2025/08/26 08:00 | 戦略論 | コメント(0)
反グローバリズムは共産主義と同じか
先週からの戦略関連のニュースで注目すべきは、やはりウクライナ戦争の講和実現に関する話題ですが、直近ではラブロフ外相が「ゼレンスキーvs.プーチンの直接対談は実現しない」とインタビューで断言したのが印象的でした。
■ ウクライナと首脳会談「予定なし」 ロシア外相(8/22 時事通信)
思えばこのラブロフ外相、実に任期が長いですが、先日ルトワックとインタビュー関連で話をしていた時に「彼は冷戦時代のグロムイコとそっくりだ」という話を聞いて妙に納得したものです。
アンドレイ・グロムイコ(1909〜89年)といえば、冷戦時代にソ連外相を27年間(1957-85年)も務めた人物ですが、その前の国連大使時代には国連安保理常任理事国の代表として拒否権を発動しまくり、あまりに「ノー」を言うことが多いので「ミスター・ニェット(ロシア語のノーにあたる)との異名をとったこともありました。
ルトワックによれば、ラブロフの立場もグロムイコそのものであり、上記のニュースでも否定している通り、外に対して否定的な態度をとる役割を果たしているという点を考えると、やはりウクライナとの直接会談はないのでしょう。
ということで、戦争はこのまま継続する見込みが高くなってきたわけですが、あらためて大国が戦争を終わらせることの難しさを、我々はまた目撃することになりそうです。
さて、今週の本題は、いよいよ先日発売された拙訳の新刊『認知戦』に絡む話として、参院選の時に盛り上がった参政党に関する話をしたいと思います。
■ イタイ・ヨナト著 奥山真司訳『認知戦 悪意のSNS戦略』
※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。
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反グローバリズムは共産主義と同じか
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▼反グローバリズム
▼日本人の思いを代弁?
▼共産主義との親和性?
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近況報告
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先週末のことですが、実はいま、早稲田大学の社会人講座でゼミの講座を担当しております。
毎週土曜日の4週連続の短期開催なのですが、今回はとくにボードゲームを使って「地政学的な考え方」というものをじっくり学んでいただこうという魂胆でして、さっそく第一回目を行いましたが、なかなか学生たちの反応はよい感じでした。
地政学を本で理解するのは簡単ですが、それを実際に身体を使って直接的に「体験」するには、私はボードゲームを使ったシミュレーションを行うことが一番てっとり早いと考えています。
問題はやや時間がかかってしまうことですが、自衛隊を含む世界各国の軍がこの方法を実践しているということもあり、手軽にゲームという形式で一般国民がそのようなことを楽しみながら学んでみるのは本当に役に立つのではないかと思います。
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