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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2009/10/19 00:00  | by Konan |  コメント(0)

Vol.6: 自民党(その1)


9月末、自民党の谷垣新体制が発足しました。また中川元大臣の逝去のような痛ましい事故もありました。そうした中、今回と次回は、与太話的に自民党に関する思い(?)を書きたいと思います。私は政治学者のように政治の専門家ではないので、かなりいい加減な記載になると思いますが、ご容赦ください。

個人的には、1990年代、ある自民党の先生への個別レクの際、人生の中で最もひどく怒鳴られ続けられたこと(その先生も、すでに他界されました)、ある会合で、中曽根、宮沢、竹下という3人の歴代総理+河野元総裁がひな壇に並ぶ姿を拝見し、オーラの凄さに圧倒されたことなど、今となっては大変よい思い出です。その後年を経て、かばん持ち(上司のサポートのため、会合の後席に控えていること)も卒業し、党の会合の前席で説明や質疑対応なども行うようになりました。この前席、後席ということで言えば、党の早朝の会合では、朝食(和風のお弁当)が出てきます。議員の先生方はそれを食し、そして議論に臨みます。官の人間も、前席に着けばそのお弁当を食すことができます。民主党の会合は缶のお茶1本であることと大きな違いでした。政権交代で、そうした面もリストラされるのかもしれませんね。

さて、与太話の1つめは、会合に出ていたときに感じたことです。世間では自民党の先生方は不勉強で地元の利権ばかり考えるといったイメージを持たれているかもしれませんが、実はそうではありません。会合では、様々な、見識のある、あるいは経験に裏付けられた意見や質問が出され、活発な議論が行われます。部会長、座長の提案(例えば法案を党として了解しよう)についても、結構異論がでます。

ところが、大変不思議なことに、多くの意見が出され、原案が修正されると思いきや、最後は、部会長や長老のような方が「いろいろなご意見は承った。あとは一任をお願いしたい」と仕切り、すると、それまで反論されていた方も含め「異議なし」と声を揃え、それで会合が終わってしまうケースが、私の見る限り殆どでした。「何のため一生懸命議論されていたのだろう」と不思議に思うことが何度もありました。結局のところ、案件ごとに案件の仕切り役的な方がいて、その方々が官(政府)との調整を踏まえ党をまとめる、というプロセスが取られている訳で、党の議論はガス抜きの意味合いが強いということなのでしょうか。

政権交代後、官は公式に野党である自民党をサポートすることは出来ません。そうした中、党内の多様な見識を集約し、1つの政策対案にまとめていく党内のプロセスがどう構築されていくか、注目したいと思います。言い換えれば、党の総力をいかに具体的な政策に具現化していくかが、今後試されるということでしょうか。

与太話の2つめとして、自民党の支持者の方々(年齢的には還暦前後の方々)と話しをした際のエピソードを紹介します。私が接した方々は自民党支持者のごくごく一部なので、それを一般化して語ることは危険ですが、大変象徴的な意味合いがあると感じ、紹介する次第です。

日本の今後の成長戦略が話題になった際、私から(やや挑発的に)「労働力人口の維持が重要ですね。そうすると、外国人を一層受け入れること、女性の社会進出を進めつつ子供も生みやすい環境を整備することなど、これまでの日本の仕組みを大きく変えていくことも求められますね。その際、日本人と外国人の平等、男性と女性の平等という、当たり前の原則をしっかり再認識することも必要かもしれませんね。(やや論理は飛躍しますが)夫婦別姓なども受け入れるべきではないでしょうか?」と話すと、「そういうことなら、別に経済成長しなくても構わない」と返されました。価値観の差に大変驚いたというのが、正直な感想です。

さて、折りしも千葉法相が、夫婦別姓導入に向けた民法改正を行う方向性を提起しています。報道によると、与党内にも異論が出始めているようで、その帰趨は読めません。ただ、本件が、今後日本が進んでいく際の軸足をどこに置いていくか決めていくうえで、間接的かもしれませんが、上記の私から自民党支持者への問いかけのような意味で、極めて重要な関わりを持つ論点(しかも経済に関しても!)なのではないかと感じています。そして、恐らく伝統的に日本的価値観のようなものを大事にしてきた(前回選挙のマニフェストでもそうしたフレーバーを出していた)自民党が、本件についてどのように党の意見をまとめていくのか、注目したいと思います。もし仮に政府与党が民法改正の方向でまとまり、逆に自民党が反対という構図になれば、国民にも両党の対立軸の1つが鮮明にみえてきます。逆に自民党も賛成ということであれば、自民党がこれまでと違う方向に踏み出したことを訴えることにつながるのかもしれません。その意味で、本件が雲散霧消せずに、民主、自民双方の価値観があらわになるような展開を期待します。

次回は、もうひとつの与太話を続けたいと思います。

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