2011/10/24 00:00 | by Konan | コメント(2)
Vol.111: 日債銀無罪
本件は1998年に経営破たんし、その処理に大規模な公的資金が投入された日債銀の経営陣に対し、刑事責任が追及されてきたもので、逮捕から12年を経て、検察が上告を断念し、無罪が確定した構図です。
まず、バブル崩壊後の金融危機においても、それを切り抜け生き延びた金融機関は多数ありました。逆に言えば破たんした金融機関の経営陣に何らかの問題や責任があることは否定できません。ただ、ひとつには、そうした問題を作り出した経営者は既に退任し、その尻拭いを任された新経営者がトップの間に破たんしてしまうケースが少なからずありました。この場合、責任追及は前者(作り出した方)に対し行われるべきです。今回のケースでは、後者に対する責任追及が含まれていた点に違和感がありました。
次に、民事での責任追及、具体的には株主代表訴訟と、刑事での責任追及とでは重みが異なります。以前時効についてこのブログで触れたことがありますが、刑事の基本は「罪刑法定主義」「疑わしきは罰せず」です。これは、過去の歴史において、多くの国で国家権力により無実の人が多数処刑されてきた歴史を踏まえ、刑事責任の認定は極めて厳格に行うべきという考え方に基づいています。単に経営に失敗することは決して刑事犯罪ではありません。
バブルの生成には「乗せられてはしゃいだ」民間主体も加担しています。ただ、プラザ合意後の円高不況を乗り切るため取られた当時としては未曽有の低金利政策を必要以上に長引かせたことが、最大の要因と思います。その責任は、今の枠組みであればすべて中央銀行である日銀にありますが、当時金融政策の独立性が認められていなかったことを踏まえると、政府・日銀の共同責任と考えざるを得ません。
繰り返しになりますが、当時の政府・日銀関係者を刑事処罰せよとは思いません。ただ、私の知る限り、当時の政策決定に関する公式なレビューや反省は行われていないように思います。この程度はやるべきではないでしょうか。
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2 comments on “Vol.111: 日債銀無罪”
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訴訟を・・
出来れば・・最高裁までやった者じゃないと・・国民には・・裁判の実態と仕組みを・・まず理解出来ない・・
民事に比べ・・刑事は・・厳しい立証を求められる・・
が・・
最近・・怪しげな判決もある・・
この事件は・・裁判官が踏みとどまった例なのでしょう・・
イランの司法は・・検事と裁判官が同一人物・・という司法だが・・無罪が出る場合も・・少ないがある・・
日本の司法制度も・・徐々にイランの司法に・・近づきつつあると・・思うのは・・僕だけだろうか・・・??
怪しいというか、そのものと言う判決ですよね。。。
違法収集証拠の排除かに見えたら
あーーらドンデン返し
証拠主義は何処へ
推定と推認で有罪
起訴事実に関係の無いことまでワザワザ認定
他の裁判の為としか思えない判決
経歴を見れば腑に落ちる。
イランのさらに上を行っているような・・・
法治国家 → 放置国家