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2025/08/17 18:00  | 戦略論 |  コメント(0)

中国が仕掛ける認知戦


今週の戦略関連のニュースで注目すべきは、先週に引き続きやはりトランプ大統領とプーチン大統領の会談ですね。

先週の時点では、当事者であるウクライナのゼレンスキー大統領の参加の可能性があるという話でしたが、結局は参加せず、アラスカのアンカレッジにある米軍基地にプーチンがやってきて会談が行われました。

【速報】米露首脳が並んで共同会見 和平合意に至らずもアメリカ・トランプ大統領「一定の進展があった」 ロシア・プーチン大統領「会談は建設的で有益。次回はモスクワで」(8/16 FNNプライムオンライン)

予期されていた通り、何も成果はなかったようですが、私は結果的にトランプがプーチンに利用されただけだと考えております。いずれにせよ戦争はまだ長引きそうですね。

その影に隠れてあまり目立っておりませんでしたが、地政学的に画期的なことがトランプ政権によって行われていました。現地時間8月8日ホワイトハウスにおけるアゼルバイジャンとアルメニアの和平実現に向けた共同宣言が行われたことです。

アゼルバイジャンとアルメニア 米仲介で和平へ 共同宣言に署名(8/9 NHK)

このニュース、ロシアのコーカサス地方からイランに抜ける南下ルート上にあった二カ国がともにロシアと関係を悪化させたという意味では、ますますロシアの権威の弱体化を印象づけるものとなりました。

とりわけこの宣言には、南カフカスの戦略的な輸送回廊における米国の独占的な開発権が含まれているという点で、米国の権益が直接及ぶという意味でもロシアにとっては大きなショックだったと思われます。

もちろんこの回廊(トランプ・ルート)の安全をどこまで確保できるのかは今後の課題ですが、少なくともロシアも今回の会談で、ここにアメリカの影響力が及ぶことを認めた格好になっています。

ロシア「トランプ回廊」を支持 アルメニアの物流ルート(8/15 KYODO)

これによってロシアはイランとの陸路を断絶されることになります。この地域の戦略地図は確実に塗り替わっていますね。

さて、先週は数日後に刊行されるイタイ・ヨナト著・奥山真司訳『認知戦 悪意のSNS戦略』の中から、「ロシアが仕掛ける認知戦」についてご紹介しました。そして今週は、いよいよ日本にとって最も関心のある中国のSNS上の工作に関する部分をまとめてご紹介します。

「新刊 『認知戦 悪意のSNS戦略』」(8/3)
「ロシアが仕掛ける認知戦」(8/10)

※ここからはメルマガでの解説になります。目次は以下の通りです。

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中国が仕掛ける認知戦
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▼中国の工作
▼コロナ禍の影響
▼広がるネガキャン
▼日本への警告

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近況報告
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お盆休みに入ってから外で行うイベントがなくなったので、ようやくじっくりとたまっていた原稿に向き合って色々と片付けております。

そこではたと気づいたのですが、どうも締切が「お盆休み」や「夏休み」の明けに設定されていることが多いんですよね・・・。

誰かがSNSでつぶやいていましたが、学者や作家のような職業というのは、年中休みというわけではなく、むしろ「夏休みの最後の10日間」が毎日続いているような感覚だと言っておりましたが、言いえて妙だと実感しました。

休み明けの締め切りは辛いです。

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