2011/06/20 00:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.93: 大震災と海外
今回は、仕事上付き合いがある外国人から聞く大震災の感じ方について、簡単に触れたいと思います。
国内メディアの方に聞くと、日本で報道される大震災の映像は相当カットされているそうです。悲惨な映像を映せない、流すと「被災者の気持ちが分かっていない」と抗議されてしまうことが理由です。海外の方がみる報道はそうした配慮がされない分、とても衝撃的です(私も海外出張中に映像をみてショックを受けたことがあります)。海外の方の心象形成はこうした映像に基づいています。
映像でみる地震、津波の恐ろしさに加え、原発の恐ろしさも関心の的です。成田に行くと、日系以外の便が減ってしまった印象を受けますが、「東京は大丈夫か?」と様々な人に聞かれます。ガイガーカウンターが在庫不足で買えないといった話しも耳にします。情報隠しへの不信感が強いことは、先日のG8サミットでも感じられたところです。
他方、日本人の辛抱強さ、団結力の強さへの賞賛の声も何度も聞きました。ある国では、「自国でこのような災害が起きたら、日本人のように対応できるのだろうか」と真剣な議論が起きているそうです。この点での日本人のレピュテーション向上は間違いないところです。
そのうえで、「部品が入ってくるのか」「日本企業の海外進出にブレーキがかからないか」「ODAが削減されてしまわないか」といった実利的な部分への関心が高まっています。「日本企業も政府も国内投資に金をつぎ込まざるを得ないので海外に回す金が無くなってしまう」との心配が真剣になされています。実際、震災復興財源の議論でODA削減が俎上に上る可能性は十分あります。
私は、民間企業の海外投資が減ることはないと思っています。企業が生産基盤の再構築を図るうえで、日本の震災リスクを今まで以上に深刻に考えるならば、投資先が海外になることは自然であり、それを国賊扱いすることはおかしいと感じます。ODAについては、総額の減少はやむを得ないかもしれませんが、日本にとっての戦略国(資源国、インドや東南アジアなど)への投資を怠ることは許されないと思います。海外とのつながり抜きで日本の成長を考えられないという点は、大震災の後も変わらぬ命題と思います。
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2 comments on “Vol.93: 大震災と海外”
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経済的には・・
自信を持って・・
我々は・・乗り切れる・・乗り切れるどころか・・足が地に着く度・・前より・・強力になって・・甦る・・と言いきれる・・
が
それは・・
政治の指導力か・?・
と問われれば・・お空を見上げる事になる・・
弱力な政治故・・なりふり構わず・・励ねばならぬ・・哀しき経済力・・だろうか・・・??
親と金は何時までもあると思うなと言う格言があるが人生は自分で創る以外にない、戦争に遭おうが天災に遭おうが人災に遭おうが国も誰も助けてくれない、自分でそれなりに遣っていくしかない、皆同じだから悩むこともない、運命だと思えば我慢も出来る、人生の達人だってこんな目に遭うと、どうしようもないだろう、被災者の名簿を作って義捐金を等分して渡して遣ればいい、皆同じなんだから。