2023/12/25 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.218: 金融政策変更無し
***********
政策変更無し
***********
事前には、短期金利をマイナス0.1%とする所謂マイナス金利政策を止めるのではないかとの観測もありましたが、政策は変更されませんでした。
日銀の政策については年明け後に改めて書く予定です。また、今の政策の説明自体が厄介で、「政策変更無し」が何を意味するか理解が難しい面もあります。
ただ、日銀のホームページで「2%の物価安定の目標と長短金利操作付き量的・質的金融緩和」と書かれているように、短期金利と長期金利(10年物国債金利)のコントロールが政策の中心です。このうち、少し前までは、長期金利のコントロールをどこまで柔軟化するかが世間の関心事でした。しかし、植田総裁自らマイナス金利政策変更に言及し、また、短期金利の変更が住宅ローン変動金利の引き上げに直結するため、今回この点に注目が集まった経緯です。
しかしながら、総裁は「先行き、賃金と物価の好循環が強まっていくか、なお見極めていく必要があると判断」と、決断を先送りしました。
***********
景気判断は維持
***********
今回のように展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)とある月(1月、4月、7月、10月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気判断は現状・先行きとも維持されました。
(現状)
・基調:緩やかに回復している
・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかな増加を続けている
・設備投資:緩やかな増加傾向にある
・住宅投資:弱めの動きとなっている
・公共投資:横ばい圏内の動きとなっている
・輸出:海外経済回復ペース鈍化の影響を受けつつも、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている
(先行き)
・当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けるとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる
(リスク要因)
・海外の経済・物価動向
・資源価格の動向
・企業の賃金・価格設定動向
・金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響
**********
今年もお世話になりました
***********
余程のことが無ければ、今年は今回で終了です。休載も度々ありましたが、何とか年末まで漕ぎ着けました。ありがとうございました。
来年は、Saltさんが扱う米国金融政策、JDさんが扱う米国大統領選挙など、ビッグイベント目白押し。日本も、永田町さんが扱う岸田政権の断末魔(?!)、そしてこのコーナーで取り上げる植田日銀体制の正念場など、注目が集まる1年になりそうです。
皆様、穏やかな年末年始をお迎えください。次回は1月8日の予定です。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。