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2025/06/29 19:00  | 戦略論 |  コメント(0)

トランプ政権を動かす原理


国際政治における戦略面での今週最大の注目点は、引き続き米軍によるイランの核施設への攻撃に関する話です。

前回の記事(以下のリンク参照)では、米軍のイラン核施設に対するバンカーバスターを使用した攻撃について、シカゴ大学教授のロバート・ペイプの論文を紹介しつつ、戦略的成果が得られたのかを考察しました。

・「イスラエルの無益な斬首作戦と巻き込まれる米国」(6/24)

この攻撃がとりあえず作戦としては劇的な成功を収めたという点では米国内の評価はほぼ一致しています。しかし「イランの核開発プログラムをどれほど遅らせたのか」「どれほどのダメージがあったのか」という、いわば「損害分析」の評価においては、現時点では意見がわかれており、それが政治問題化しています。

その議論の中心にあるのが、「イランの核開発プログラムは完全に消滅(obliterated)した」としたトランプ大統領の6月21日の発言です。これについて米メディアは国防情報局(DIA)からのリーク情報を元にスクープ記事を発信しており、「イランの三箇所の核施設に対する攻撃そのものは成功したものの、その成果は限定的であり、核開発計画を数ヶ月遅らせた程度」という当局の早期分析を暴露しています。

Intel leaders say new intelligence shows Iran’s nuclear sites could take “years” to rebuild(6/25 CBS NEWS)

このようなメディアのリーク記事に怒ったのが、トランプ大統領の忠実な部下であるピート・ヘグセス国防長官です。現地時間26日に開いた記者会見の中で彼はヒートアップし、とりわけ元同僚であるFOXの記者が「濃縮ウランが本当に運び出されていないのか確信があるのか」と確認すると、ヘグセスは「ジェニファー、あなたは意図的に間違った報道をする最悪の人間だ」と侮辱するような発言にまで及びました。

Pentagon officials defend success of U.S. strikes on Iran amid intel leak, rebuking press’ coverage of attack(6/26 CBS NEWS)

これはつまり現トランプ政権が(友好的なFOXも含めた)メディアを敵視しており、政権の解釈に従わなければ侮辱するという攻撃的な姿勢を表したエピソードとして語り継がれそうな話ではあります。

そしてここで今回の本題として考えたいのが、このようなトランプ政権の行動原理です。とりわけ日本にも影響のある対外政策について、我々はどのように捉えればいいのかという点です。

これについては本メルマガでも第14号や第17号(いずれも下記のリンク参照)でまとめて紹介し解説してきましたが、今回はアメリカの古代ローマ史を専門とする教授による興味深い論文がありましたので、その中身を紹介しつつ解説していきたいと思います。

・「劇的に進化するAI」(2/8)
・「トランプには首尾一貫した戦略があるのか?」(3/2)

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

目次は以下のとおりです。

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トランプ政権を動かす原理
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▼トランプ政権の行動原理は?
▼新たなモデルによる分析
▼日本にとっての教訓?
▼本の紹介

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