2024/09/30 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第266号 日本の新政権誕生、米国は雇用データ待ち、欧州は・・・
また、今週は、欧州経済についても触れています。リセッション懸念が顕在化してきたドイツ経済を中心に見ています。
●先週のマーケット
・早速、石破ショック?!
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. CB消費者信頼感指数
2. 新規失業保険申請件数
3. 緩やかに回復する住宅市場
・住宅着工 8月
・中古住宅販売件数 8月
・新築住宅販売件数 8月
4. 8月PCEデフレータ
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
あとがき
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欧州経済が製造業を中心に終わりの始まりのような状況に。
■ 購買担当者景気指数(PMI)
・製造業
ユーロ 44.8(45.8)
ドイツ 40.3(42.4)
フランス 44.0(43.9)
・サービス業
ユーロ 50.5(52.9)
ドイツ 50.6(51.2)
フランス 48.3(55.0)
50を下回ると景気後退入りを示すといわれていますが、欧州でも農業が強い国はまだましですが、とにかく製造業が足を引っ張っておりドイツの減速は明らか。ドイツの製造業の低迷が一段と深刻化しており、製造業の不振の余波がサービス業にまで影響を与えているともいわれている中で、先週、ドイツ連邦銀行が、ドイツは既に軽度なリセッション(景気後退)に入った可能性があると指摘しています。一方、サービス業はオリンピック需要がはがれたフランスを筆頭にやはり鈍化しています。
欧州製造業の落ち込みの背景には、紆余曲折をたどる電気自動車(EV)への傾倒があります。欧州車の売り上げは前年比で20%減ともいわれ、VWは創業以来初の国内工場閉鎖を検討している他、メルセデス、BMWの業績見通し引き下げなど軒並み苦戦を強いられています。その背景には、中国からの安いEV車(BYDや吉利汽車など)をドイツに輸入しすぎたことで、ドイツ車の国内におけるシェアが急速に縮小。欧州メーカーはブランドがあり高級路線を追求する傾向があるためそう易々と安売りはできない。結果として中国車のシェアが40%を超えてしまった・・・。
一方で、高級路線を追求し中国での需要を見込んでいた欧州メーカーですが、現在、その中国は景気後退に直面しており、中国需要が空振りとなれば、製造業のドイツとしてはひとたまりもありません。加えて、安いEV車の流入から域内経済を守ろうと、EUは7月から最大で中国EV車に40%近い追加関税を課すことを決定しました。域内経済を守るために関税をかけたことで、結果的にインフレもなかなか収まらないとなると、八方塞がりの感もありますが、やはり、欧州のリセッションは回避できないのか。
そして、その中国は27日、短期金利を1.7%から1.5%へと0.2%利下げ。さらに、金融機関から強制的に資金を預かる比率「預金準備率」を0.5%引き下げ、日本円にして20兆円余りの資金を市場に供給することを発表しました。
この緩和策でコモディティや中国株が上昇していますが、中国の実体経済への影響はほぼ期待できないでしょうし、中国が抱える根本的な問題を解決するものではありません。むしろ、中国経済の深刻な状況を浮き彫りにするだけということも・・・、ということで欧州、中国と世界経済が賑やかになってきました、視野を広げていく必要がありそうですね。
さて、今週もここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。明日からいよいよ10月です。先週あたりからすっかり秋らしくなり、過ごしやすくなりました。しかし、先日の豪雨に見舞われた能登半島では現在も懸命な復旧作業が続いています。地震の時もそうでしたが、とにかく交通インフラにかなり限りがあるため、物資の輸送に限界がある。特に、生活に不可欠な「水」が不足しているといわれています。
ここは政治、新政権に大いに期待したいところですが、9日にも衆院解散に踏み切り「10月15日公示、27日投開票」の日程を軸に衆院選を実施する方針です。10月中旬以降から予算委員会が始まることなどを考えると、能登の生活再建について腰を据えて取り組むのは地元自治体を中心にせざるを得ないでしょう。地元の方々がせめて復旧に希望を持てるよう、石破新内閣のメンバーには、こうした目の前の課題にも早々に着手してもらいたいところでしたが・・・。
今年も残り3カ月、いや、そこは「まだ3カ月」ということで、10月もよろしくお願いします!
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