2024/11/01 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.252: 日銀も内閣府も変更無し
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日銀の景気判断は不変
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今回のように展望レポートがある回(1月、4月、7月、10月)とない回(3月、6月、9月、12月)とでは分析の詳しさに違いがありますが、景気判断やリスク要因の指摘内容は前回から維持されました。
(現状)
・基調:一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している
・個人消費:物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある
・設備投資:緩やかな増加傾向にある
・住宅投資:弱めの動きとなっている
・公共投資:横ばい圏内の動きとなっている
・輸出:横ばい圏内の動きとなっている
(先行き)
・海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる
(リスク要因)
・海外の経済・物価動向
・資源価格の動向
・企業の賃金・価格設定行動
・金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響
・このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある
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物価は概ね前年比+2%に
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展望レポートの中では、植田総裁を含む9人の政策委員会メンバーによる実質GDP・消費者物価指数の見通しが示されます。中央値(9人のうち上からみても下からみても5番目の数字)は以下の通りです。
(実質GDP)
2024年度+0.6%(前回+0.6%)、2025年度+1.1% (前回+1.0%)、2026年度+1.0% (前回+1.0%)
(消費者物価指数=除く生鮮食品)
2024年度+2.5%(前回+2.5%)、2025年度+1.9%(前回+2.1%)、2026年度+1.9% (前回+1.9%)
(消費者物価指数=除く生鮮食品・エネルギー)
2024年度+2.0%(前回+1.9%)、2025年度+1.9% (前回+1.9%)、2026年度+2.1% (前回+2.1%)
また、リスクバランスについては、経済の見通しは概ね上下にバランス、物価の見通しは2025年度は上振れリスクの方が大きいと指摘します。
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政策変更無し
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政策は維持されました。2点付言します。
まず、政治の混乱から日銀は動きづらいとの見方も出ましたが、今回の政策維持は既定路線で、仮に自公が過半数を維持していたとしても結果は同じでした。問題は次回以降の政策変更可能性への影響ですが、この点を云々するのは時期尚早と思います。カギを握る国民民主が「25年度予算不成立でも良い」というところまで行くと、流石に混乱度は高まります。そうした中での利上げは難しくなるかもしれません。仮にこれを恐れるなら、12月のうちに利上げをしてしまう可能性も出てきますが、米国大統領選挙も終わらない今日時点でとやかく言うことは控えます。
次に、植田総裁は会見で「時間的余裕をもって見ていくとの表現は今後使わない」旨発言しました。8月の内田副総裁発言以来の市場フレンドリー路線が一旦終わったことになります。「利上げのタイミングに予断は持っていない」とも述べました。12月利上げを否定しなかった(勿論、肯定もしなかった)訳です。この発言を受け、少し円高に動きました。最近再び150円台に円相場が下落したこと、米国経済の堅調さが確認されてきたことが背景と思います。
次回利上げが12月か来年1月か、市場のヤキモキが続く感じですね。
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内閣府の景気判断も不変
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内閣府の景気判断は、現状・先行きとも維持されました。
(現状)
・基調:景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している
・個人消費:一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる
・設備投資:持ち直しの動きがみられる
・住宅建設:おおむね横ばいとなっている
・公共投資:堅調に推移している
・輸出:おおむね横ばいとなっている
(先行き)
・基調:雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国経済における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある
・個人消費:雇用・所得環境が改善する下で、持ち直していくことが期待される。ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある
・設備投資:堅調な企業収益等を背景に、持ち直し傾向が続くことが期待される
・住宅建設:当面、横ばいで推移していくと見込まれる
・公共投資:補正予算の効果もあって、堅調に推移していくことが見込まれる
・輸出:海外経済の持ち直しが続く中で、持ち直していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある
因みに、日銀と内閣府の現状判断を比べると、基調判断は「緩やかに回復している」で一致していますが、個人消費と設備投資は日銀が強め、住宅投資(建設)は内閣府が強めですね。
今回はこの辺で。
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