2023/02/20 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.183: 2022年10~12月期GDP
今回は14日に公表された昨年10~12月期GDPを紹介します。
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一応プラス成長
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10~12月期GDPは、前期比+0.2%、年率換算で+0.6%の成長となりました。
内需・外需に分けると、内需の寄与度は-0.2%、外需の寄与度は+0.3%です。需要項目別には以下の通りです。
・民間最終消費支出は前期比+0.5%、寄与度+0.3%。とても強い訳ではありませんが、年率換算で+2.0%なので、まずまずといった感じでしょうか。
・民間住宅投資は前期比-0.1%、寄与度-0.0%。このところマイナスが続いています。
・民間企業設備投資は前期比-0.5%、寄与度-0.1%。最近好調が続いた反動減ですね。
・民間在庫変動は寄与度-0.5%。在庫取り崩し時には額自体がマイナスとなる項目のため、前期比は算出されません。サプライチェーン混乱等で積み上がった在庫がはけたことを意味し、GDP押し下げ要因ですが、むしろ良い動きです。
・公的需要は前期比+0.3%、寄与度+0.1%。景気を下支えました。
・輸出は前期比+1.4%、寄与度+0.3%。輸入は前期比-0.4%、寄与度+0.1%。輸出と輸入の差である純輸出の寄与度は+0.3%。GDP統計を扱う際に躓くのは「輸入が増えるとGDPが減る」点と思います。直感的には、輸入により国内の仕事が奪われると理解すると良いのでしょうか。今期は、輸出増、輸入減の両方がGDPを支えた格好です。
・因みにGDP統計のもうひとつの躓きは、インバウンド消費は個人消費でなく輸出にカウントされることでしょうか。財・サービスを外国人に輸出しているとみなされるためです。
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物価高の影響は?
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国内需要デフレーターの前年同期比は+3.3%。1~3月期+2.6%、4~6月期+2.7%、7~9月期+3.2%だったので、着実に上昇しています。
また、雇用者報酬のデータも公表されています。名目値でみると前年比+2.9%と上昇していますが、物価上昇の影響を差し引いた実質値では前年比-1.4%。生活実感に合った数字です。
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2022年のGDP
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2022年暦年のGDP前年比は+1.1%と一応2年続けてプラス成長となりましたが、冴えない数字です。暦年のGDP実額は546.0兆円。コロナ前の2019年暦年552.5兆円にまだまだ届きません。
とても簡単ですが、今回はこの辺で。
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