融資を行う形で資金を流出させていたというのを組織的にやっていた疑いのある信用組合の事件が報じられていましたが、さすがに酷すぎる・・・。
こうした人のステータスだけでなく、企業の看板で信用度をはかるのすら難しくなっている社会、最近は弁護士が事件を起こすケースも多く、私のビジネス周りでもとんでもない弁護士に関する事件が先日起こったばかり、エラい時代になってきました。
さて、5月も最終週、夏日になったかと思えば急に気温が下がったりして、体調を崩さないようにお過ごしください。今週も1週間よろしくお願いいたします!
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