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2025/04/14 06:30  | メルマガ |  コメント(1) NEW !

第298号 世界を揺るがすトランプ関税で大揺れの米国市場


トランプ関税に全世界が振り回された1週間、目先のマーケットの動きは非常に激しく、株式市場だけでなく債券や為替市場においても混乱が見られました。発端はトランプ関税の発動ですが、何が起きたのか、そしてこれから注意しておきたいことなども触れていきたいと思いますので今週もお付き合いください。

●先週のマーケット
・再びバラマキ
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 米CPI・PPI 3月
 ・CPI 3月
 ・PPI 3月
2. 新規失業保険申請件数
3. トリプル安で売られる米国
4. 議事録はインフレ持続を指摘
5. 1Q米主要金融機関決算
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

***************
あとがき
***************

トランプ尽くしの内容、いかがでしたでしょうか?こんな状況がいつまで続くのかと思うと、ちょっと気が重い(笑)。

さて、先週、そのトランプ関税発動のお陰で、世界的に株式市場は大荒れ、S&P500は5000ポイントを割り込む展開となっており、何とかショックと並んで考えてもいいような下落になってきています。

過去を振り返るとリーマンショックコロナショック、最近でいうと米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻したことに端を発するSVBショック、そういった止められなかったリスクが暴発したようなショックと異なり、今回はトランプ大統領の気分次第(?)という人為的なショックだというのが幾分タチが悪い。

先週、トランプ大統領が自身のSNSに”THIS IS A GREAT TIME TO BUY!!! DJT”との書き込みをしました。NY市場が開いているときに、それも市場関係者が先行き不透明で悪戦苦闘しているときに「絶好の買い場が到来している!」という大統領も珍しいわけですが、第1期からトランプ劇場に付き合っている方は、またやったな、と思ったはず。

思い起こせば2018年12月19日、当時のパウエルFRB議長は、トランプ大統領による度重なる金融引き締め批判に気後れすることなく、その年4回目の利上げを決定、それを受けて株価は急落。トランプ大統領によるパウエル米議長の解任説まで噂されていました。その後も株価の下落は止まらずクリスマスイブの24日も大幅安となりS&P500は1年8カ月ぶりの安値で引けるというひどい相場。翌日25日のクリスマス、トランプ大統領がホワイトハウスで記者団に対し「米企業は記録的とも言える数字をたたき出している。従って私は今がとてつもない買いの好機だと思う。まさに素晴らしい買いの好機だ」と発言、新型コロナに至るまでの上昇相場のきっかけをつくった。

当時、この発言で10%くらい株価が急騰して市場を救いましたが、今回も、今が買い時だ!とSNSに書き込んだ後、90日間の関税導入延期の発表、株価はこれを好感し、S&P500は一時5500ポイントを超え、今回もまた+10%もの急騰となりました。まるで大統領によるインサイダー、相場操縦のようにも見え、もはや犯罪では?といいたくなるレベルですが、トランプ大統領はこれを平気でやってしまう。これで政権内で、インサイダー取引で利益を得ていたら問題ですが・・・、発表直前10分前コールオプションの出来高増えていたのは偶然かしら・・・。2018年以来、再びこんなマーケットでいいのかと思う先週でした。

今週も関税に関するヘッドラインに振り回される可能性はありますが、米中の報復合戦もエスカレートするところまでいきましたし、各国とのちゃんとした交渉がスタートすることを願うばかり。日米も具体的な交渉がスタートするようですし、関税交渉は次のフェーズに入っていくことになるのでしょう。ECBの利下げ予想やパウエルの講演、FED高官らの発言機会なども多数予定されていますので、今週もよろしくお願いします!

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One comment on “第298号 世界を揺るがすトランプ関税で大揺れの米国市場
  1. mohei より
    トランプ評

    いつも配信を楽しみにしています。
    生前、グッチーさんがダイヤモンド・オンラインにトランプ評を寄稿していましたが“理性的で賢く緻密、ビジネススタイルはヤマ師タイプ”との評価でした。
    本日配信の中で「トランプ大統領が米金利を下げることを一つの至上命題 に据えていたことがあると思われます~米国債が売られ金利の急上昇に つながった」と言及されていますが、計画的だけどギャンブル的な感じがでとてもしっくりきました。
    これからも旬な情報を楽しみにしています。

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