2024/12/02 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.256: 内閣府月例経済報告
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現状の基調判断は維持
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現状の基調判断は維持されました。
・基調:景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している
・個人消費:一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる
・設備投資:持ち直しの動きがみられる
・住宅建設:おおむね横ばいとなっている
・公共投資:底堅く推移している
・輸出:おおむね横ばいとなっている
細かくみると、個人消費は前月は「持ち直し」の前に置かれていた「このところ」が削除され、公共投資は「堅調に」から「底堅く」に修正されました。前者(個人消費)はやや上方修正=持ち直しは「このところ」にとどまらない=、後者(公共投資)は若干の下方修正=「底堅く」は減りそうだが踏み止まるイメージ=となります。ただ、官庁用語は分かりづらいですね。
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先行きは米国を懸念
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先行きの基調判断では「アメリカの今後の政策動向」に十分注意する必要があるとされました。トランプ政権誕生を控え、ある意味で当然のことと思います。
・基調:雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国経済における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある
・個人消費:雇用・所得環境が改善する下で、持ち直していくことが期待される。ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある
・設備投資:堅調な企業収益等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:当面、横ばいで推移していくと見込まれる
・公共投資:関連予算の効果もあって、底堅く推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済の持ち直しが続く中で、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある
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展開が読めませんね
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VUCAという表現がもてはやされ、不確実性の高まりへのある種の諦めが広がっている印象を受けます。足元でも、トランプ次期大統領の政策、中でも関税政策はどうなるか、ウクライナとロシアの攻撃の応酬はどこまでエスカレートするか、日本の補正予算や来年度予算は可決されるのかなど、一寸先も読めない状況に陥った無力感を感じてしまいます。
こうした状況下でもできることは、虚心坦懐に情報を集め、その確からしさを真摯に分析し、そこから導かれるいくつかのシナリオを考え、最悪の事態も含め対応を準備しておくという、オーソドックスなことしかないと思います。いかに不確実性が高く、シナリオが無限にできてしまいそうな状況でも、判断ロジックを確り持つことで、相応な絞り込みは可能と思います。
JDさん、Saltさん、永田町さん、(まだお会いしたことはありませんが)奥山さんを擁するThe Gucci Post執筆陣は、間違いなくその一助になると思っています。
今回はこの辺で。
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