2022/11/21 06:30 | by Konan | コメント(2)
Vol.173: GDP+あおちゃん
今回は15日に公表された7~9月期GDPを紹介します。その後、お願い事です。
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予想外のマイナス成長
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蓋を開けてみると、7~9月期GDPは大方の事前予想と異なりマイナス成長となりました。昨年7~9月期以来4期振り。具体的には、前期比-0.3%、年率換算で-1.2%です。
内需・外需に分けると内需の寄与度は+0.4%、外需の寄与度は-0.7%で、外需が大きく足を引っ張った格好です。需要項目別には以下の通りです。
・民間最終消費支出は前期比+0.3%、寄与度+0.1%。4~6月期には前期比+1.2%とかなり伸びたのですが、コロナ第7波の影響もあり勢いは弱まりました。
・民間住宅投資は前期比-0.4%、寄与度-0.0%。住宅投資はGDPに占める比率が低いため余り注目されませんが、このところマイナスが続いています。トレンドとしての人口減少、そうした中での都心での地価上昇に加え、最近では資材価格高騰の影響もあるようです。
・民間企業設備投資は前期比+1.5%、寄与度+0.2%と気を吐きました。日銀短観を見ても、コロナ禍以降停滞気味だった投資を増やす動きが顕著です。
・民間在庫変動は寄与度-0.1%。在庫取り崩し時には額自体がマイナスとなる項目のため、前期比は算出されません。
・公的需要は前期比+0.2%、寄与度+0.1%。景気を下支えしました。
・輸出は前期比+1.9%、寄与度+0.4%。輸入は前期比+5.2%、寄与度-1.0%。輸出と輸入の差である純輸出の寄与度は-0.7%。これが今期GDPマイナス成長の主犯です。GDP統計を扱う際に躓くのは「輸入が増えるとGDPが減る」点と思います。直感的には、輸入により国内の仕事が奪われると理解すると良いのでしょうか。今期については、輸出自体は悪くなかったのですが、供給制約の影響で滞っていた輸入が一気に膨らんだことが、輸入著増の背景です。
・因みにGDP統計のもうひとつの躓きは、インバウンド消費は個人消費でなく輸出にカウントされることでしょうか。財・サービスを外国人に輸出しているとみなされるためです。
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物価高の影響は?
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国内需要デフレーターの前年同期比は+3.0%。1~3月期+1.8%、4~6月期+2.6%だったので、着実に上昇しています。
また、雇用者報酬のデータも公表されています。名目値でみると前年比+1.8%と一応上昇していますが、物価上昇の影響を差し引いた実質値では前年比-1.6%。生活実感に合った数字です。
なお、GDP実額は543.6兆円。コロナ前の2019年暦年552.8兆円にまだまだ届きません。
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あおちゃんを救う会
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ツイートもしましたが、知人の関係者の1歳のお嬢様が心臓移植が必要な状況にあります。渡米し移植手術を受ける費用は円安の影響もありかなり巨額で、彼女を救うための募金活動が行われています。あおちゃんを救う会HPにアクセスし検討いただけると、とても嬉しく思います。このコーナーとの関係では、円安の思わぬデメリットを思い知りました。
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2 comments on “Vol.173: GDP+あおちゃん”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
https://bunshun.jp/articles/-/12724
上記を御参考下さい.
この問題は,日本で致死的な疾患の稀有な治療が可能であり,その治療を受ける日本人の患者さんが列をなして待っている中で,大金を払ってくれる中国人を横入りさせて優先させて治療すべきか,という問題と等しいです.
もちろん自分の身内が同じ状態であれば,同じことをすることは間違いありません.しかし第三者が発信する際は考慮すべき点がある様に思えます.
メルマガの本筋の件ではありませんが、ホッとしました。私もほんの気持ちですが、Konanさんのメルマガで知って協力させていただきました。あおちゃんにとっては漸くスタートですが。saltさんのメルマガでも言及がありましたが、とても難しい問題で考えさせられました。
私としては、(財源が限られるので)ウクライナか近所の子供食堂かとの選択での募金でした。結局、馴染みのメルマガで知ったということで選びましたが、ささやかな金額ながらどれにしようか悩みました。
ふるさと納税みたいに気軽にお得に募金出来る仕組みがあるといいなぁと思います。
あおちゃんのご家族も苦渋の選択だったと推察します。あおちゃんが健やかに育ちますように。