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2024/06/10 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第250号 米雇用統計、予想を上回る雇用者数も、最も重要なのは賃金加速


雇用関連の統計が相次いだ先週。雇用者や失業者の推移もさることながら、賃金インフレの推移や潜在的なリスクについては定点観測の中から注視していく必要があります。

今回の雇用統計は、こうした意味で、予想と異なる統計結果だったこともありますので、丁寧に見ていきましょう。まずは、今週のアウトラインから。

●先週のマーケット
・見えてきた賃上げ
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析

1. ISM景況レポート
 ・ ISM製造業5月
 ・ISMサービス業 5月
2. 米雇用関連データ
 ・JOLTS 4月
 ・ADP雇用統計5月
 ・新規失業保険申請件数
3. 予想上回る5月雇用統計
 ・雇用統計総論
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

●あとがき

先週末、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の銀行と証券会社2社が、顧客企業の非公開情報を同意を得ずに共有していたなどとして、証券取引等監視委員会が3社に行政処分を行うよう金融庁に勧告する検討に入ったと報じられました。3社とは、三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券です。

簡単に言うと証券サイドは、顧客企業の同意を得ずに、銀行側から取引先企業の非公開情報を得ていた。また、銀行サイドは、顧客企業に対し、銀行がやっちゃダメな有価証券の勧誘行為をした上で、グループの証券会社と取引してくれたら貸出金利を優遇しまっせと提案しちゃったということでしょうね。

グループの総合力の強い、総合金融グループにおいては、グループ力を発揮すればするほど、容易に起こりうる事故(だからこそ、担当者は最新の注意を払うわけですが)と思われます。Saltも一時、赤い銀行におりましたので、こうした事故を耳にしても「ありえるよなぁ」とあまり驚きはないのですが、今回は、一部の事案では役員も絡んでいたとの情報もあり、同社の業績への影響はともかく、内部的には色々大変そうです。モルスタも絡んでますし。今週、モルガン・スタンレーの人間ともちょうど会う予定なので、いろいろ(愚痴を?)聞いてみようと思います。

しかし、三菱UFJ銀行はちょっと前に社内向け業務の見直しで社内会議での参加者への「根回し」を止めます、なんて報道がされていましたが、そっちの根回しやめても、顧客向けに違法な根回ししていたら世話がない。ということで日本を代表する総合金融グループであるという自覚を持っていただきたい。

さて、先週月曜日朝、再び石川県を中心に震度5強の地震がありました。ちょうど同じころ、長く同地域でボランティア活動をされている方のインタビューを聞く機会があったのですが、「何が一番必要か?」という質問に対して「忘れないでほしい、ただそれだけです」と。胸が締め付けられる想いがしました。寄付でも、近隣地域や復興中の旅行やレジャーなどでもいいのかもしれませんが、「無関心」が一番地元の方を苦しめるのかもしれません。

陸路は、特に半島部分は使える道が限られ、海からのアクセスは海底の地形が変わってしまっており、接岸が極めて難しいという説明もありました。海底の地形の変化については、漁業にも影響がでており、また仮に水揚げがあっても、出荷する手段もなければ、冷やしておく氷などの調達も難しく、漁業は壊滅的な打撃だということです。日本海側の漁業への影響はこれからさらに明らかになっていくかもしれません。

そうした中、読者の方から、寄付を続けていますというメッセージをいただきました。少しでもこうした輪が広がればうれしいです。

令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について
 
みなさま、最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。今週は、イベント盛りだくさんですが、よい1週間をお過ごしください!

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