2012/01/09 00:00 | by Konan | コメント(1)
Vo1.122: 新年特集〜その2(世界経済)
さて、新年特集の2回目。今回は経済を取り上げます。日本経済の行方は世界経済に左右されるので、まずは世界経済から。
注目点は昨年に引続き、欧州経済、米国経済、中国経済を中心とする新興国経済です。
欧州経済については、昨年世界を揺るがしたソブリン危機、ユーロ危機の行方が最大の注目点であることは言うまでもありません。現に、円ユーロ相場が市場最安値を更新するなど、危機が収まる気配はありません。この点について、私は「良くなることは決してないが、市場崩壊もないだろう」という底這い予想です。地球最期の日を予言したぐっちーほど悲観的ではないが、楽観はしていないという感じでしょうか。
昨年12月9日の欧州首脳会議により、欧州として切り得る札の全容が明らかになり、少なくとも当面はこれ以上望めない状況です。この合意、EFSFの機能拡充のような短期的なショックに対するファイアウォール(防波堤)整備の点で力不足であることは明らかで、次の市場の攻撃に持ち堪えることが出来るか、心許ないことは否定できません。
ただ、今回のEU首脳による「短期間での解決は難しい。時間はかかるかもしれないが、加盟国が財政規律を取り戻し、市場の信認を得ることが正攻法」という判断は、長い目でみれば正しいと思いますし、市場の極端な動きに対するけん制効果を持ち得ると期待もしています。別な言い方をすれば、市場関係者がユーロ崩壊を望みそれを目指すなら、自己実現的にそうした結果が生み出されるモメンタムは既にたまっていると思います。ぐっちーはまさにそうした点を指摘していると思います。しかし、「ユーロ首脳はユーロ崩壊を望んでいない。ユーロとは長期的な視点で付き合わざるを得ない。壊してもあまり得ではないかもしれない」と市場関係者が思えるのであれば、何とか自制し踏み止まるのではないか、というところでしょうか。
古今東西の中央銀行の諸例をみると、インフレリスク懸念へのバイアスから、金融緩和措置が遅れ気味になった例が数多くあります。日本では1991年半ばに金融緩和に踏み切りましたが、その時すでにバブルは崩壊し転落が始まっていました。このような認知のラグの習性を持った中央銀行が緩和に踏み切ったことは、逆説的に言えば、中国経済の姿が思った以上に悪いことを示唆しているかもしれません。
次回は以上を踏まえ日本経済について簡単に触れたいと思います。
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One comment on “Vo1.122: 新年特集〜その2(世界経済)”
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面白い・・
と読み直せば・・読み違い・・
常にCRUさんは・・正常の位・・過激なことを書くはずがない・・
ぐっちーのは・・触れなば散らんでそうろう・・
形を変えた・・失われた十年が・・手を繋いで・・ラインとセーヌの川底を・・歩く・・潜水泳法が・・ECで始まっている・・・