プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/07/04 00:00  | by Konan |  コメント(1)

Vol.95: 景気その後


このコーナーでは、日銀レポートの紹介を含め、時折日本や世界の経済情勢について触れています。自分の頭が十分整理されている訳ではありませんが、簡単に当面の注目点を挙げてみたいと思います。

まず、日本経済について、私は大震災の影響を悲観的にみていましたが、良い方向に外れる可能性が強まっています。懸念材料はサプライチェーンの寸断や原発事故の後遺症に伴う電力供給不足問題、あるいは自粛による消費の落ち込みでした。このうちサプライチェーンについては、日本の製造業の驚異的な底力が発揮され、生産を再開し巡航速度に乗せる動きが強まっています。電力不足も深刻ですが、見事な統制力により使用量を平準化することで、乗り越える目途がつきつつあります。自粛ムードも連休後は大分和らいできた感じです。

先進国経済に目を転じると、欧州は予想通り不安定な動きです。ただ、金融面はギリシアをはじめ一触即発状態である一方、実体経済はユーロ安を背景とした底堅さもあるので、金融面だけみていると、少し悲観的過ぎるのかもしれません。米国はぐっちーの警告・予想が的中しそうな感じが強まっています。バーナンキ議長もこのところ自信を失ったようにみえます。よく、不景気時の大統領再選は無いと言われますが、このままの状態が続くと、オバマ大統領再選にも影響が出てくる可能性があります。
新興国・資源国経済のうち、ひとつの注目点は中東の政治的安定性ですが、この点は正直言って予想が難しいところです。ただ、サウジアラビアまで不安定化する最悪の事態は当面回避できそうなので、何とか乗り切ることが出来るかもしれません。

もうひとつの注目点は中国です。バブル崩壊を相当深刻に警戒しておく必要があるかもしれません。楽観的にみれば、2ケタ成長が7、8%成長に低下する程度であり、財政の余力もあるので、持ちこたえると考えることもできます。悲観的にみれば、不動産価格等の動向がとても気になります。

最近よく「中国国外で流通する人民元」のことが話題になります。1兆元とも言われるようです(統計に当たった訳ではないので引用は控えて下さいね)。ひとつには、「人民元がドルに取ってかわる日も遠くない」という意味を持ちますが、別な見方をすれば、中央銀行である中国人民銀行の各種コントロールが難しくなっていることを示しているのかもしれません。この辺、もう少し勉強してみたいと思います。

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One comment on “Vol.95: 景気その後
  1. ベルドン より
    景気其の後

    繁栄を極めた中産階級国家・・日本も・・増税と言う・・暗雲・・

    英国国教会を創立した英国は・・教会の財産を没収・・豊かになった・・同時に・・英国の社会保障も崩壊・・
    何故なら・・
    貧しき人々を・・修道院が面倒みていた・・

    税も没収も同じである・・・

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