2024/11/18 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.254: 7~9月期GDP
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意外に良かった個人消費
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このところ、四半期ごとにプラス成長・マイナス成長を繰り返すパターンが続いてきました。今回は、前期比+0.2%、年率+0.9%と力強さは欠きますが、久し振りに2四半期続けてプラス成長となりました。寄与度は内需+0.6%、外需-0.4%と内需が牽引する格好です。
内需では、民間最終消費支出が前期比+0.9%(寄与度+0.5%)と2四半期連続のプラス成長。公的需要も前期比+0.3%(寄与度+0.1%)とプラスでした。一方、設備投資は前期比-0.2%(寄与度-0.0%)と再びマイナスに。住宅投資も前期比-0.1%(寄与度-0.0%)と同様に再びマイナスに。個人消費の強さが目立つ格好です。
今回の個人消費の強さについては、夏のボーナスの高い伸びが背景にあり、その点ではポジティブな評価も可能です。ただ、ダイハツなど各自動車メーカーの出荷停止の影響から漸く抜け出たことやスマホの新商品の影響など、持続性の無い要因が貢献したことも事実です。実質賃金がわずかながら前年比マイナスとなる中、今後の強さが試される展開になりそうです。
また、設備投資については、日銀短観等のアンケート調査がプラスとなる中で、GDP統計はマイナス。人手不足問題等で工期がずれてしまうなどの問題が大きい(四半期によりマイナスに振れてしまう)、名目値である短観は価格上昇の影響で水膨れしている、ということでしょうか。
外需では、輸出は前期比+0.4%(寄与度+0.1%)と増加。輸入は前期比+2.1%(寄与度-0.5%)でした=輸入はGDP計算上差し引かれる項目なので、プラスになると(引くものが増えると)GDPにはマイナスに寄与します。輸出にカウントされるインバウンド需要が、高水準とは言え流石に伸びなくなってきたと指摘されます。
なお、4~6月期に漸く600兆円を超えた名目GDP(季節調整後)は610.9兆円に増加。また、実質雇用者報酬の前年比は+0.9%。雇用者報酬と賃金は異なりますが(前者は雇主の社会保険関係負担等を含む)、GDP統計上は所得環境が少しずつ好転してきているようです。
今回はこの辺で。
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