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2025/08/30 10:30  | 戦略論 |  コメント(0)

トランプ政権を「地政学的」に批判?


今週の戦略関連のニュースで注目すべきは、なんといってもトランプ政権の関係者がデンマーク領のグリーンランドで情報工作を行っていた、と報じられたことです。

“米国籍の人物ら グリーンランドで情報工作”デンマーク報道(8/28 NHK)

この記事によると、トランプ政権とつながりのある人物が「グリーンランドの取得を支持する住民と反対派の住民のリストを作成していたほか、デンマークとの関係を悪化させるような情報を拡散し、アメリカ寄りの主張を広めようとしていた」とのことでした。

これがいかに異常なニュースかと言えば、アメリカが同盟国(デンマーク)の領土を分断して自国に組み入れようとしている、といえばお分かりになるかと思います。

日本に置き換えてみると、たとえば沖縄にわざわざ米軍が分断工作をしかけ、米国の領土にしようとしている・・・というニュアンスになります。こんなことやられたら日本では大騒ぎになりますよね。

あまり日本には伝わってきませんが、トランプ政権はアメリカ国内でもかなりハチャメチャな動きをしており、民主党の強い州にわざわざ(連邦政府が管理する)州兵を派遣したり、政敵を追い落とすために司法省を動かすなど、実に不穏で、ほぼ独裁者ともいえるような動きを行っています。

その一方で日本に目を移すと、中国政府が9月3日に北京で行う抗日戦争勝利80年記念行事に鳩山由紀夫元首相が招待されていました。さっそく産経新聞が招待された本人に取材をしています。

鳩山由紀夫氏、抗日戦争80年行事出席意向「信頼はアジア平和に」プロパガンダ利用懸念も(8/29 産経新聞)

この記事にあるように、鳩山元首相は「どういう式典になるかは分からないが・・・(日本側からも)メッセージを出さないといけない」と答えています。

こんなことをすれば中国のプロパガンダに利用されるのは明らかなのですが、このような行動は拙訳『認知戦』の中でも言及された「役に立つ馬鹿」に該当してしまうようで、とても心配になります。

さて今回は、久々に地政学に関係する論文を紹介しつつ、その読みどころから日本の戦略を考えてみたいと思います。

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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トランプ政権を「地政学的」に批判?
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▼著名な歴史家のトランプ批判
▼大国間競争の時代
▼現代におけるシーパワーとランドパワー
▼得られる教訓は?

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近況報告
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先週のことですが、X(旧ツィッター)で海外の駐在員の妻らしき人(フェイクらしいですが)が「日本からの土産でとらやの羊羹をもらっても嬉しくない!」などとポストして大炎上しましたね。

ところがあらためて考えてみると、羊羹というのはおやつとしてだけでなく、実に高機能な実用食品なんですよね。

実は数年前に、ある有名な登山家の方に「最高の携帯非常食は羊羮だぞ。チョコのようには溶けないし、ビスケットよりも水分や糖分があって食べやすい。ネパールのシェルパたちも絶賛している」と教えてもらったことがあります。

つい自分でも食べたくなって近くのスーパーで探したら、一口サイズのものがけっこう多いんですよね。

非常食兼おやつとして、今後は我が家に備えることに決定しました。

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好評発売中の書籍
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『世界最強の地政学』文春新書
『新しい戦争の時代の戦略的思考』飛鳥新社
『サクッとわかる ビジネス教養 新地政学』新星出版社、改訂版(再び増刷決定!)
『やさしくわかるエネルギー地政学』小野﨑 正樹、技術評論社
『クラウゼヴィッツ: 『戦争論』の思想』マイケル・ハワード著、勁草書房
『地政学:地理と戦略』コリン・グレイ&ジェフリー・スローン編著、五月書房新社
『戦争の未来』ローレンス・フリードマン著、中央公論新社
『インド太平洋戦略の地政学』ローリー・メドカーフ著、芙蓉書房出版、
『戦争はなくせるか』クリストファー・コーカー著、勁草書房
『デンジャー・ゾーン』マイケル・ベックリー&ハル・ブランズ著、飛鳥新社
『スパイと嘘』アレックス・ジョスキ著、飛鳥新社
『アジア・ファースト』エルブリッジ・コルビー著、文春新書(第三刷決定!)
『認知戦:悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト著、文春新書(★最新刊★)

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